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女子サッカーの2007シーズン、世界へ羽ばたく女子プレーヤーの戦いに期待(2007年01月05日)

昨シーズンはアジアカップ、アジア大会と、なでしこジャパンにとって試練と発展の1年となったが、今シーズンはそれ以上に大きな大会が立て続けに予定されている。
最初にやってくるのが3月10日(日本/国立)、17日(メキシコ/未定)にメキシコ女子代表と行うFIFA女子ワールドカップ中国2007 AFC/CONCACFプレーオフだ。開催国の中国を除く上位2チームに与えられるFIFA女子ワールドカップ中国2007の出場権獲得を目指し、昨年7月、AFC女子アジアカップ オーストラリアに臨んだ日本は、予選グループで強豪・中国を破り、予選グループトップ通過で決勝トーナメントへ進んだ。あと一勝で本大会出場が決まるところまで迫っていた。準決勝の相手はオーストラリア。ベスト4に進んだ顔ぶれの中では一番戦いやすい相手であっただろう。しかし、日本は0−2でまさかの敗戦。少なからぬショックを受けながらの次なる戦いは朝鮮民主主義人民共和国(DPR KOREA)との3位決定戦だった。ここでは残り一つの出場枠を巡る熾烈な戦いとなった。日本は3連続失点のあと、2点を返す粘りを見せたものの、アジアカップでの出場権獲得はならなかった。そして3月、北中米・カリブ海地域とのプレーオフにすべてをかけることになったのである。日本のプレーオフ進出は前回大会に引き続き2度目で、相手も前回同様メキシコとなった。2003年の戦いでは初戦のアウェイを2−2で切り抜け、ホーム決戦で2−0と快勝して見事本大会出場を果たした。これまで日本はFIFA女子ワールドカップに第1回から4回連続で出場、今大会でその記録を途絶えさせるわけにはいかない。そして何より、自分たちの世界への挑戦のためにも、何としてもこの大舞台に立ちたいところだろう。「持ち前の粘り強さで、FIFA女子ワールドカップ5大会連続出場を果たしてほしい」という川淵キャプテンの期待通り、メキシコを倒すことができれば9月に行われる本大会への道が開かれる。
そして今年はもうひとつ、北京オリンピック予選が控えている。2004年4月に行われたアテネオリンピック予選のDPR KOREA戦は記憶に新しいが、今回もなでしこジャパンの大躍進に期待したい。
今大会は、アジア予選参加14チーム中シード枠となっている日本とDPR KOREA以外の12チームが3グループにわかれてセントラル方式で対戦する予選ラウンドがあり、各グループ上位2位が決勝トーナメントへ進出する。この決勝ラウンドから日本の戦いが始まる。日本が属するのはグループA。そしてグループBにDPR KOREAが入る。オーストラリアは予選グループCのため、勝ちあがればグループBに入ることが決定している。日本としては比較的戦いやすいグループに入ったといえるだろう。あとは予選グループAで戦う韓国がどちらへ入るかというところだが、なでしこジャパンにとって自分たちのサッカーを貫き通すことができれば、恐れるものは何もない。
ユース年代にとっても大きな目標となる大会が行われる。11月にはAFC U-19女子選手権が予定されており、U-19日本女子代表は2度目の優勝を目指して挑む。昨年、同大会3位決定戦でオーストラリアに敗れ、FIFA U-20女子世界選手権の切符を逃しているだけに、その悔しさをバネに懸命に戦ってくれることだろう。ここでの活躍がなでしこジャパンへの近道となるのだけに、選手一人ひとりの奮闘を期待したい。
昨年始動したU-15女子代表が挑戦するのは、3月にマレーシアで行われるAFC U-16女子選手権だ。この大会には重要な役割がある。2008年にニュージーランドで、このカテゴリーでは初となるFIFA U-17世界選手権が開催される。その予選を兼ねているのがこの大会だ。前回大会で優勝している日本は、もちろん大会2連覇とFIFA U-17世界選手権への切符を狙う。
着実に力をつけてきたなでしこジャパン。そしてなでしこジャパンを目指し、JFAアカデミー福島やトレセンなどでレベルアップを図ってきたユース年代の女子プレーヤー。女子の場合、ユースが代表に直結するだけに、代表争いも年々白熱し、有能な選手が続々と台頭してくるに違いない。2007年、日本女子サッカーにとって大いなる飛躍の年となってほしい。


(文/早草紀子)

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