蜜豆や句を褒めあって別れたる
新開一哉
円虹
199906
蜜豆の看板出して開店す
稲畑廣太郎
ホトトギス
199907
狆の貌人の貌過ぐ蜜豆屋
山尾玉藻
火星
199908
蜜豆や歩き疲れし河原町
谷野由紀子
俳句通信
199909
みつ豆や両成敗となる喧嘩
犬飼陽子
狩
199910
蜜豆やなほ日の高き奈良格子
朝妻力
俳句通信
200007
蜜豆やピカソの嘘にはまりゐて
本山卓日子
京鹿子
200010
湘南晩秋黒蜜豆は昔の味
大島竜子
澪
200101
蜜豆にとろりと疲れもたれてる
赤座典子
あを
200106
ふたりとも餡蜜ふたりとも尼ぜ
松岡ひでたか
円虹
200109
蜜豆やかつては風の見えしこと
亀田憲壱
銀化
200207
蜜豆や男二人の向きあひて
北嶋ひさ子
帆船
200208
善光寺街道あんみつ心太
宮原みさを
花月亭
200208
蜜豆を食べて密談などはなし
塩川雄三
築港
200209
蜜豆や銀座八丁めぐり来て
青池亘
百鳥
200210
蜜豆やななくせに足す外出癖
熊丸淑子
馬醉木
200308
たわい無きおしゃべり続くみつ豆に
郷地美代子
雨月
200309
蜜豆や一人立ち寄る喫茶店
久保田美代子
酸漿
200309
蜜豆や聞き流しつつ聞く話
山崎和美
狩
200311
蜜豆にメープルシロップよろしかな
長崎桂子
あを
200409
蜜豆の甘さひかへ目愛もまた
黒田美恵子
春燈
200410
蜜豆や男二人の向き合ひて
北嶋ひさ子
帆船
200502
蜜豆やまだまだきれいだつたころ
戸田和子
鴫
200508
藤娘の大津絵掲ぐ蜜豆屋
梅原美子
濱
200508
蜜豆やいまだ生意気盛りなり
伊藤早苗
鴫
200509
性懲りもなく蜜豆に付合ひぬ
苑田ひろまさ
苑
200608
蜜豆の甘酸つぱきを人とをり
高田令子
鴫
200608
蜜豆を囲み合評文芸部
峰尾秀之
苑
200610
蜜豆のグラス五つの切子かな
寺島順子
雨月
200611
蜜豆を満たして青き江戸切子
芝尚子
あをかき
200708
蜜豆や窓の白波増えきたる
岡本眸
朝
200805
蜜豆を買ひ来て子等に囲まるる
徳丸峻二
風土
200808
蜜豆やスプーンの裏に顔映り
戸田春月
火星
200809
蜜豆や携帯電話持たぬ主義
本橋葉月
遠嶺
200810
あんみつや静かな人が勝つじゃんけん
中原幸子
船団
200909
蜜豆の機嫌はとれぬ掬ふたび
大西順子
ろんど
200911
みつ豆に友の饒舌続きをり
伊庭玲子
璦
201009
蜜豆や五分待つてといふメール
服部早苗
空
201109
蜜豆や気の合ふことのわけ知らず
高橋道子
鴫
201110
蜜豆や神田明神灯の入りて
野坂民子
馬醉木
201209
蜜豆の喉越しが好き神楽坂
和田政子
峰
201210
蜜豆は大好き銀座は海の町
上原重一
峰
201210
蜜豆や贔屓の店のありし頃
野村鞆枝
京鹿子
201211
言ひ繕へば蜜豆の匙くもる
風間史子
鴫
201310
蜜豆を食ぶや大空軽くなり
柳川晋
槐
201410
蜜豆を食うて秘密を明かさるる
大矢恒彦
沖
201607
母の世の暮しに蜜豆などあらず
佐々木良玄
春燈
201609
蜜豆の好きな男も年をとる
安居正浩
沖
201709
いいことのあつて餡蜜待ち合はす
古居芳恵
沖
201709
あんみつや切子の皿の虹色に
浅嶋肇
やぶれ傘
201709
蜜豆のみつまめ的なふたり連れ
陽山道子
船団
201805
蜜豆のみつまめ的なふたり連れ
陽山道子
船団
201805
あんみつや路地行く神輿眺めつつ
森なほ子
あを
201807
蜜豆や小銭きつちり出し合つて
高橋まき子
風土
201808
あんみつや平成余年の日曜日
柳川晋
槐
201808
筆まめで口まめで蜜豆が好き
能村研三
沖
201808
蜜豆や俳句に嫉妬する夫
おーたえつこ
瓔
201809
蜜豆に黒蜜かける妻の留守
柴崎和男
六花
201810
蜜豆食ぶ段々解けてゆく会話
山中志津子
京鹿子
201911
蜜豆を食べて銀座の雨の窓
今橋眞理子
ホトトギス
201912
蜜豆や夫甘党妻左党
稲畑廣太郎
ホトトギス
202007
辛口の話は蜜豆の後で
稲畑廣太郎
ホトトギス
202007
蜜豆の豆が転げて笑い転げて
辻響子
瓔
202009
蜜豆や忘れてもよき事ばかり
太田佳代子
春燈
202009
蜜豆や生老病死隣席に
高木晶子
京鹿子
202011
ひとり頼めば蜜豆をみな頼む
今井康子
空
202112
蜜豆や弾む喋りの果てもなき
喜田君江
末黒野
202209
蜜豆や銀座の柳芽吹き初む
今井康子
空
202211
2023年7月30日
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