量子固体物性研究室では、銅やコバルトなどの遷移金属元素を含む金属酸化物(セラミックの一種)で特徴的な結晶構造をもつ磁性体や伝導電子が多体効果を及ぼし合っている物質(強相関電子系)を取り上げて、異常物性を示す新物質や新しい現象を実験的に探索しています。
特に、「モット転移(強相関効果による金属-絶縁体転移)」、「磁気フラストレーション」、「量子スピン系」、「新奇な量子現象」、「非自明な磁気構造」、「特異な磁性により誘起された異常物性(図:螺旋(らせん)磁性により誘起された強誘電性の模式図)」等を含む金属酸化物を取り上げ、異常物性や新しい現象・機能を示すものがあるか、探索を行っています。
具体的な研究手法については、
1多結晶や単結晶の試料作成
2電気抵抗、磁化率、誘電率、比熱など基本物理量の測定
3量子ビーム(エックス線や放射光、中性子線)を使って、物質の原子配列(結晶構造)やスピンの配列(磁気構造)を原子レベルで調べる
の3本柱を有機的に連動させて研究を進めています。