水飯や軽んじがたき遺訓あり
武田菜美
銀化
200009
水飯の箸でさぐりし香のもの
猪俣洋子
狩
200010
水飯や起居おほかた姥らしく
岡本まち子
馬醉木
200010
水飯に産月の膝そろへけり
松本恭昂
火星
200111
明易の仁和九年の洗ひ飯
佐藤喜孝
青寫眞
200304
プロレタリア文学ここに洗ひ飯
山元志津香
八千草
200411
洗ひ飯ならひのごとく妻は食ぶる
瀧春一
菜園
200509
がつがつとかき込みにけり洗ひ飯
山田六甲
六花
200807
水飯や力抜くときもの見えて
渡辺昭
沖
200908
噺家のやうに水飯流し込む
小林朱夏
空
201007
日に三度洗ふ飯碗ヒヤシンス
荒井千佐代
沖
201104
辣韮の漬かり浅かり洗飯
山田六甲
六花
201109
水飯は食おとろへし夏の糧
鎌倉喜久恵
あを
201110
独り居の水飯食ぶや芙美子の忌
戸田澄子
末黒野
201110
水飯を掻つ込む母の忌なりけり
山本孝子
ろんど
201411
音も無く掻いて水飯流し込む
吉村摂護
空
201510
紅ささぬひと日の緩む洗ひ飯
柴田近江
沖
201608
大江戸へ妻は旅の途洗飯
山田六甲
六花
201708
2021年8月6日
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