JCC・JCG番号あるいはCQゾーンやITUゾーンの番号などとは別に、自宅や運用地点などを表す方法に、グリッド・ロケーター(GL)という緯度・経度より算出する6ケタ表示の文字列があります。
このGLは、地球上を碁盤の目のように細かく細分してその位置を示したもので、GL発祥の地であるヨーロッパをはじめ、現在では世界のアマチュア局に利用されています。QSLカード上に、このGL番号が記載されているものもよく目にします。
JARLでも、このGLを利用したアワード=WASAアワード=を発行していますので、ご存じの方も多いでしょう。
では、具体的にGLがどういう仕組みになっているか、を見てみましょう!
たとえば、PM53LXは、九州の福岡県北九州市の関門橋近辺をさしますが(下の最後の地図を見てください)、この6ケタ表示はそれぞれ以下のような表示方法になっています。
これらの6ケタのうち、WASAアワードでは4ケタのスクエアだけを使用しますが、QSLカード上ではサブスクエアまでの6ケタすべてを記入しておく場合が多いようです。
次に、地図上での区分の割り付け方法を具体的に見てみましょう。
グリッド・ロケーターはつぎの計算式から算出できますが、QSLカード印刷会社の一つであるアイカラー(諏訪印刷)のホームページには、地図からグリッドロケーターを計算する便利なページがありますので、これを活用するといいでしょう。
平成13年6月20日に測量法が改正され、平成14年4月1日から緯度・経度の基準が「世界測地系」にしたがうことになりました。
JARL発行のアワードで、緯度や経度に関係しているのは、グリッド・スクエア・ロケーターを対象とする「Worked All Square Award(WASA)」です。
緯度・経度の基準が「世界測地系」に変わることで、これまでの「日本測地系」によるロケーターを区切る境界線付近の局は、隣のロケーターに変わってしまう場合がでてきます。
具体的には、2つの測地系を比較すると同じ緯度・経度の地点が、たとえば東京付近では緯度・経度とも約12秒、距離にして約450m、ほぼ南東方向に差が生じます。下の図の灰色部分である、旧PM95の西端と北端部分は、世界測地系による新PM95では隣のスクエアに変わってしまいます。
(Text by JF1SSM)
●くろまるグリッド・ロケーターを求める式は、
●くろまる実際にJARL事務局(東経139度43分44秒、北緯35度43分42秒)を例にして計算してみましょう。
JARL事務局(東京都豊島区南大塚3-43-1)のグリッド・スクエア...ロケーターは、
「PM95UR」となります。