七十に七十の意地ゐのこづち
八木愁一郎
ぐろっけ
199902
いのこずち親子も犬もまんべんに
寺田良治
船団
199903
DNAなんて云はずにゐのこづち
松山律子
船団
199903
ゐのこづち離れ難きはけふ忌日
鈴鹿仁
京鹿子
199911
奈良ホテルボーイの袖のゐのこづち
深澤鱶
火星
199912
金閣に遠く離れてゐのこづち
中谷まもる
火星
200001
美しき毛並みの犬やゐのこづち
松下幸恵
六花
200002
きし子につくはずもなき牛膝
松本恒子
ぐろっけ
200002
能勢を行く姉いもうとにいのこずち
笠学
船団
200009
ズボンまで脱がせてしまふ牛膝
和田瑞子
銀化
200012
手の鳴る方へ呉と越のいのこずち
若森京子
船団
200105
ゐのこづち後日譚ある桃太郎
丸山分水
槐
200107
蔵王嶺の退路絶つかにゐのこづち
鷹羽狩行
狩
200111
ゐのこづちひそかな花が蝶を呼ぶ
阿部ひろし
酸漿
200111
ゐのこづち湖北に風の出てをりぬ
槐布由子
銀化
200112
掛けてある喪服の裾にゐのこづち
鈴木とおる
風土
200112
ゐのこづち子のスカートにとびつきぬ
岡和絵
火星
200112
縄電車どの子も付けし牛膝
金田美恵子
ぐろっけ
200112
結界を犯せし証ゐのこづち
小西石蕗
円虹
200202
ゐのこづち枯れきつてより実の大き
中根美保
風土
200202
袖を引くことを覺えて牛膝
中原道夫
銀化
200210
野暮天につける薬とゐのこづち
中原道夫
銀化
200210
ゐのこづち犬の首輪をはづしけり
谷上佳那
百鳥
200301
溺死せし牛の墓なりゐのこづち
植松美根子
槐
200301
漱石の猫の聞き耳ゐのこづち
柴田英彰
沖
200301
川風に海のにほひやゐのこづち
荒井和昭
鴫
200302
ゐのこづち此の世の外よりついて来し
森茉明
京鹿子
200302
選ばれしわけでもなくて牛膝
今瀬剛一
対岸
200309
チエンソーの音のときどき牛膝
岩月優美子
槐
200311
スカートは引摺るほどや牛膝
苑実耶
空
200312
ジーンズに明日香めぐりの牛膝
古川利子
苑
200401
ゐのこづち沼尻蒸して来たりけり
岡本眸
朝
200401
古墳めぐる飛鳥みやげのゐのこづち
市川十二代
ぐろっけ
200401
ゐのこづちまみれの夫の戻りけり
高尾豊子
火星
200403
牛膝ためしに付けてみれば付く
岬雪夫
狩
200403
駆けてきし子の胸までもゐのこづち
滝沢伊代次
万象
200410
ゐのこづち付いてゐるまま見送られ
鈴木多枝子
あを
200412
ゐのこづち連れて帰りぬ旅ごろも
鎌倉喜久恵
あを
200501
ゐのこづち悪さしたこと見破られ
鈴木多枝子
あを
200501
トアロード裏の鎧戸ゐのこづち
深澤鱶
火星
200501
牛膝佛はれゐたり能勢電車
大城戸みさ子
火星
200501
少女等の笑ひ増えゆく牛膝
渡辺美代
対岸
200502
殿原にしがみつきたるゐのこづち
吉弘恭子
あを
200102
ゐのこづち八方へ穂を突出せり
荒井正隆
濱
200512
別れきて胸に残りしゐのこづち
浅田光代
風土
200512
宮の裏抜け道のあり牛膝
塩川雄三
築港
200512
ゐのこづち笑顔まろまる道祖神
篠田純子
あを
200512
人訪うてみたき小径やゐのこづち
村田菊子
遠嶺
200602
駈けてくる仔牛の額牛膝
福田雅子
万象
200602
麓まで一緒に行こうかゐのこづち
松井和恵
八千草
200604
ゐのこづち顔料のこる薬指
吉田明子
鴫
200611
続編に続編のありゐのこづち
篠藤千佳子
沖
200612
高館に付き来る御所のゐのこづち
落合絹代
雨月
200701
ゐのこづち子等に山野の残りをり
橋本貞二
酸漿
200701
美しき毛並の犬にゐのこづち
松下幸恵
六花
200705
ゐのこづち付くが嬉しき齢かな
青山丈
朝
200711
ゐのこづち付けて戻りし猫叱る
生田恵美子
風土
200712
下野の牛膝(いのこずち)付く句碑探し
品川鈴子
ぐろっけ
200712
ぬくもりへぬすみ入りたるゐのこづち
吉弘恭子
あを
200712
愛犬の探検みやげゐのこづち
安永圭子
風土
200801
身の丈に合つた生き方ゐのこづち
宮本幸子
京鹿子
200801
牛膝の花の朝日に輝けり
松崎鉄之介
濱
200801
ジーンズの女性を好むゐのこづち
松崎鉄之介
濱
200801
人住まぬ裏口塞ぐ牛膝
松崎鉄之介
濱
200801
名札付け農作業体験牛膝
小林朱夏
空
200801
ゐのこづち付けて句碑への山案内
磯野しをり
雨月
200802
ゐのこづちまみれとなりぬ初詣
浜口高子
火星
200804
深草の君かもゐのこづちつけて
服部早苗
空
200804
ふまじめもまじめも裾にいのこずち
坪内稔典
稔典句集?U
200804
一度だけ内緒に会ひしゐのこづち
飯塚惠美子
炎環
200811
牛膝こぼる地下駅永田町
品川鈴子
ぐろっけ
200811
枯るるにも金剛力やゐのこづち
鷹羽狩行
狩
200812
根気よく取られ背中のゐのこづち
山中宏子
苑
200812
貌の無き噂話や牛膝
今城あき子
炎環
200812
比丘尼屋敷址の日の原ゐのこづち
浜福恵
風土
200901
ゐのこづち気の合ふ人と取り合へる
清水幸治
鴫
200902
ゐのこづち空にくつつきたく揺るる
湯川雅
ホトトギス
200904
雪太郎逝く牛膝尾に残し
岡田満壽美
夢のごとしと
200904
ついて来し子規庵よりのゐのこづち
藤原照子
沖
200911
寄り道の動かぬ証拠ゐのこづち
石川かおり
璦
200912
かすり傷舐れば甘しゐのこづち
森岡正作
沖
200912
海風にとびつきさうや牛膝
浜口高子
火星
200912
いのこずち人さらひ来ると母の声
遠藤実
あを
200912
道草の苦き思ひ出ゐのこづち
大松一枝
璦
201001
ゐのこづち付かぬ青さに触れにけり
星アヤ
酸漿
201001
いのこずち先達につく生駒山
島純子
ぐろっけ
201001
ゐのこづちどの道ゆくも行き止り
遠山みち子
鴫
201002
アスファルトの下は黒土ゐのこづち
柳川晋
槐
201002
ゐのこづち付けて疲れて戻りけり
あさなが捷
空
201002
近道をして牛膝まみれかな
岸野美知子
酸漿
201004
母親の小言ズボンにゐのこづち
楯野正雄
苑
201101
抜け道の辷り易しよ牛膝
数長藤代
鴫
201101
蹴上までくつついてきしゐのこづち
杉浦典子
火星
201101
径に沿ふ日向日蔭やゐのこづち
大島英昭
やぶれ傘
201101
牛膝洗濯に堪へ乾きをり
城下明美
ぐろっけ
201102
追慕会裾にびつしりゐのこづち
品川鈴子
ぐろっけ
201108
ゐのこづち腹の立つほど付いてゐる
柴田佐知子
空
201111
ゐのこづちまみれに母へ駆け寄り来
柴田志津子
空
201112
牛膝尻尾に付くる阿蘇の牛
苑実耶
空
201112
ゐのこづち手折りて風を感じをり
岡山敦子
京鹿子
201112
牛膝まみれの子等や無人駅
西川みほ
末黒野
201201
志高くと師の声ゐのこづち
伊吹之博
京鹿子
201202
山の辺の道にはみだす牛膝
田中文治
火星
201211
牛膝付けて世継ぎの帰りけり
森岡正作
沖
201212
山暮れて法衣の裾のゐのこづち
青木由芙
末黒野
201301
牛膝くつつけ異界より戻る
高橋将夫
槐
201302
からびゐて粘力ませり牛膝
大場ましら
鴫
201302
おーい雲一生いっしょ牛膝
陽山道子
おーい雲
201304
くっ付いて名を覚えられ牛膝
陽山道子
おーい雲
201304
引率の先生ゐのこづちまみれ
岩田公次
ホトトギス
201305
牛膝まみれリハビリ躓けば
品川鈴子
ぐろっけ
201310
牛膝つけて電車に馳け込み来
前田忍
火星
201401
払ふ気の失せるほど付くゐのこづち
柴田佐知子
空
201311
草虱より執拗にゐのこづち
瀧春一
花石榴
201312
悪友の悪友は吾ゐのこづち
林昭太郎
沖
201312
先生の尻をめがけてゐのこづち
甕秀麿
鴫
201402
石蹴りて一人帰る児ゐのこづち
野畑さゆり
空
201402
終電のスーツの背なのゐのこづち
山野美賛子
ぐろっけ
201402
平凡を厭ふ抜け道ゐのこづち
橋本知笑
空
201402
髭先にまでゐのこづち猫戻る
井上石動
あを
201409
ゐのこづちズボンに付けて午前様
稲畑廣太郎
ホトトギス
201410
ゐのこづち新幹線で旅立てり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201410
ゐのこづちでかい夕陽の山隠れ
鈴鹿仁
京鹿子
201411
ゐのこづち道を替ふるも牛膝
城台洋子
馬醉木
201501
一日の終はりの袖のゐのこづち
生田恵美子
風土
201501
真間川の昔の幅やゐのこづち
吉田政江
沖
201511
子規庵の庭に付けしかゐのこづち
落合絹代
風土
201512
ゐのこづちたっぷり付けて都心まで
大橋晄
雨月
201512
牛膝たつぷり付けて都心まで
大橋晄
ホトトギス
201603
寄り道の好きな子に付く牛膝
中田みなみ
空
201611
ゐのこづち放浪癖の今もなほ
森岡正作
沖
201612
ゐのこづち由無し事にかかづらふ
荒井和昭
鴫
201612
ゐのこづち付けて戻りし初デート
赤松赤彦
六花
201701
腕白に秘密基地ありゐのこづち
堀井英子
雨月
201801
おせつかいやかれ煩きゐのこづち
時澤藍
槐
201801
童子仏に散らばる銭やゐのこづち
和田絢子
春燈
201801
ゐのこづち揺らし遮断機上がりけり
永井惠子
春燈
201801
ゐのこづち銀座線まで乗り込める
田丸千種
ホトトギス
201802
男子寮裏に近道ゐのこづち
田丸千種
ホトトギス
201802
野原馳け野原を漕ぎぬゐのこづち
伊藤希眸
京鹿子
201802
ひとつづつ剥がすほかなしゐのこづち
原友子
空
201803
拘りはほどほどが良し牛膝
佐俣まさを
春燈
201811
牛膝狙はれやすき言葉じり
鈴鹿呂仁
京鹿子
201812
コスモスに夢中になればゐのこづち
須賀敏子
あを
201812
ゐのこづち付けて知らぬは我ばかり
岡田正義
雨月
201901
ゐのこづち行先知れぬ旅となり
中谷富子
槐
201903
近道の思はぬ仲間ゐのこづち
高橋あさの
沖
201912
ゐのこづち道順までも悟られり
野村宏
萱
201912
径ならぬ径禅林にゐのこづち
田丸千種
ホトトギス
202002
根つめて剥がしをりけり牛膝
住田千代子
六花
202003
近道の思はぬ仲間ゐのこづち
高橋あさの
沖
201911
ゐのこづち相槌打つてしまひけり
鷺山珀眉
京鹿子
202101
ジーンズの裾の折り目や牛膝
岡美智子
末黒野
202104
故郷に知る人僅かゐのこづち
窪みち子
空
202105
牛膝崩るる塀の猫の道
浅岡麻實
末黒野
202111
経緯を知る目撃者ゐのこづち
鈴木呂仁
京鹿子
202211
すがらねば生きてはゆけずゐのこづち
古山智子
沖
202212
嘘よりも悪態許すゐのこづち
甲州千草
沖
202301
せせらぎに序破急のありゐのこづち
亀井福恵
京鹿子
202301
をさな児は泣いて勝ちたり牛膝
苑実耶
空
202308
2023年10月1日
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