藍甕のあくまで青し梅擬
大塚禎子
春耕
199901
夕刊の半分濡れし梅もどき
鬼頭桐葉
春蘭
200010
炭住の一と棟残り梅擬
井水貞子
春耕
200012
禅林の碧落にほふ梅もどき
阿部ひろし
酸漿
200102
梅もどき梅にはなれぬ野心あり
柳未央
いろり
200102
だしぬけに日の射して来し梅擬
江原正子
春耕
200112
軸足は日常に置く梅擬
笠井円
円虹
200202
片雲の白ゆつくりと梅擬
小林武子
円虹
200202
梅擬今朝は目白が客人か
須賀敏子
あを
200212
漫画家に伯の敬称梅擬
丸山分水
槐
200309
暖簾わけ榮太郎菓舗の梅もどき
芝宮須磨子
あを
200311
掃除せし後静まれり梅擬
小林和子
対岸
200411
崩れたる砦の跡に梅擬
芦澤一醒
濱
200412
指先に絵具の匂ひ梅擬
塚田治男
春耕
200412
句仲間にナースも誘ひ梅もどき
村越化石
濱
200501
合戦の血を浴びたるや梅擬
品川鈴子
ぐろっけ
200502
笑ひつつをみなら通る梅もどき
櫨木優子
狩
200502
何鳥か今日も来てゐる梅もどき
村越化石
濱
200503
梅もどき雪を抱いてまだ赤し
小塚嘉人
集
200504
七曜のとぶごと過ぎし梅擬
柴田佐知子
空
200511
梅擬生けて語部人を待ち
大西和子
ぐろっけ
200602
梅擬殊に鮮やか遊歩道
伊藤稔代
苑
200603
梅擬水屋に音のなく暮るる
橋本良子
遠嶺
200701
婿顔で通した半生梅擬
遠藤実
あを
200710
くれなゐは禁色のつる梅擬
神蔵器
風土
200801
活けてより自在となりぬ梅擬
勝見玲子
鴫
200801
来客は森の小鳥ら梅もどき
村越化石
濱
200802
床の間を引締めてをり梅擬
平ふみ子
酸漿
200803
梅擬ふるさとに病む人を訪ふ
伊藤いな栄
酸漿
200912
朝の陽に垣の雫や梅もどき
穴澤光江
遠嶺
201001
魯山人展梅擬壺に生け
島内美佳
ぐろっけ
201003
そそくさとよくもここまで梅擬
岡田愛子
京鹿子
201011
梅擬水琴窟の音に揺れ
山口キミコ
璦
201012
梅擬薄型テレビ届きけり
須賀敏子
あを
201012
安達太良の雲瓢々と梅擬
吉田順子
槐
201101
梅もどき鳥語にしばし耳預け
長谷川史郊
馬醉木
201102
梅擬き紅き実つけて小鳥呼ぶ
武智恭子
ぐろっけ
201102
愛されて色変へてゆく梅擬
鴨下昭
峰
201112
さは言へど女の湯上がり梅擬
吉田葎
空
201204
梅もどき扇垂木の青き空
小谷正夫
ろんど
201204
梅もどき零れて今朝の冷え確か
塚原洋子
峰
201208
風奔る戦場ケ原梅もどき
酒井秀郎
返り花
201211
投入れに宝石めきし梅擬
石川かおり
璦
201301
方言の身の置きどころ梅擬
鴨下昭
峰
201301
飛び石の先に日向と梅擬
大崎紀夫
やぶれ傘
201301
蔓梅擬なだるあたりに山の音
吉田順子
槐
201501
残すもの思ひ出だけや梅擬
時澤藍
槐
201703
梅もどき錠剤こぼさぬやうに飲む
岸洋子
空
201705
大胆に活けてをりけり梅もどき
田中美恵子
槐
201710
吹抜けの天上たっぷり蔓梅擬
石森理和
あを
201812
街角を曲がる鼻歌梅擬
萩原渓人
やぶれ傘
201902
梅もどき蔓をたぐればこぼれけり
藤生不二男
六花
202011
蔓梅擬リースに曲げて玄関に
湯本正友
やぶれ傘
202101
2023年10月31日
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