薩摩風土記
鹿児島藩ではこの頃文化事業が盛んであり、有名な薩藩旧記雑録、三国名勝図絵等が相次いで成立している。 本書の作者については全く情報がないが、鹿児島藩の藩士で御用聞役として長崎に駐在していた人物と想像する。
内容は主に鹿児島城下の地誌、祭礼、風俗から始まり、薩摩の属国であった琉球国の地誌風俗、更に薩摩、大隅、日向の名所案内が前半にある。 後半は長崎が開港地となる経緯、切支丹制禁の事、天草島原の乱、オランダ貿易など本のタイトルと少し異なる異国との交易史について述べている。
現代文訳注にあたり以下底本と異なる所がある。
・鹿児島城下の地誌、風俗と琉球とそれと混在している所があるので、話題の場所を
変えた箇所がある。 翻刻文は底本通りとした
・挿絵が底本では記事と全く違う所にある事が多いので、ある程度記事に近い所に
挿入した。 翻刻文では挿絵は(図)として省略したが書込みは底本通りの
場所にした。
・挿絵が本文記事になく関係不明のものは除いたが、全体の九割以上は掲載した。
薩摩風土記 現代文訳注1→こちら 現代文訳注2→こちら