親しさの会話短く花いちご
北村照子
遠嶺
199906
あさつてと言ふ日を想ふ花苺
服部郁史
京鹿子
199907
嘘ひとつ苺の花の白さほど
松木知子
ヒッポ千番地
199910
花温室とまがふほどなる苺温室
朝倉和江
馬醉木
200004
花いちごハウスに入りて憩ひをり
小池槇女
火星
200005
フレームに苺の花の吐息あり
内田和子
酸漿
200005
母と子の帽子ひらひら花苺
山田美恵子
火星
200005
捨ててこそ故郷と呼ばむ花いちご
塩貝朱千
京鹿子
200007
潮騒の聞こえる温室の花苺
岡村美恵子
春耕
200207
花いちご虻の愛撫に耐へてをり
中原道夫
銀化
200304
早生と言ふ苺の花の白の白
森津三郎
京鹿子
200405
人づてに母の恋聞く花いちご
高倉恵美子
空
200407
堆肥まだ木の葉のかたち花いちご
的池遙
百鳥
200409
雀来る庭に苺の返り花
大坪景章
万象
200502
胸キュンと言ひし少女や花苺
村田菊子
遠嶺
200507
野いちごの花見つつ行く島の道
大内恵
酸漿
200612
新しき靴よく歩く花いちご
山尾玉藻
火星
200704
少しで足る母の暮しや花苺
高倉和子
空
200706
なにもない日なり苺のへたに花
甲州千草
沖
201006
傷つくも癒やすも言葉花苺
岡佳代子
璦
201007
敷藁のぬくもりうけて花苺
青木陽子
酸漿
201007
敷き藁の吹かれてゐたる花苺
根橋宏次
やぶれ傘
201007
会議果つ子から写メール花いちご
伊吹之博
京鹿子
201108
マシュマロの様な赤子や花苺
山田正子
空
201208
日輪をかへす白さや花いちご
前田恵美子
青鷹
201210
轆轤場の影引きだせり花苺
田中貞雄
貞雄句集
201301
花苺ちよつと得意に伊達眼鏡
井上静子
槐
201505
山越えの段々畑花いちご
黒滝志麻子
末黒野
201606
目覚め初む苺の花の恋可憐
元橋孝之
京鹿子
202208
2023年2月12日
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