芳村 圭 教授 - 東京大学生産技術研究所

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水安定同位体, 力学的ダウンスケーリング, データ同化, 統合陸域シミュレータ, 気候変動, 衛星観測, 洪水予測
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プレスリリース
【記者発表】丘から谷への水の流れが気候を変える?――斜面水動態・植生分布・水とエネルギー循環の新たなつながりを発見――
#東大生研 の李 庶平 特任研究員、山崎 大 准教授、芳村 圭 教授と中央大学の新田 友子 准教授による研究グループは、陸面の物理過程を再現する「陸面モデル」において、斜面の水動態と植生分布を結びつけた新たなスキームを開発し、谷沿いに形成される森林といった現実世界の特徴的な景観を、モデル内でも詳細に再現できるようになりました。アフリカ全域のシミュレーションにおいて、斜面の水動態と植生分布を考慮することで、蒸発散・流出・土壌水分をより正確に再現し、観測データとの整合性が向上しました。斜面の水動態と植生分布を精緻にモデル化することで、アフリカ全体での蒸発散・流出量の増加と土壌水分の減少という顕著な傾向を発見しました。
プレスリリース
【記者発表】全球海洋モデルにより福島第一原発から放出される トリチウムの濃度分布を予測――放出計画をもとにした最新シミュレーション結果――
#東大生研 のコクヮン アレクサンドル特任助教、芳村 圭教授と、福島大学 環境放射能研究所 グシエフ マキシム特任准教授、海洋研究開発機構 小室 芳樹副主任研究員、国立極地研究所 小野 純 特任准教授は、全球海洋モデルを用いて、福島第一原子力発電所の処理水の放出による海洋中のトリチウム濃度をシミュレーションしたところ、放出場所付近(25km程度)以遠では放出開始前のトリチウム濃度(背景トリチウム濃度)からの増加は検出されないとの結果を得ました。東京電力が公表している処理水の放出計画に基づく長期・全球規模のトリチウム移流拡散シミュレーションでは、地球温暖化の影響や高解像度モデルによる海洋渦の輸送効果も考慮しました。最新のシミュレーションに基づいた長期的な分布の可能性について、客観的な科学的知見を提供しました。
プレスリリース
【共同発表】暑熱関連死亡リスクにおける湿度の影響の地域差 ――日本では蒸し暑さが死亡リスクに大きな影響を与える傾向がある――(発表主体:大学院医学系研究科)
東京大学 大学院工学系研究科の沖 大幹 授と同大学院医学系研究科の橋爪 真弘 教授、郭強(GUO Qiang、ゴー・チャン)特任研究員らの研究グループは、世界43の国と地域の739都市を対象に、湿熱(湿度と気温)と死亡リスクに関する最大規模の評価を行いました。気温に加えて湿度を考慮した湿熱指数は気温単独の場合と比べて、米国の沿岸部や五大湖地域、及びペルー、韓国、そして日本において死亡リスクと高い関連を示すことが明らかとなりました。本研究の成果は、増大する熱ストレス下で熱中症警戒情報のさらなる高精度化に資する重要な知見といえます。
プレスリリース
【共同発表】西日本周辺海域で発生する線状降水帯の支配的メカニズムを提唱〜令和3年8月豪雨(戻り梅雨)の水蒸気起源解析から紐解く〜(発表主体:九州大学)
九州大学大学院理学研究院の川村 隆一 教授、理学府修士課程2年の西村 はるか 大学院生(研究当時)、熊本大学大学院先端科学研究部の一柳 錦平 准教授、#東大生研 の芳村 圭 教授らの研究グループは、水の同位体分別の過程を組み込んだ領域気象モデルによる数値シミュレーションから、線状降水帯で凝結する多量の水蒸気の流入過程を紐解くことで、線状降水帯の発生をトリガーする支配的な力学プロセスを提唱しました。特に梅雨前線帯を東進する低気圧の発達、その低気圧の詳細な構造の予測精度がないと、線状降水帯の発生予測の精度向上も困難であることが示唆されました。
プレスリリース
【共同発表】大気の水循環を追跡する高解像度シミュレーション ―次世代の水同位体・大気大循環モデルの開発―(発表主体:国立環境研究所)
国立研究開発法人 国立環境研究所、気象庁気象研究所、国立大学法人 #東大生研 、国立研究開発法人 海洋研究開発機構、国立大学法人 東京大学 大気海洋研究所の研究グループは、湿潤大気の対流を表現できる水同位体・全球高解像度大気モデル(NICAM-WISO)を開発し、これまでの水平解像度を遥かに超える現在気候の再現シミュレーションを実施しました。モデルは水同位体比の地理的な分布だけでなく、水同位体比と降水量や気温といった気象学的な関係性も良くシミュレートすることができました。NICAM-WISOによる高解像度のシミュレーションは、幅広い目的に対応した代替データとしての利用可能性、過去の気候への理解・復元、気候モデルの高度化、気象予測への応用といった価値があります。
プレスリリース
【記者発表】降水の気候変化の特徴を精度よく推定 ――気候モデルシミュレーションを高解像度化し、温暖化の影響を評価――
#東大生研 の吉兼 隆生 特任准教授と芳村 圭 教授は、機械学習を用いて、気候モデルシミュレーションを高解像度化する手法を開発しました。局地的な降水特性を再現し、温暖化が与える影響を評価することが可能となりました。3,000年分の気候モデルシミュレーションの高解像度化から、近年の梅雨期の降水変化は、温暖化よりも自然変動の影響が極めて大きいことが示唆されます。今後は、地形や気象現象等の複雑な相互作用による降水強化メカニズムを解明し、水災害リスクの低減につなげたいです。
プレスリリース
【共同発表】環境と経済活動の相互影響を考慮した地球規模シミュレーションによる、長期間に渡る環境負荷の観察を実現〜地球規模の包摂的なサステナビリティ(注記)1の実現をめざす〜(発表主体:日本電信電話株式会社)
国立大学法人 東京大学と日本電信電話株式会社は、共同研究契約「大気陸面経済水利用の循環モデルに関する共同研究」にて、経済活動が変化することに伴い年々変わる土地の利用形態(森林、草地、農地など)が水の流れと環境負荷にどう影響するかを地球規模で再現するシステムを構築しました。これにより、長期に渡る環境と経済の相互影響を考慮した環境負荷(水ストレス)の観察を実現しました。
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【共同発表】令和2年7月熊本豪雨をもたらした水蒸気の起源と履歴を解明〜降水の同位体比から紐解く「線状降水帯」の新しい描像〜(発表主体:九州大学)
このたび、九州大学大学院理学研究院の李肖陽助教、川村隆一教授、熊本大学大学院先端科学研究部の一柳錦平准教授、#東大生研 の芳村圭教授の研究グループは、水の同位体分別の過程を組み込んだ同位体領域気象モデル(IsoRSM)を用いた高解像度数値シミュレーションによって、熊本豪雨の要因となった線状降水帯の再現実験を行い、同位体分別の情報から線状降水帯形成の新しい描像を得ることに成功しました。水蒸気の動態を特徴づける同位体分別の情報から、線状降水帯の上流側(大陸上)の水循環過程の予測精度がないと、線状降水帯の降水量予測の精度向上も困難であることが示唆されました。また、本研究の手法は、予測精度の検証への活用も期待されます。
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【記者発表】地球温暖化で赤い雪が広がる?〜微生物が引き起こす赤雪現象を、地球まるごとシミュレーション〜
#東大生研 の大沼 友貴彦 特任研究員、芳村 圭 教授と千葉大学 大学院理学研究院の竹内 望 教授の共同研究グループは、世界各地の赤雪の発生を予測する数値シミュレーションに世界で初めて成功しました。赤雪の発生は、主に降雪頻度と融雪期間に依存することが分かりました。また、地球温暖化によって赤雪の発生時期が早まり、発生地域が広がる可能性が示唆されました。今後もモデル開発を続け、赤雪がもたらす雪氷圏および気候変動への影響を評価していきます。
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【記者発表】宇宙から観測した「重い水蒸気」で天気予報を変える
「重い水」は、相変化を繰り返しながら絶えず移動している地球上の水の循環過程の指標として古くから利用されてきました。一般財団法人 日本気象協会の多田 真嵩 氏および #東大生研 の芳村 圭 教授、取出 欣也 特別研究員は、人工衛星を用いて観測された大気中の水蒸気同位体比のデータを、水同位体を含んだ大気大循環モデルによる推定と組み合わせる「データ同化」を行うことにより、水蒸気同位体比そのもの だけでなく、大気中の気温や風速の予測精度が改善することを世界で初めて実証しました。対流圏の水蒸気輸送過程は、降水過程に直結する重要な要素であり、そのメカニズムの理解が進むとともに、今後の天気予報の精度向上に貢献できる可能性があります。
プレスリリース
【記者発表】日本中の河川をモニタリング!『Today's Earth – Japan』〜氾濫の危険を30時間以上前に予測〜
#東大生研 とJAXA地球観測研究センターの共同研究グループが開発・運用してきた「Today's Earth-Japan」による2019年の台風19号の予測検証では、堤防決壊地点142箇所中130箇所で、被災前に警戒情報を出せることを確認しました。洪水予報は、国の機関のみが行うことができますが、国の洪水予報のリードタイム(予報発出時刻から将来予想される発災時刻までの時間)は6時間までで、TE-Japanでは30時間以上前から予測可能となり、国の機関以外による洪水予報の可能性を示しました。

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