ミモザ1 224句
ミモザ咲く窓に私も黄色着て 村田静枝
軍楽に柩の出づる花ミモザ
品川鈴子
ぐろっけ
199903
嶽塀の高さを越ゆる花ミモザ
品川鈴子
ぐろっけ
199903
ミモザ咲き絵皿にのこる海の色
渡辺立男
馬醉木
199905
能面のうつむき夜のミモザ咲く
六車幸江
海程
199907
やんはりと理を説く君やミモザ咲き
定藤素子
雨月
199907
咲き満てる二本のミモザ百寿祝ぎ
五十嵐播水
ホトトギス
199908
花ミモザ麒麟の夢と同じ空
佐渡美佐子
ヒッポ千番地
199908
花ミモザ猫しなやかに溝を跳ぶ
木下節子
俳句通信
199909
ミルクこぼれ昼をけぶらす花ミモザ
三神あすか
ヒッポ千番地
199910
トロイメライ洩れ来し家の花ミモザ
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
窓々にミモザ少年鼓笛隊
田中藤穂
水瓶座
200002
ミモザの黄吾子への思ひもてあます
田中藤穂
水瓶座
200002
雨に剪るミモザの色のこぼれけり
稲畑汀子
ホトトギス
200003
錻力屋は留守のやうなりミモザ咲く
阿部紀子
俳句通信
200005
花ミモザアリスの歌を聴きしころ
肥后潤子
遠嶺
200006
祝婚の近きミモザを煙らせて
瀧新株
京鹿子
200006
花ミモザゆらゆら摺るる金星に
堀田清江
雨月
200006
自己主張黄に出でにけり花ミモザ
樺山翠
雨月
200006
つぎつぎに朝の店開く花ミモザ
松井淑子
朝
200006
青空へミモザ明りを誇りたる
大槻秋女
円虹
200007
花ミモザ文学館へ黄を放つ
大槻秋女
円虹
200007
花ミモザ猫に優しき作家居し
橋本みず枝
澪
200007
東京のアパートの夜のミモザかな
長沼都
船団
200008
まうしろのミモザ明かりが痛いのです
村上友子
海程
200009
ゆらゆらの花のミモザとくらくらす
池田澄子
船団
200009
電線が栗鼠の通い路花ミモザ
桐木栄子
船団
200009
花ミモザ風の所在のありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200103
抜け道はミモザの花に触れながら
稲畑汀子
ホトトギス
200103
風の出てミモザの花の雨零す
稲畑汀子
ホトトギス
200103
立直るミモザの花の雨上り
稲畑汀子
ホトトギス
200103
輪唱はいよいよ佳境ミモザ咲き
朝妻力
俳句通信
200104
坂道のミモザの下で追ひつきし
杉浦典子
火星
200106
家並の扉濃緑花ミモザ
西村和子
知音
200106
城壁の崩えつつミモザ躍りつつ
西村和子
知音
200106
ミモザ咲き病棟つなぐ渡り廊
鎌田篤
雨月
200107
ミモザ咲くこの明るさに老ゆまじく
松内佳子
百鳥
200107
己が手を畏るる嬰児ミモザ咲く
狩野康子
海程
200110
門開けてミモザの花の仔細問ふ
稲畑汀子
ホトトギス
200203
風に湧く光の粒の花ミモザ
?コ田千鶴子
馬醉木
200203
大虚子の金の環つれて花ミモザ
長山あや
円虹
200205
咲き初めしミモザの空の青さかな
黒川悦子
円虹
200205
病みてあれば人遠くする花ミモザ
坂田和嘉子
京鹿子
200205
風を得てミモザの勢ふ水鏡
辻のぶ子
雲の峰
200205
ミモザ咲く少し重たき空ながら
東條未英
沖
200205
花ミモザふはつと地中海の風
曷川克
遠嶺
200206
散文の校正了ふや花ミモザ
鈴木石花
風土
200206
昂ぶりの声となりたる花ミモザ
万城希代子
槐
200206
風に揺れ犇きあへるミモザの黄
岡淑子
雨月
200206
ミモザ咲く修道院の石畳
野田光代
雨月
200206
福音となりてミモザの降りにけり
篠原俊博
銀化
200206
楽という字はたのしいなミモザ咲く
松本恵子
六花
200206
寝室に内気な香り花ミモザ
吉田久子
苑
200207
ティーショットミモザの花を越えゆけり
名取袿子
苑
200207
病院を夜更けて出でぬ花ミモザ
城孝子
火星
200207
ミモザの句一葉添えて納骨す
谷口蔦子
ぐろっけ
200209
歳々のミモザの門の別れかな
斉藤由美子
ぐろっけ
200303
国境に兵士の影やミモザ咲き
野田光江
雨月
200305
ミモザの黄重しよ心病める日は
山田弘子
円虹
200306
高台のひかりを集めミモザの黄
西村しげ子
雨月
200306
野の光まみれにミモザ風騒ぐ
東野鈴子
雨月
200306
曖昧を厭ひミモザのひたすら黄
密門令子
雨月
200306
新任の大使にミモザ咲き揃ふ
密門令子
雨月
200306
腕白の馴れし逃げ足ミモザ散る
石岡祐子
苑
200307
ミモザ吹くケーキショップのドア押せば
所薫子
ぐろっけ
200307
ミモザ咲き教会の窓たまご色
武田正子
ぐろっけ
200307
たちまちにミモザの空となりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200403
白線の向かうは異国ミモザ咲く
中野たけみ
雨月
200404
大空をミモザ蔽ひて屈託す
鎌倉喜久恵
あを
200405
幹も枝もみどりにミモザ咲きにけり
荒井正隆
濱
200405
ミモザ咲くお吉の町の資料館
谷野由紀子
雲の峰
200405
空の青海の青背にミモザ散る
岡山裕美
雲の峰
200405
ミモザ咲き海かけて靄黄なりけり
水原秋櫻子
馬醉木
200405
かたまりて風の来てゐるミモザかな
阪上多恵子
雨月
200406
佇みてミモザの風に吹かれをり
設楽唱子
酸漿
200406
日の中にミモザ一木咲きあふる
大内恵
酸漿
200406
ミモザ咲き本家分家を劃したり
中島知恵子
雨月
200407
ミモザ咲き画廊喫茶の賑へり
広瀬敏子
酸漿
200506
太陽に色濃く応へミモザの黄
岡淑子
雨月
200507
ミモザ揺れため息だけはわが時間
小林むつみ
集
200507
法王を悼み黄の濃きミモザかな
五十嵐哲也
ホトトギス
200509
ミモザ咲きその他のもの省略す
稲畑汀子
ホトトギス
200603
玄関に桜とミモザ活けてあり
山田六甲
六花
200603
旧姓に戻りし人よミモザ咲く
須賀敏子
あを
200603
税申告済ます安堵の花ミモザ
菅谷たけし
沖
200605
御用邸へ沸き立つごとしミモザ咲く
横川あい
濱
200606
鳥放つミモザの下の貴賓席
吉田明子
鴫
200606
死ぬならば客死ミモザの壯んなる
吉村たけを
海市蝶
200606
初蝶のミモザの中に消えゆけり
広瀬敏子
酸漿
200606
高窓のミモザ明りや四部合唱
奥田茶々
風土
200701
遠景といふ絶景のミモザかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200703
ミモザ咲く島の海岸通りかな
大内佐奈枝
万象
200704
ミモザ咲く夫に誘はれ道変へる
斉藤裕子
あを
200704
大学に馬術部のありミモザ咲き
樺山翠
雨月
200705
黄の弾けはじけてミモザ咲きにけり
樺山翠
雨月
200705
ミモザ咲き黄のセーターを着たくなる
田中藤穂
あをかき
200705
遠くみて灯りのやうなミモザの黄
須賀敏子
あを
200705
ここに住み冬籠無しミモザ咲き
嶋田摩耶子
ホトトギス
200706
師の病けふ良しと聞くミモザの黄
山田夏子
雨月
200706
角曲がりここにもミモザ咲ける家
今橋眞理子
ホトトギス
200707
黄の記憶また新しくミモザ咲き
後藤立夫
ホトトギス
200707
金粉のミモザを浴びし風化仏
中村碧泉
ぐろっけ
200707
ミモザ咲き父母の墓所はるかなり
上林孝子
朝
200707
ミモザ咲く胡麻焼酎を山苞に
苑実耶
空
200708
ミモザ咲く「舞姫の間」にひとの声
神蔵器
風土
200805
出帆すミモザと風を分ちあひ
丹羽啓子
馬醉木
200805
子等二人アメリ力勤務ミモザ咲く
松崎鉄之介
濱
200805
ミモザ咲く家全体を黄に染めて
山荘慶子
あを
200805
図書館へ遠廻りして花ミモザ
須賀敏子
あを
200805
ハミングとミモザの似合ふ水曜日
高田令子
鴫
200806
ミモザ咲く辻に喪服の集まり来
村上留美子
火星
200806
ミモザ咲いてゆりかごの児の眠りけり
大橋晄
雨月
200806
連獅子のごときミモザよ風つよし
田宮勝代
酸漿
200806
ミモザ咲き玩具の修理はじまれり
青木陽子
酸漿
200806
ミモザまだ蕾の毬のかそけき黄
大橋敦子
雨月
200903
海光やミモザの風に胸充たし
水原春郎
馬醉木
200904
遠目にも歴然としてミモザ咲く
大橋敦子
雨月
200904
ミモザ冷え保育園にも及びけり
椿和枝
鴫
200905
礼拝堂を漏るる讃美歌ミモザ咲く
永島雅子
春燈
200905
うつむきて小石蹴る道ミモザ咲く
吉村さよ子
春燈
200905
ミモザの黄あふれて庭の狭くなる
高垣和恵
雨月
200905
大空とエールを交すミモザかな
伊藤洋子
璦
200906
島一つ黄金に染めてミモザ咲く
中村外紀子
万象
200908
ミモザ咲き生誕祭の近づきぬ
稲畑汀子
ホトトギス
201002
曇天に緩むミモザの蕾かな
松原三枝子
万象
201005
花ミモザ鐘を離るる鐘の声
松本三千夫
末黒野
201005
花ミモザ門出の朝の祷りかな
鈴木藤子
ろんど
201005
げんまんの指こそばゆき花ミモザ
柿沼盟子
風土
201005
花ミモザ客の途切れぬ喫茶店
米田正弘
笹
201005
見に行かんミモザ咲けりと知らされて
早崎泰江
あを
201005
しばらくは町の標や花ミモザ
北尾章郎
璦
201006
青年に空仰がしむ花ミモザ
泉田秋硯
苑
201006
花ミモザ窓全開にコーラス部
栗原公子
沖
201006
ランナーのミモザの花に目もくれず
大橋晄
雨月
201006
戦前も戦後も知らずミモザ咲く
竹下昭子
ぐろっけ
201006
風が風呼んでミモザの丘さわぐ
和賀俊子
ぐろっけ
201006
お向かいのミモザ早々咲き誇る
小松サチコ
ぐろっけ
201006
花ミモザ雫と共に地を舐めり
米田正弘
笹
201006
傘立の柄の細長し花ミモザ
長田曄子
火星
201006
雨の中枝しだれをり花ミモザ
友野よし子
酸漿
201006
一本のミモザ明りの中に住む
今橋眞理子
ホトトギス
201007
花ミモザ仰ぎ今年も恙なく
宮崎正
ホトトギス
201007
馬車道の風の明るさ花ミモザ
廣谷総子
狩
201007
休日の画布ヘミモザを絞り出す
山中志津子
京鹿子
201007
海光の丘の館にミモザ咲く
塩見治郎
雨月
201007
花ミモザほめて予約の歯科医院
中条さゆり
空
201008
ミモザ咲く家へと足を向けにけり
丑久保勲
やぶれ傘
201008
雨止みてミモザの花の立ヒる
稲畑汀子
ホトトギス
201103
花ミモザ彼女の車もう来ない
稲畑汀子
ホトトギス
201103
駐車なきミモザの花の指定席
稲畑汀子
ホトトギス
201103
雨つづくミモザの花の命はも
稲畑汀子
ホトトギス
201104
雨あとの翳りなき空花ミモザ
有賀鈴乃
末黒野
201104
ミモザ咲く只一行の日記今日
須賀敏子
あを
201104
白亜の堂たわわにしづかミモザの黄
木村茂登子
あを
201104
ミモザ咲く家の住む人いまだ見ず
田中藤穂
あをかき
201104
ミモザ咲く窓にハーレムノクターン
近藤幸三郎
風土
201105
華麗なる鉄の門扉や花ミモザ
久世孝雄
やぶれ傘
201105
開店の友の茶房や花ミモザ
井口初江
酸漿
201105
足萎えし夫と散歩や花ミモザ
石川元子
酸漿
201105
ミモザ咲く昨日は今日を知らざりし
須賀敏子
あを
201105
さようならの握手の寡黙花ミモザ
木山杏理
京鹿子
201106
ミモザ咲く申請中のパスポート
福島茂
沖
201106
花ミモザ九十九歳の柩ゆく
寺沢千都子
万象
201106
ブティックのステンドグラス花ミモザ
松本三千夫
末黒野
201106
花ミモザ袋小路の雨匂ふ
斉藤マキ子
末黒野
201106
ミモザ咲き盛りユーカリは木肌垂れ
大橋晄
雨月
201106
雨しとど余震おそるる花ミモザ
中田のぶ子
ろんど
201106
花好きの父の忌近き花ミモザ
網野茂子
酸漿
201106
五月憂しミモザサラダを頬張つて
千田百里
沖
201107
耳慣れぬ難病とやら花ミモザ
藤井久仁子
ぐろっけ
201107
ミモザの黄庭に零るる朝かな
有賀昌子
やぶれ傘
201107
花ミモザ庭のパラソル畳まれて
渡邉孝彦
やぶれ傘
201108
図書室の椅子ひいやりと花ミモザ
荻野充子
万象
201108
ミモザ漂ふ或る日鏡の深かりし
大島翠木
槐
201108
花ミモザ閉づることなき地獄門
柴田佐知子
空
201109
海の青空の碧照る花ミモザ
?コ田千鶴子
花の翼
201111
ミモザ咲く仏蘭西映画観し午後に
?コ田千鶴子
花の翼
201111
光太郎智恵子出会いし浜ミモザ
長谷川鮎
ぐろっけ
201203
妻の手のなんと冷たし花ミモザ
小川玉泉
末黒野句集
201203
夜は夜の色深めたるミモザかな
松田冨枝
末黒野句集
201203
花ミモザ要としたる広さかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
201204
花ミモザ触れ合ひながら華やげり
青野安佐子
峰
201204
対談は佳境に入りぬ花ミモザ
田中藤穂
あを
201204
ミモザ咲くマーブルチョコはピンクから
鶴濱節子
始祖鳥
201206
何ンもない空に魔弾や花ミモザ
瀬川公馨
槐
201206
居留地のゆさゆさとゆれ花ミモザ
井上淳子
火星
201206
古稀迎ふいま珊々とミモザかな
松木ひろ
ろんど
201206
教会の鐘や溢るる花ミモザ
辻井ミナミ
末黒野
201206
低気圧去りてミモザの黄の深み
須賀敏子
あを
201206
コーヒー館ジローの唄や花ミモザ
竹久みなみ
風土
201207
黒塀を溢れ出でたる花ミモザ
松山直美
火星
201207
花ミモザ空蒼ければ蒼きほど
小杉伸一路
ホトトギス
201209
日裏の黄光る日表ミモザ咲く
稲畑汀子
ホトトギス
201302
殉教の島ゆつたりとミモザ咲く
神田恵琳
跫音
201303
花ミモザこの雨ダナエまとひたる
近藤喜子
ミネルヴァの梟
201303
色見せてより孤高なる花ミモザ
稲畑汀子
ホトトギス
201304
枯れ色の野にひともとの花ミモザ
松本周二
かさね
201305
ゆさゆさとひかり纏ひて花ミモザ
箕輪カオル
鴫
201305
花ミモザ抱へて顔をなくし来る
菅谷たけし
沖
201305
花ミモザ空おほどかになりにけり
日下部亞こ
ろんど
201305
ミモザ咲く橋へまはりし霊柩車
山田美恵子
火星
201305