サッカーJ1のモンテディオ山形は3月7日、静岡県磐田市のヤマハスタジアムで名門・ジュビロ磐田との2009年シーズン開幕戦に臨み、6対2の大勝でチーム史上初となるJ1での勝ち点3をあげました。
J1開幕戦をみんなで応援しようと山新観光やNツアー農協観光、JTBが企画した応援バスツアーに参加した人たち、首都圏や関西方面から駆けつけた人たちなど、1,200人を超えるモンテディオ山形のサポーターが磐田に集結しました。かく言うわたしは天童からマイカーで向かい、正午前には現地入りして、スタジアム周辺を散策しました。そこで、モンテディオ山形のホームタウンである天童市と磐田市、モンテディオ山形とやジュビロ磐田を見比べることで、「ここは天童(モンテディオ山形)のほうが恵まれてるかもなぁ」「ここはもう少しがんばったほうがいいなぁ」と、改めて気づいた点がいくつかありました。
ヤマハスタジアムは住宅街に隣接しています。区画整理事業で整備された街ではなく、旧来からの街のなかにある印象で、NDソフトスタジアム山形(山形県総合運動公園)とはちょっとイメージが違います。スタジアムには駐車場がありません(Jリーグ戦開催時)が、ヤマハ発動機の社員駐車場が周囲に点在していて、1台1,000円で利用することができます。ただし、台数が限られているため、公共交通機関の利用が積極的に推奨されています。住宅地周辺での交通渋滞を緩和する目的もあるのでしょう。公共交通機関で行く「まちなか」のスタジアムです。
一方、われらがモンテディオ山形のホームスタジアム・NDソフトスタジアム山形はと言えば、マイカーで行くのが「常識」。広大な無料駐車場を完備しているということもあるでしょうが、市街地からちょっと離れたところにあって、一番近い高擶駅(たかだま)から歩いて30分、天童駅から歩くと1時間もかかってしまい、歩くことが現実的ではないことが原因の1つです。シャトルバスは天童駅と山形駅から運行されていますが、便数が限られているため、結局、マイカーで行くことになります。
NDソフトスタジアム山形(=んだスタ)からJR奥羽本線をはさんだ西側では、平成19年度から芳賀土地区画整理事業が始まりました。新しい街をつくる事業です。ここに駅ができれば、スタジアムまで徒歩15分! んだスタは「日本でもっとも行きづらい(交通の便が悪い)スタジアム」と酷評されてきていますが、駅が完成すれば、汚名を返上することができます。天童市としては、モンテディオ山形をサポートするためにも、天童市がさらに発展するためにも、芳賀土地区画整理事業のなかに駅をつくっていくことが必要だと思います。
入場ゲート外の飲食ブースには、ラーメンや餃子、クレープ、地産地消カレー「オモロカレー」のお店が出ていました。一方、NDソフトスタジアム山形では、これらに加えて山形のソウルフードとも言うべき「どんどん焼き」(割り箸に巻いたお好み焼き)や芋煮(いもに)、冷やしラーメン、肉そば、炎のカリーパン(対戦相手をくっちゃお〜シリーズ)などが提供されていて、この点では山形のほうが楽しみが多いかも、と思いました。
ただし、磐田では飲食ブースにテーブルやイスが用意されていて、小さな子どもを連れた家族も安心して食べることができました。NDソフトスタジアム山形では、ほとんどの人たちは立ち食い状態です。数は少なくても、ちょっと用意してあるだけで雰囲気がずいぶん違うなぁと感心しました。
道路をはさんだ西側にはジュビロショップ磐田があって、グッズやチケットを購入することができます。この日はモンテディオ山形のタオルマフラーやメガホンも販売していました。もしサポートショップをつくるとしたら、芳賀地区につくることをオススメします。芳賀地区には、数年後には住宅やお店が並ぶようになります。平日の人の入りを考えると、市街地から離れているNDソフトスタジアム山形の周辺よりも、芳賀地区につくるのがいいでしょう。JRの駅ができれば、なおのこと環境が整います。
昨シーズンのモンテディオ山形のホームゲームでは、子ども向けのアトラクション「もんてらんど」がオープンして、キックターゲットやエアトランポリンを楽しむことができました。今シーズンの体制はまだ発表されていませんが、おなじように続けられることを期待しています。ジュビロ磐田でも同様のアトラクションがありましたが、遊んでいる子どもの数がとても少なかったのが印象的でした。これはもしかすると、子どもたちも入場料が必要だということで訪れる子どもの数が少ないのかもしれません。
モンテディオ山形の場合、運営母体が公益法人だということと観客動員数のアップを図るために、山形県内の小中高校生は無料で入場することができます。そのため、小学生を中心に子どもたちの姿をスタジアムで見かけることが多く、じいちゃん・ばあちゃんと親と子どもが一緒に3世代で観戦する人たちも多くいます。
チームの運営を考えると全員が有料入場者であることが望ましいと思いますが、そうすると入場者数が少なくなってしまうということで、痛し痒しといったところがあるなぁと思いました。試合の勝ち負けだけではなくて、スタジアムに来るだけでなにか楽しいことがあるという仕掛けが必要でなぁと思いました。
ヤマハスタジアムに訪れて一番驚いたのは、会員向けのサービスがいろいろあることです。駐車場は有料で台数限定、さらに各地に点在している状況ですが、シーズンチケット購入者は一番近い駐車場を利用できたり、一般客よりも早めにスタジアムに入場することができたりと、メリットがたくさんあることに感心しました。また、当日券があまっているようであれば差額を出して座種のランクアップ(S席→SS席など)ができたり、観戦人数が増えた場合に追加でチケットを購入できたりと、おいしいことがたくさんあります。
予想どおりでちょっと残念だったのは、スタジアムにお土産モノをあつかっているお店がなかったことです。夜行バスによる「弾丸ツアー」で訪れると現地を散策する余裕がないため、ホントに行って帰ってくるだけになってしまいます。いまモンテディオ山形では検討中のようですが、お菓子や農産物、工芸品など「天童に行ってきたよ!」というのが買えるお店をぜひ出して欲しいと思います。
天童は交通の便が良いことや天童温泉があることから、大規模な会議やスポーツ大会などが行われる機会が多くあります。その際に天童物産展のようなものを開催したりしますが、もあまり売り上げがないということで、年を追うごとに参加店が少なくなる傾向があるようです。
モンテディオ山形がジュビロ磐田に大勝した翌日、テレビも新聞も全国規模で大々的に報道したように、J1昇格によるPR効果は絶大なものがあります(J2時代はテロップで試合結果が出るだけでした)。「損して得を取る」のように、まずは知ってもらうことから初めていく気持ちが必要だと思いました。
山形の盆踊り「花笠おどり」の花笠を手に持つ、はっぴを着た人たちがいました。はっぴのえりに「山形県人会」とありましたので、静岡在住の方々なのかもしれません。今後も大都市圏を中心にモンテディオ山形が遠征することになりますが、こういう光景が今年はいろんなところで見られるかもしれませんね。
ハーフタイムにはジュビロのキャラクター「ジュビロくん」と「ジュビイちゃん」が回りました。関連グッズは大人気です。モンテディオ山形のキャラクター「ディーオ」のぬいぐるみデビューは一体いつに?
今週末に開幕戦を迎えるJ1・モンテディオ山形を応援しようと、ホームタウンである天童市の天童市商店街連合会てんてんカード会が、試合日程を告知する応援用看板100枚を作製しました。3月2日午前9時からは天童市役所前で設置セレモニーが行われ、モンテディオ山形からは海保宣生(かいほ・のぶお)理事長が出席しました。
看板は縦1.8メートル、横50センチメートルの大きさで、シュート姿のディーオと赤ユニフォームのモンテスが描かれています。天童市内の加盟店94店と天童市役所などの施設の分、合わせて100枚が作成され、八百屋さんやそば屋さんなど天童市内のあちこちで看板を目にすることができます。
開幕セレモニーの連続写真です(左上→右上→左下→右下)。式典に臨んだのは、写真左端から山本信治(やまもと・しんじ)天童市長、押野宏(おしの・ひろし)天童商工会議所会頭代行、海保宣生(かいほ・のぶお)理事長、佐野宏美(さの・ひろみ)天童商工会議所商業部会長です。
式典では、海保理事長が「自治体が率先して募金活動を行っているJリーグのチームは、モンテディオ山形以外にありません。大変ありがとうございます。いろんな解説者が『今年の最下位はモンテディオ山形だ』と言っているようですが、そんなことはありません!」と力強いあいさつを行い、拍手が沸き起こりました。しかし、なかには「あのぐらいの勢いで『モンテディオの名前は変えません!』と言ってくれればいいのにねぇ〜」というご婦人の声もありました。
式典が終わると、さっそく看板がそれぞれのお店に取り付けられていました。お店の入り口となりや駐車場の前など、お店に訪れた人や街を歩いている人たちの目に付きやすいところに工夫して設置されていました。
また、JR天童駅東口には、大型の試合日程告知サイン(看板)が設置されました。こちらはNDソフトウエア株式会社の協力によるもので、JR山形駅自由通路内やジャスコ山形南店専門店街2階通路、NDソフトスタジアム山形ちかくの交差点(株式会社トーセン)にもおなじタイプのものが設置されています。