白毫にとどかぬ日差し御開帳
高崎武義
狩
199903
潮あり開帳八臂弁財天
岡井省二
槐
199904
背負ひ佛浜の番屋に出開帳
古里蝶次
濱
199907
出開帳百万遍に海女集ふ
古里蝶次
濱
199907
百寿の僧の色紙賜はる出開帳
高橋洋子
濱
200006
東山含み笑みをり御開帳
戸田春月
火星
200006
ご開帳の列のしんがりなりにけり
元田千重
火星
200007
開帳や金色の星青い星
高橋将夫
槐
200007
門前に七味屋のありご開帳
元田千重
火星
200007
開帳や塔の四方の扉開かるる
大橋宵火
雨月
200007
風神に背ナ押され出るお開帳
長田曄子
火星
200007
雛僧にお守りを受く居開帳
柴田由乃
風土
200008
まつすぐに鳥声聞こえ御開帳
中島陽華
槐
200008
手相だけ恵まれている出開帳
藤田守啓
船団
200011
あでやかに開帳吉祥天女像
小林優子
酸漿
200104
御開帳歯朶の野に人出でてをり
岡井省二
槐
200106
御開帳焦げし佛も拝しけり
橋本佐智
円虹
200107
街道にひよこ出でをり御開帳
城孝子
火星
200107
膕に潮目ゆらぎし御開帳
岡井省二
槐
200201
厨子の扉の数秒で閉づ御開帳
渡辺美知子
濱
200204
総立ちでお捻り投ぐる御開帳
渡辺美知子
濱
200204
僧九人の読経の中の御開帳
渡辺美知子
濱
200204
炉火囲む人混みに待つ御開帳
岡本直子
雨月
200205
総代の顔の揃ひて御開帳
岡本直子
雨月
200205
葉桜や南無観世音御開帳
芝尚子
あを
200206
篝火草千手観音開帳す
鈴木石花
風土
200207
御開帳の寄進名簿に友の名も
荒井正隆
濱
200207
藤棚を抜け開帳の観世音
鈴木石花
風土
200207
御開帳の千手観音石蕗の花
平田紀美子
風土
200302
開帳の時雨じめりの五色かな
山崎靖子
鴫
200302
開帳や秘仏は並べて小さきもの
稲畑廣太郎
ホトトギス
200303
開帳や虚子の眠れる寺も古り
稲畑廣太郎
ホトトギス
200303
淡雪の開帳の寺賑はへり
籾山和子
酸漿
200306
手に曵きし房の五色に御開帳
高松由利子
火星
200306
御開帳消防団が案内せり
あさなが捷
空
200306
御開帳弥勒の御手に皺もなし
苑実耶
空
200308
大杉はまつすぐ空へ御開帳
苑実耶
空
200308
本尊は煙に遠し御開帳
苑実耶
空
200308
百の燭大きく揺れて御開帳
苑実耶
空
200308
線香の匂ひ濃くなる御開帳
苑実耶
空
200308
開帳終へ回向柱に虹立てり
竹中龍青
濱
200403
山伏のかけ合ひ問答御開帳
門伝史会
風土
200407
御開帳秘仏金銅まだらにて
河合佳代子
栴檀
200408
法螺貝を一つ人きく御開帳
川越昭子
万象
200408
御開帳金の仏に山の幸
小林朱夏
空
200505
御開帳の太子に見つめ返さるる
升田ヤス子
濱
200505
白牡丹今日を限りのご開帳
山田六甲
六花
200506
ご開帳椿象太子像のそば
山本耀子
火星
200507
教へ子は世話役となり御開帳
秋千晴
空
200507
開帳の救世観音に花舞へり
櫻井康敵
濱
200507
開帳のたび嫁ぎきし地に馴染む
秋千晴
空
200507
開帳の秘仏に出合ふ花行脚
渡邊英子
馬醉木
200508
開帳の暗き御堂に立ち尽くす
青木暁子
築港
200508
音楽寺円空仏の御開帳
江崎成則
栴檀
200510
たづねきし開帳寺の藤袴
芝宮須磨子
あを
200512
湖の今日は凪ぎゐし御開帳
稲畑汀子
ホトトギス
200603
総身を煤けし色に御開帳
柴田佐知子
空
200605
こんじきの開帳百のきざはしゆく
豊田都峰
京鹿子
200605
居開帳散華ひとひらもて帰る
犬塚芳子
槐
200606
御開帳帽子のしづくたたみけり
城孝子
火星
200607
開帳に一山の鳶舞ひ出づる
石崎淨
風土
200607
山なみの上に雪山御開帳
樋口みのぶ
空
200608
今年また雨となりたる御開帳
青山悠
空
200608
降られ来し顔の混み合ふ出開帳
師岡洋子
ぐろっけ
200608
御開帳待つ間の心鎮めけり
中島静子
酸漿
200705
出開帳の秘仏拝むにはるばる来し
平田美知子
濱
200705
つぎつぎに燭足し拝す御開帳
柴田佐知子
空
200707
開帳や細身に在す観世音
青山悠
空
200707
御開帳法螺貝吹くは女ばかり
柴田佐知子
空
200707
御開帳尊顔叶ふ鉈彫像
平野きぬ子
八千草
200708
御開帳先祖たどれば遠縁に
秋千晴
空
200708
観音の背筋正しき御開帳
あさなが捷
空
200708
開帳の釜も一年振りに出て
秋千晴
空
200708
鳳凰の散華いただく御開帳
平野きぬ子
八千草
200708
お目当てのご開帳ツアー善光寺
中島英子
八千草
200708
村人の開帳の度結束す
秋千晴
空
200708
御開帳観音の笑み疲れなし
あさなが捷
空
200708
御開帳観音やさし紅葉寺
森山のりこ
あを
200801
御開帳長き炎が傷映す
小林朱夏
空
200804
御開帳ほこりも少し出でにけり
高倉和子
空
200806
畦道の人に人就く出開帳
伊勢きみこ
火星
200806
開帳寺白藤の散り浄めけり
藤田宏
澪
200807
出開帳飛鳥の菩薩御座します
乗田忠男
春燈
200807
御開帳の秋を聳ゆる大銀杏
浜福恵
風土
200811
めん鶏の胸よごれゐる出開帳
城孝子
火星
200905
店先に並ぶ農具や御開帳
菊地惠子
酸漿
200906
にぎり飯開帳寺の大太鼓
久津見風牛
槐
200907
開帳や闇に刻みし襞ふかく
豊田都峰
京鹿子
200907
開帳の磴十段の祈りなる
豊田都峰
京鹿子
200907
開帳の阿修羅の像に逢ひに行く
三橋泥太
遠嶺
200907
一升瓶どんと据ゑられ御開帳
苑実耶
空
200907
人びとに五月雨濯ぐ御開帳
高嶋文清
春燈
200908
開帳の寺山深く鳴く夜鷹
清水伊代乃
酸漿
200908
信長の血判今に出開帳
佐藤美恵子
笹
200909
青不動明王開帳片時雨
坪内稔典
船団
200912
開帳の阿弥陀堂まで紅葉散る
鈴木石花
風土
201002
哲学堂に釈迦涅槃像御開帳
佐田昭子
ぐろっけ
201005
開帳の札所ある丘猫交る
飯田ひでを
峰
201006
乗り出して秘仏拝さむ御開帳
服部早苗
空
201007
開帳や東に向いて寅薬師
服部早苗
空
201007
脇立も秘仏も暗しご開帳
松田明子
空
201010
草の虫開帳観音ねぎらひぬ
田中一美
ろんど
201101
み仏の五等身なりご開帳
だいじみどり
空
201105
開帳や人恋しさは仏にも
熊川暁子
槐
201105
み仏は厨子の高さにご開帳
だいじみどり
空
201105
お供へも一年分の御開帳
秋千晴
空
201106
御開帳護摩の火屑をありがたく
内藤静
風土
201107
御開帳煙の中に始まれり
高倉和子
空
201107
御開帳咽せて堂より出てきたる
柴田佐知子
空
201107
堂裏はみどりの崖や御開帳
柴田佐知子
空
201107
開帳や香煙洩るる花頭窓
柴田志津子
空
201107
接待に一村こぞる御開帳
柴田志津子
空
201107
み仏は裾より煤け御開帳
柴田佐知子
空
201107
また一人手を引かれ来る御開帳
柴田佐知子
空
201107
御開帳蝋燭の灯の揺れやまず
矢野百合子
空
201108
誰もみな煙にまみれ御開帳
矢野百合子
空
201108
開帳の世話人席に同級生
苑実耶
空
201108
花に酔ひ人に酔ひたる御開帳
吉村摂護
空
201108
御開帳菩薩の御手に皺もなし
苑実耶
大河
201203
九天の晴れわたりたる出開帳
近藤喜子
槐
201205
水音は闇より出でて開帳寺
柴田久子
風土
201206
蒟蒻のつくりうすうす出開帳
深澤鱶
火星
201206
燻されて人の出てくる御開帳
高倉和子
空
201207
腕章の記者も来てゐる御開帳
柴田志津子
空
201207
長老はみ仏の傍御開帳
秋千晴
空
201208
夜叉像の御丈五寸開帳寺
柴田久子
風土
201208
御開帳十二神将従へて
長憲一
空
201209
開帳の釈迦の白毫緑さす
田中佐知子
風土
201209
開帳の冴ゆ玉眼に辣みたり
村高卯
鴫
201303
大鯉のゆりあげし泥御開帳
坂口夫佐子
火星
201303
由来など有耶無耶となり御開帳
柴田佐知子
空
201304
御開帳襞の奥まで燻されて
あさなが捷
空
201305
秘仏にも人恋しさは御開帳
本多俊子
槐
201306
夢殿のゆめ流れ出づ御開帳
北川英子
沖
201306
三門の声の降り来る御開帳
藤本千鶴子
火星
201306
みほとけも硝子の中に出開帳
瀧春一
花石榴
201312
開帳の寺への道を乳母車
瀬島洒望
やぶれ傘
201405
たひらかに亀泳ぎをりご開帳
広渡敬雄
沖
201406
夕星に蔵王権現御開帳
熊岡俊子
雨月
201406
御開帳回向柱の綱握り
門伝史会
風土
201407
川風にかもめ煽らる御開帳
西村節子
火星
201407
立像の豊かな手足開帳寺
門伝史会
風土
201407
御開帳道をよごさぬほどの雨
蘭定かず子
火星
201407
花吹雪三十年目の御開帳
中田禎子
槐
201507
開帳や押せや押せやの南無大師
雨宮桂子
風土
201507
御開帳鉈彫日向薬師像
小林和子
風土
201508
舟伏せて御開帳待つ舟大工
田代民子
空
201605
御開帳藍半纏の男衆
あさなが捷
空
201605
古着屋の出店もありて御開帳
あさなが捷
空
201607
切株のまだ新しき御開帳
秋千晴
空
201607
開帳に出会ふ縁も如意輪寺
稲畑廣太郎
ホトトギス
201704
開帳や山にも力加はりて
西川織子
馬醉木
201708
出自ほか定かならざる御開帳
服部早苗
空
201707
御開帳十歩歩めば顔見知り
苑実耶
空
201707
帰りには膝の笑へり御開帳
苑実耶
空
201707
緑さす千手観音御開帳
森岡恵子
万象
201708
御開帳の供華大輪の白牡丹
櫛橋直子
雨月
201708
開帳やはからずも脱ぐ旅の靴
小田司
馬醉木
201709
開帳の古刹に大いなる忌日
稲畑廣太郎
ホトトギス
201803
誦経しておもむろに厨子開帳す
瀬島洒望
やぶれ傘
201807
連山のひとつ明るし御開帳
河原敬子
空
201808
鎌倉に忌日重ねて御開帳
稲畑廣太郎
ホトトギス
201903
御仏も所在なげなり出開帳
相川健
鴻
201905
開帳や尺に満たざる不動尊
秋山信行
やぶれ傘
201907
開帳の権現拝す山法師
上辻蒼人
風土
201908
御開帳またさんざんに燃さるる
柴田佐知子
空
202006
蔀戸の黒晴れやかに御開帳
住田千代子
六花
202007
餅撒きて目出度く終はり居開帳
京極久也
末黒野
202208
梅雨の日は柾目浮き出づ御開帳
原ひろ子
沖
202209
背山より水引く村や出開帳
深川淑枝
空
202302
2023年3月14日
作成