あなかしこ絵馬の書き出し風の色
烏羽夕摩
京鹿子
200002
風の色旧家を偲ぶ長屋門
矢嶋英子
遠嶺
200012
はんざきの岩登るてふ風の色
高松由利子
火星
200510
洗ひあぐ顔に纏へる風の色
能村研三
沖
200511
豆畑の雲は伊吹へ風の色
山田六甲
六花
200710
風吹かば風の色なす秋野かな
笹村政子
六花
200711
雲一朶智恵子の郷の風の色
向井芳子
春燈
200801
藤壺に汐さしそむる風の色
鈴木直充
素影
200811
舫はるるだけの小舟や風の色
柿沼盟子
風土
200911
北海や松のまとへる風の色
森屋慶基
風土
201101
赤緑青扱き混ぜし風の色
柳川晋
槐
201201
風の色小枝を踏めば骨の音
山田六甲
六花
201310
薬師寺の塔の裳階や風の色
松本三千夫
末黒野
201312
万物の染められてゆく風の色
中野京子
槐
201402
隣席の白檀の香や風の色
菅野日出子
末黒野
201501
鳧鳴くや日暮を誘ふ風の色
一民江
馬醉木
201510
淑やかさが嫋やかとなる風の色
柳川晋
槐
201511
風の色かすかに変はる花野かな
本池美佐子
沖
201511
紅梅に来て戸惑へる風の色
稲畑廣太郎
ホトトギス
201602
千枚の柵田や千の風の色
松本三千夫
末黒野
201602
連凧の先端ことに風の色
大矢恒彦
沖
201605
竹の春塗り替へられし風の色
稲畑廣太郎
ホトトギス
201606
天地の色を統べたる風の色
柳川晋
槐
201611
鶏頭に風やむときの風の色
山本喜朗
雨月
201611
届かぬと知りつつメール風の色
須賀敏子
あを
201612
風の色束ね千草の色となる
藤井啓子
ホトトギス
201802
七草に野の風の色増えてをり
水田むつみ
ホトトギス
201802
休み田の風の色とも冬芒
堺昌子
末黒野
201804
紫陽花のをはりは風の色となる
辻美奈子
沖
201809
風の色狗尾草に来て染まる
稲畑廣太郎
ホトトギス
202009
アルコール消毒されて風の色
柳川晋
槐
202011
梵鐘の撞木磨り減り風の色
宮元陽子
末黒野
202112
太陽も風の色にも今日は秋
秋川泉
あを
202112
花菖蒲画布に描ける風の色
稲畑廣太郎
ホトトギス
202206
饒舌な風の色恋ふ夏木立
大政睦子
京鹿子
202209
白壁に来て秋風の色変る
稲畑廣太郎
ホトトギス
202210
アベマリアの歌の残響風の色
渡部恭子
集
202212
町川の水面のきらや風の色
岡野里子
末黒野
202212
石庭の思惟観音や風の色
岡野里子
末黒野
202302
岬鼻の源義の句碑風の色
大川暉美
末黒野
202302
2023年9月30日
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