暗闇にモーツアルトと恋の猫
阿部晶子
澪
200005
鰯雲モーツァルトの墓はなく
稲畑廣太郎
ホトトギス
200010
初刷やモーツァルトを聞きながら
米須あや子
遠嶺
200204
きりぎりす俘虜に教わるモーツァルト
陶山泰子
ぐろっけ
200301
モーツアルト聴く地続きの蕗のたう
伊藤白潮
鴫
200303
モーツァルト流るる館柳絮とぶ
芳賀雅子
遠嶺
200308
アスパラにワインとモーツァルトかな
吉村ひさ志
ホトトギス
200308
子雀にモーツァルトの子守唄
萩谷幸子
雨月
200308
葡萄酒の名はモーツァルト甚平着て
延広禎一
槐
200310
花八手モーツアルトの朝ありぬ
吉村ひさ志
ホトトギス
200403
モーツァルトの展示の遺髪冴えにけり
鈴木ひろ子
濱
200404
モーツアルト聴きて育ちしトマトかな
奥田弦鬼
風土
200410
寒造りの酒母に聞かせるモーツァルト
石田嘉江
濱
200502
この曲はモーツァルトか春隣
狹川青史
馬醉木
200504
モーツァルト繰返し聴き冬ごもり
隅田恵子
雨月
200505
モーツアルトの真白き一花冬薔薇
神蔵器
風土
200603
風邪癒えてモーツアルトで葱きざむ
赤座典子
あを
200603
モーツァルトの調べ弾める淑気かな
村本真由美
遠嶺
200604
モーツアルト流し診療日脚伸ぶ
杉本綾
苑
200604
モーツァルト聴く宮殿のあたたかし
鈴木ひろ子
濱
200605
モーツァルトに妻は浸れり春日中
大橋晄
雨月
200605
モーツアルトの曲流れをり芹洗ふ
近藤きくえ
槐
200605
モーツアルト春呼ぶ曲想あふれたり
加藤裕子
四葩
200606
モーツアルト聴きてドライブ春一日
沢田清子
苑
200606
朝のモーツアルト啓蟄の雨なりき
大島翠木
槐
200606
朧かなモーツアルトの子守歌
鈴木久香
遠嶺
200607
大寒やモーツアルトを聴く夕べ
花島みゆき
八千草
200607
モーツァルト流れ牛小屋夏兆す
延広禎一
槐
200608
モーツアルトに眠り目覚めて明易し
石岡祐子
苑
200609
角館茶房に涼しモーツアルト
四戸和彦
八千草
200611
モーツァルト流るる牛舎雲の峰
立石萌木
雨月
200612
虫時雨モーツアルトのカデンツア
秋岡朝子
槐
200612
モーツアルトの醸す味とや新走
石岡祐子
苑
200701
モーツァルト聞かせしといふ新酒出来
後藤比奈夫
ホトトギス
200703
モーツァルトを流す搾乳若葉風
吉武千束
沖
200707
夏風邪やモーツァルトも小煩く
河合しよう
春燈
200710
ジャズで聴くモーツアルトや柿若葉
三川美代子
璦
200808
モーツアルトの幼きころや雁渡る
森戸柚斎
炎環
200812
ゴミどかと捨て人日のモーツアルト
山口紹子
炎環
200903
身に入むやモーツァルトの父の文
山本浪子
風土
201101
蔦枯るるモーツアルトの巻毛かな
有本恵美子
ろんど
201102
冬の薔薇モーツアルトは旅に果つ
岩岡中正
ホトトギス
201205
立春や居間に流るるモーツアルト
米田文彦
かさね
201207
時雨忌やモーツアルトも旅の人
涌羅由美
ホトトギス
201304
モーツアルトに眠る苺の甘き世に
塩貝朱千
京鹿子
201305
秋の夜の脳にモーツアルトきざむ
はしもと風里
瓔
201412
モーツアルト聞かす果熟庫山眠る
鈴木庸子
風土
201503
モーツァルト聴き梅雨の憂さ払ひけり
隅田恵子
雨月
201511
梅雨の朝甘あい紅茶にモーツァルト
川添光代
船団
201707
櫻葉に集ひて歌ふモーツァルト
三好かほる
万象
201708
モーツアルトかけるとワープ秋の星
宮野了子
瓔
201712
文化の日モーツァルトを聴かむかな
大橋晄
雨月
201803
モーツァルトの五臓に滲みる風邪の夜
眞田忠雄
やぶれ傘
201806
新樹光モーツアルトのα波
藤田美耶子
槐
201808
モーツァルトを聴けば即ち秋の声
大橋晄
雨月
201912
モーツァルトの忌よ日溜りのシクラメン
山岸明子
鴻
202003
モーツァルトの音符の風に秋桜
大矢恒彦
沖
202012
モーツアルトむかご零してゆくやうに
佐藤喜孝
あを
202105
モーツァルトバッハ音楽堂に夏
神野未友紀
鴻
202109
冷やかにモーツァルトのト短調
稲畑廣太郎
ホトトギス
202209
2023年9月14日
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