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全日本大学女子サッカー選手権決勝 〜7年ぶりに大阪体育大学が優勝!〜 (2007年01月18日)

全日本大学女子サッカー選手権決勝が1月14日、国立競技場で行われ、大阪体育大学が1−0で日本体育大学を下し、7年ぶりにタイトルを手にした。
今年、第15回記念大会を迎えた全日本大学女子サッカー選手権は、昨年度より決勝ラウンドを東京に移し(1次ラウンドはこれまで通り兵庫・神戸市)、決勝は男子の全日本大学サッカー選手権(インカレ)決勝と同日開催となっており、今年で2回目の国立での決戦になる。各地域の代表16チームによって12月26日〜28日の1次ラウンドから熱い戦いが繰り広げられた。
決勝戦に勝ち上がってきたのは大阪体育大学と日本体育大学。開始46秒、日体大・川澄奈穂美からのパスを受けた相澤裕子がいきなりシュートを放つ。この1本で勢いに乗った日体大は、一気に攻勢に出る。5分、左サイドの網川玲奈のクロスに相澤が頭で合わせるが、わずかに左にそれる。14分には池田浩子がFKを直接狙い、大体大のゴールを脅かす。防戦を強いられていた大体大も16分、岡環実が前線へフィードし、白井杏奈に合わせようとするがオフサイドに。22分には鈴木綾がミドルシュートを放つなど、徐々に巻き返しをはかるが、ボールを支配するのは圧倒的に日体大。29分、相澤が右サイドへ流し、中村早樹がフリーで受ける。しかしDFに追いつかれ、放ったシュートはゴール右外へ。41分には、またもや日体大に大きなチャンスが訪れる。右サイドからの展開で、ゴール前の混戦からこぼれたところを中村がシュート。キーパーの横を抜けたボールはポストにはじかれる。日体大はワンタッチプレーやドリブルなど、多彩な攻撃パターンで大体大ゴールに迫るが、大体大もしぶといマークを外すことなく守備をかため、得点を許さない。
前半を0−0で折り返して後半に入ると、両者の攻撃が激突、息を飲む展開となる。日体大は49分、川澄がキーパーと交錯しながらシュートに持ち込み、好機を演出する。対する大体大は52分、右サイドの喜代原歩が白井へ絶妙なパス。しかし、ここはDF藤本まどかがしっかりとマークにつき、クリアする。互いに譲らない状況で、日体大は57分、網川に代えて伊藤美菜子を投入する。そしてその6分後、今度は大体大が尾原亜由香に代え、準決勝の勝利に貢献した山内典子をピッチに送り出す。その直後、山内がドリブルで切り込み、DFを引き連れながらシュートまで持ち込む。さらに山内は69分にもドリブルで突破を試みるなど、大体大に流れを引き寄せる。しかし、71分、日体大に再び先制のチャンス。川澄のスルーパスに中村がゴールを狙うが、惜しくも得点ならず。そんな攻防が繰り返される中、ついに試合が大きく動く。74分、大体大は鶴岡裕子の右CKのこぼれ球を池内里紗がオーバーヘッドでゴール右へ突き刺し、先制点を奪う。何とか追いつきたい日体大はロングシュートを織り交ぜ、ゴールを目指すが、大体大の堅い守りに跳ね返される。87分には川澄がドリブルで抜け、キーパーと1−1になる場面で繰り出したシュートは大きく右へそれ、同点弾とはならなかった。3分間のロスタイムにも日体大はFKを得るなどチャンスを作り続けたが、大体大の必死のクリアの前にとうとう最後までゴールラインを割ることができなかった。大体大は1点を全員で守りきり、7年ぶりの優勝を果たした。
試合終了後、仲間の待つスタンド前で何度もガッツポーズを見せていたキャプテンの伊達優子は「楽に戦える試合は一つもなかった。けが人が多く、なかなかメンバーが組めない中、それぞれの気持ちが前面に出た大会だったと思います。本当に嬉しいです」と、苦しみながら掴んだ優勝の喜びをかみしめていた。


(文/早草紀子)

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