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FIFA女子ワールドカップ中国2007 プレーオフへ向けて 〜大谷未央選手インタビュー〜 (2007年03月09日)

FIFA女子ワールドカップへの最後の一枚となる出場権を巡る戦いがいよいよ始まる。4年前のプレーオフではまだ"若手"の域を出ていなかったが、今や若いFW陣をまとめる立場となった大谷未央選手に話を聞いた。
Q:いよいよFIFA女子ワールドカッププレーオフですね。今の心境は?
大谷未央:合宿に入りたてはちょっと力が入り過ぎていた感じでしたが、これじゃダメだと思って、気持ちを切り替えました。今はもう普段どおりになっていますね。日を追うごとにプレーオフに向けて気持ちも高まってきました。

Q:前回のプレーオフと今回では何か違いは感じられますか?
大谷:前回はAFC女子アジア選手権(現アジアカップ)で負けた直後にプレーオフを戦いました。とにかく慌ただしかった!負けて悔しいやら、もうプレーオフだわって(笑)。そのままの勢いで乗り切ったところがありました。今回は時間があって、その間にアジア大会も戦えたし、AFC女子アジアカップで出来ていなかったところを見直すことを出来ました。チームとしては準備をして臨めるのが一番違いますね。

Q:仕上がり具合はいかがですか?
大谷:合宿当初の西が丘では所属チームでの練習後ということもあって少し疲れがあったんですが、ここへきて、いい状態に仕上がってきていると思います。

Q:対戦相手は前回と同じメキシコです。このチームの印象は?
大谷:前回戦った時も思ったんですけど、簡単には勝たせてもらえない相手ですよね。現在のメキシコについてもビデオを見ましたが、巧さがあると思いました。かといってそれに臆する必要は全くないんですけど。私たちは日本の良さと自分たちのサッカーを出せれば勝てると思っています。

Q:そこの部分はいつも言われていますが、シンプルですが、一番重要なところですよね。
大谷:そうなんです。これまではもちろん気合十分で臨むんですが、試合展開によって"揺らぎ"みたいなものが出てしまっていたんです。日本だけでなく、アジアでも各国が力をつけて、これまでにないほどレベルが上がってきているということもあると思います。簡単に勝てる試合も負ける試合もなくなってきていますから。でも日本も成長してきているのは他に負けない。その気持ちがあれば大丈夫だと思っています。

Q:ここまで、FIFA女子ワールドカップには第1回大会から連続出場を果たしている日本ですが、そういった意味でもプレッシャーなどは感じていますか?
大谷:正直いってプレッシャーがないと言えば嘘になります。でも、それはいいことだと思うんです。その中で戦ってこそ、強くなれるし、成長するもの。今はFIFA女子ワールドカップに行けたらいいというレベルではありません。行かなきゃいけないし、決勝トーナメントでいかに戦うかというところまで来ていると思っています。

Q:大谷選手自身、前回のプレーオフのときはまだまわりの様子を伺っているようなところもありましたが、随分たくましくというか、強くなった印象があります。それはやはり世界大会を経験したからでしょうか?
大谷:そうだと思います。FIFA女子ワールドカップとオリンピックを経験したことは大きな自信になりました。私だけでなく、チームみんなが成長したと思います。

Q:大谷選手にとってFIFA女子ワールドカップとは?
大谷:前回出場したFIFA女子ワールドカップが私にとって初めての世界大会だったんですけど、その場で自分でゴールを決めることが出来た。チームとしては結果が残せずに不満でしたが、個人的には通用した部分としなかった部分が表れたのでいい経験になりました。そういうのもあって私の中では大きい大会なんです。実際にサッカーだけの大会ですから。4年後の自分がどれだけ出来るのか、楽しみです。

Q:ではそんな大谷選手が心がけていることは何ですか?
大谷:以前は結構自分優先だったんです。それも重要なことですが、今はチーム内の雰囲気を見て、若い選手と積極的にコミュニケーションを取るようにしています。やっぱり若い選手はこちらから話しかけて緊張をほぐしてあげないと・・・。自分もそうでしたから。

Q:最後にプレーオフへ向けて一言お願いします。
大谷:出場権を獲得することが何より重要です。でも目標としてはヒヤヒヤした試合ではなく、安心できる試合にしたいと思っています。もちろん、FWですから得点も狙っていきます!応援よろしくお願いします。


(文/早草紀子)

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