戦 争 126句
戦争のない七十年あっ、なずな 坪内稔典 ヤツとオレ
戦争を知らぬ子ばかり原爆忌
稲畑汀子
ホトトギス
199808
戦争の匂ひしてくる百日紅
竹貫示虹
京鹿子
199910
戦争を知らぬ世代や露の我
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
戦争の後に木枯吹き出しぬ
藤井清久
海程
200004
ぷるぷるゼリー戦争があったなんて
原しょう子
二十五時
200010
戦争の悲惨さ孫に十二月
中野辰子
いろり
200102
戦争の飢ゑを語りて餅を焼く
泉田秋硯
苑
200104
戦争を知らぬこの子や成人の日
黒川悦子
円虹
200104
戦争と櫻紅葉のむかしかな
稲見光
船団
200107
戦争の人馬征くごと蟻の列
保坂加津夫
いろり
200109
戦争の語りべとなる盆の宴
木戸波留子
いろり
200110
戦争はやめて下さい流れ星
竹川美佐子
いろり
200111
戦争になるかそちこち曼珠沙華
松崎鉄之介
濱
200111
敗戦日戦争知らぬ人ばかり
浮田胤子
ぐろっけ
200111
戦争てふ言葉に軋みゐる葉月
本村照香
ホトトギス
200201
酸漿や戦争知らぬ祖母もゐて
奥田筆子
京鹿子
200201
戦争の報道背高泡立草
米須あや子
遠嶺
200202
朝寒し戦争に征く村の鐘
斉藤静枝
あを
200204
戦争に春の埃の堆し
武井清子
銀化
200206
戦争の九死に生きて青き踏む
有田蟻太
苑
200208
戦争見し双眼鏡や愛鳥日
北尾章郎
苑
200208
ボタン戦争ひとさし指に触る汗疹
吉弘恭子
あを
200208
戦争の経験もなし敗戦忌
塩川雄三
築港
200210
赤のまま戦争くぐり芙美子邸
斉藤静枝
あを
200211
戦争の予感空蝉縋る木々
苑田ひろまさ
苑
200301
戦争は日本の禁句山眠る
山崎泰世
苑
200303
戦争を知る人強し賀状受く
永田延治
帆船
200303
厚氷割るや戦争起きるなと
小澤克己
遠嶺
200304
戦争の始まってゐる彼岸かな
山田六甲
六花
200304
戦争は嫌ひコートの襟を立つ
木村みかん
鴫
200305
戦争をしたいのは誰さくら餅
武井清子
銀化
200305
戦争の噂しきりに鬼やらい
竹下昭子
ぐろっけ
200305
戦争にどこかで加担種子を蒔く
高橋道子
鴫
200306
散り急ぐ桜戦争想ひ出す
安藤誠子
築港
200306
木の芽きんきん戦争の好きな国
川崎光一郎
京鹿子
200306
戦争にならんとしつゝ梅白し
蔦三郎
ホトトギス
200307
戦争は男の遊び葱坊主
長岡新一
沖
200307
イラク戦争終へし横須賀深緑
松崎鉄之介
濱
200307
檸檬切るまた戦争へ出かけるぞ
吉弘恭子
あを
200308
戦争を歴史を語る忘年会
早崎泰江
あを
200402
戦争のはるかな記憶霾れば
泉田秋硯
苑
200406
戦争を知らぬ雛を納めけり
長屋璃子
火星
200406
戦争の記憶に散りしさくらかな
苑田ひろまさ
苑
200407
薔薇と百合と鳩戦争は終りかと
片山タケ子
鴫
200408
花梯梧戦争のわけ子に問はれ
藤井智恵子
百鳥
200409
戦争もテロも知らぬ子木の実独楽
影島智子
濱
200501
戦争に踏みしだかれし葛の花
河内桜人
京鹿子
200501
戦争を恐れ医学部入学す
須佐薫子
帆船
200504
戦争を知らぬ子盆の家守れる
西村しげ子
雨月
200511
むかし戦争ありし溢蚊に刺されゐし
伊藤早苗
鴫
200611
かなかなや戦争映画入場券
永田哲心
遠嶺
200611
戦争が来ぬうち雛を仕舞ひませう
八田木枯
晩紅
200706
戦争のころのこと聞く夜長の子
大西八洲雄
万象
200801
戦争も震災も見し雛の目
稲畑廣太郎
ホトトギス
200803
古代魚は戦争知らず去年今年
天野きく江
槐
200803
「戦争と平和」の続き読始
次井義泰
苑
200804
戦争を中にはさみし春の服
井上信子
鴫
200806
戦争を捨てられぬまま亦麦秋
菅原健一
沖
200807
戦争はまつぴら蟷螂鎌立てし
鈴木陽子
炎環
200812
戦争も戦後も遠し落椿
松下千恵子
春燈
200906
我も汝も戦争知らず炎天下
常盤優
炎環
200911
戦争を知らぬ紅梅咲きはじむ
真柄百合子
末黒野
201005
戦争も国旗もなくてかたつむり
遠藤実
あを
201008
戦争を語り継ぎたし法師蝉
家塚洋子
酸奬
201011
時計草世は戦争を繰り返し
島原惠子
狩
201012
十二月八日戦争を知らぬ子と
小林のり人
春燈
201103
昭和の日戦争知らぬ夫婦かな
竹内悦子
ちちろ虫
201108
戦争を知らぬ家族の魂迎へ
布川直幸
峰
201108
冬濤や勝者の記す戦争史
石田きよし
鴫
201203
鰊大群戦争支度せにゃならぬ
貝森光洋
六花
201208
白百合が好きで戦争寡婦の母
植木緑愁
峰
201209
戦争も飢ゑし日も過去さくらんぼ
小倉正穂
末黒野
201210
蝉哭きて十八年戦争終る
河内桜人
京鹿子
201212
戦争を育てる平和梅白し
高橋龍
面
201304
戦争を孫へ語りつ庭花火
波多野孝枝
末黒野
201312
冬日和年輪に読む飢餓戦争
大畑善昭
沖
201401
戰爭に手出し口出し顏出さず
佐藤喜孝
あを
201405
戦争を知らぬ子憲法記念の日
山本喜朗
雨月
201407
戦争を知らぬ島人蜜柑売る
福島せいぎ
万象
201407
戦争のはじまりさうや蟻の列
戸栗末廣
空
201411
暗がりの戦争動く溽暑かな
中林晴雄
槐
201411
秋冷や戊辰戦争ここに果つ
山崎青史
ろんど
201412
戦争をせぬ国続き赤い羽根
鶴巻誉白
ろんど
201501
七月一日戦争が起きるかもしれない
中井保江
船団
201502
戦争を知らぬ議員や春寒し
神田惣介
京鹿子
201506
戦争を知らぬ親子や大夕焼
中本清
万象
201510
戦争を知らぬ総理や藷の蔓
神田惣介
京鹿子
201510
戦争のあとは束の間生身魂
石田きよし
鴫
201511
戦争の文字に種飛ぶ西瓜かな
太田良一
末黒野
201512
夜もすがら戦争廃止の鹿威し
鴨下昭
峰
201601
秋立てり戦争展の年表も
火箱ひろ
船団
201602
戦争を語らぬ胡瓜もんでいる
渡部ひとみ
船団
201602
台風は日本へ日本は戦争へ
千坂希妙
船団
201602
紅茶熱っあの日戦争に負けた
中原幸子
船団
201602
枯蓮湖騒めかす戦争法
鴨下昭
峰
201603
予告なきもの戦争と初音かな
石田きよし
鴫
201605
戦争と平和を生きて新茶汲む
細島孝子
末黒野
201608
戦争と犬猫嫌ひ生身魂
是松三雄
末黒野
201611
木の実落つ戦争知らぬ改憲論
中江月鈴子
鴫
201612
戦争と農家の縁の衣被
福田周草
風土
201701
戦争の記憶この色さるすべり
山本喜朗
雨月
201709
戦争展見たる夕べの水を打つ
岡井マスミ
末黒野
201711
炬燵にて読む戦争の物語
おーたえつこ
瓔
201803
戦争を知らぬ子ばかり八月来
高村令子
風土
201810
戦争を語らぬままの墓洗ふ
市村明代
馬醉木
201811
戦争を逃れし雛の髪を梳く
奥田茶々
風土
201906
月見草日誌戦争忠魂碑
田中藤穂
あを
201909
戦争を知らぬ老人たちの夏
太田沙良
瓔
201910
戦争はごめんでんでんむしでいい
火箱ひろ
瓔
201910
戦争を知らぬ大人の終戦日
藤野雅彦
船団
201912
戦争かめばる煮たれば目玉落ち
定梶じょう
あを
202005
戦争や三月十日熱く寒し
田中藤穂
あを
202005
戦争の記憶の中の夾竹桃
稲畑汀子
ホトトギス
202007
戦争の特集多き八月逝く
後藤大
春燈
202011
戦争を語らず逝けり夾竹桃
森岡正作
沖
202108
戦争と平和に生きし心太
鈴木石花
風土
202110
戦争の記憶内耳の蝉しぐれ
久礼隆志
沖
202111
百寿の兄戦争語る盆の宵
臼居澄子
末黒野
202111
八月に生まれ戦争知らぬ子等
後藤大
春燈
202111
戦争はいつも置き去り実南天
須賀敏子
あを
202112
ウクライナは戦争の日々蕗の薹
秋川泉
あを
202205
戦争の終結切に願ふ彼岸
長崎桂子
あを
202205
戦争の愚を知る日本さくら咲く
種田利子
春燈
202207
戦争はいらないといふ端居かな
高橋均
やぶれ傘
202210
夏逝くや「平和のための戦争展」
須賀敏子
あを
202210
戦争は母の紙魚なりほろほろ鳥
西村白杼
京鹿子
202210
時の日や戦争は人火に落とす
兵泉美
京鹿子
202210
正月二日戦争の話などして
伊藤希眸
京鹿子
202303
教科書のなかの戦争草霞む
井上菜摘子
京鹿子
202304
2023年7月8日
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