もう少し生きむと思ふ分葱植う
神蔵器
風土
199807
十本の指で分葱を抜きにけり
飯塚ゑ子
火星
199810
市はづれ千本分葱匂ひけり
小林輝子
風土
200209
亀石や千本分葱の摘まれをる
延広禎一
槐
200304
饅好きの少々早き分葱抜く
岡田章子
ぐろっけ
200306
残年といふは素なりき分葱引く
八田木枯
晩紅
200312
束ねある分葱無骨に提げ来たる
長田曄子
火星
200408
晴れたれば比良美しといふ分葱和へ
木内徴子
万象
200505
弟の遺せし分葱目に沁むる
椋本一子
雨月
200607
なんとなう住み憂くなりし分葱かな
小形さとる
槐
201006
けむりては分葱の育つ御師の宿
神蔵器
風土
201008
好みしは母直伝の分葱ぬた
蓮尾みどり
ぐろっけ
201206
稚魚の水濁して洗ふ分葱かな
當間シズ
万象
201206
一滴の酢で緊りけり分葱和へ
藤岡紫水
京鹿子
201306
一畝の分葱そよそよ春近し
鳥居美智子
ろんど
201504
分葱つつみきし故郷の新聞紙
松田泰子
末黒野
201606
食卓に酢の匂ひけり分葱饅
田中臥石
末黒野
201607
朝粥の一椀のみや分葱饅
田中臥石
末黒野
201706
分葱ぬた盛りて形見の白磁鉢
大塚かずよ
末黒野
201808
けふ妻の検診日なり分葱饅
田中臥石
末黒野
201905
帰りしな娘手渡す分葱束
田中臥石
末黒野
201905
分葱饅播鉢のまま卓に出す
小林輝子
風土
202006
初分葱茹でてゐる窓少し開け
大内幸子
六花
202106
肴にはこれあれば足る分葱ぬた
村田武
やぶれ傘
202306
2024年2月27日
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