かはたれに口笛響き春立てり
高木曽精
春燈
200804
春立ちぬ年度変りの役決めて
永田あき
酸漿
200804
春立つや患者同士のハイタッチ
眞田忠雄
やぶれ傘
200804
春立つやおのづと濡れて椎の幹
ほんだゆき
馬醉木
200804
春立ちし野にあり師の句□しろいしかくずさみ
安達風越
雨月
200804
学生の足早に行く春立つ日
永田あき
酸漿
200804
翡翠の飛翔眩しく春立てり
青木政江
酸漿
200804
春立つやピエロの様な衿の服
田中藤穂
あを
200804
山伏問答錫杖鳴らし春立ちぬ
乗光雅子
雨月
200804
戸隠に豆がらの山春立てり
中島陽華
槐
200805
うす切りのピンク蒲鉾春立つ日
名取袿子
苑
200805
春立てり白髪は染めぬ事にする
山本伽具耶
鴫
200805
春立つや水いつぱいの壺抱へ
浅田光代
風土
200805
春立つや掌にやはらかき京の雪
大竹淑子
風土
200805
春立つや指しなやかに伎芸天
山村修
酸漿
200805
春立つや双手に軽ろき新生児
高久清美
鴫
200805
住み替へし家に児の聲春立ちぬ
折橋綾子
鴫
200805
歌垣の山の裾より春立ちぬ
高橋スミ子
万象
200805
百本の白髪を抜きて春立てり
山本伽具耶
鴫
200805
白馬の絵居間に掛けあり春立つ日
永岡セッ
酸漿
200806
ランナーの大腿筋肉春立てる
佐川彰
鏃
200806
金星の夜空ゆづりて春立ちぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200902
春立つや差すより返す波光り
高崎武義
狩
200902
悲しみを拭ひたまへと春立ちぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200902
白々と明けて都心に春立ちぬ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200902
春立つも傘寿と米寿のあはひの身
大橋敦子
雨月
200903
百万の皺と喜ぶ春立つを
林翔
沖
200903
痛みなき術後の創や春立てる
坂上香菜
璦
200904
胸抱き唄ふシャンソン春立ちぬ
田下宮子
璦
200904
あめつちの朦朧と春立ちにけり
北川英子
沖
200904
眼中の光る句ひとつ春立てり
伊藤航
炎環
200904
眼鏡をはずし春立つ朝に立つ
四條進
峰
200904
春立つ日鵯の良き声聞きゐたり
東芳子
酸漿
200904
春立つや大江戸線をひとめぐり
芝尚子
あを
200904
春立つやこまめにつける化粧水
森理和
あを
200904
春立つとシートベルトの微調整
井原美鳥
沖
200904
野歩きの足はづみけり春立つ日
種田利子
春燈
200904
昼茶事の飯一文字春立ちぬ
小松美保子
ぐろっけ
200905
大太鼓どどどどどんどん春立ちぬ
本木下清美
ぐろっけ
200905
禅味ある絵はがき届く春立つ日
和田郁子
璦
200905
春立つや聴こえぬ耳を澄ましみる
松村光典
やぶれ傘
200905
春立つや混み合つてくる予定表
鈴木石花
風土
200905
春立つやまはす一会の万華鏡
中野京子
槐
200905
春立つに医師通ひのつづくかな
西村しげ子
雨月
200905
春立つや机の上の世界地図
中村洋子
風土
200905
写経の筆措けばことりと春立ちぬ
佐藤信子
佐藤信子集
200905
返信はすぐに投函春立てり
門伝史会
風土
200905
腹這ひの嬰のまなざし春立ちぬ
岸田爾子
苑
200905
博多帯きゅきゅっと鳴かせ春立つ日
隅田享子
苑
200905
岡本太郎「明日の神話」や春立てり
山路紀子
風土
200905
灯を連ねコンビナートの春立てり
森可穂
狩
200905
東大に巨樹訪ねをり春立つ日
後藤とみ子
ぐろっけ
200905
マンションの一階は花舗春立ちぬ
村上沙央
狩
200905
一合の枡に杉の香春立てり
清水晃子
遠嶺
200905
春立ちて老若男女蔵の町
片山茂子
遠嶺
200906
春立つや髪の分け目をはつきりと
秋千晴
空
200907
妻を恋ふ雀の声に春立ちぬ
佐藤喜仙
壁炉
200911
まつさらな巻尺つかひ春立てり
村田冨美子
京鹿子
201001
春立つに使ひ切れざる筆と紙
竹貫示虹
京鹿子
201002
春立ちて波立ちて我座りけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201002
半世紀ぶりの消息春立ちて
品川鈴子
ぐろっけ
201003
左手の少し役立つ春立つ日
水原春郎
馬醉木
201003
ともだち屋てふ絵本買ふ春立つ日
石川元子
酸漿
201004
久々に島の婚儀や春立つ日
田下宮子
璦
201004
春立つや七色マーブルチョコレート
大川ゆかり
沖
201004
春立つや雨に明けゆく瀬戸の島
川崎雅子
春燈
201004
春立ちて飼はるる如く生きてをり
小野木雁
酸漿
201004
こまごまと用事を済ます春立つ日
大山妙子
酸漿
201005
弾みつつ春立つ川の水車かな
武井美代子
万象
201005
大声で話す夫婦に春立てり
高倉恵美子
空
201005
胎蔵界風もも色に春立てり
冨松寛子
槐
201005
あけぼのの朱鷺色めきて春立つ日
新堀満寿美
末黒野
201005
雀らの声のやさしく春立ちぬ
長坂ヤス子
酸漿
201005
久寿餅の蜜よりまづは春立ちぬ
根本公子
末黒野
201005
真白な珈琲カップ春立つ日
堀百合子
苑
201005
春立つや鴉まばゆきもの咥へ
川口美津子
狩
201005
春立つや老の背押す風硬し
嵐弥生
末黒野
201005
春立つや日野原さんのレシピ見て
片岡石走
ろんど
201005
春立つや水平線の向かう側
山内四郎
春燈
201005
窯元の伝統ここに春立つ
日原桂子
笹
201005
湧き水は大地の鼓動春立てり
原桂子
笹
201005
背柱をまたも開きし春立つ日
中山皓雫
鴫
201005
ルーキーの話題満開春立ちぬ
河本利一
苑
201005
トランプの占ひ吉と春立ちぬ
立野千鶴子
末黒野
201005
何時もより冷たき風や春立ちぬ
小澤正信
峰
201006
春立ちぬ円くやさしき母の肩
山田佳乃
ホトトギス
201007
哺乳瓶の穴を拡げて春立てり
和田満水
沖
201101
野の香り庭に鏤め春立てり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201102
東京を白く塗り上げ春立てり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201102
春立つや老僧の掌に鳩の餌
宮沢治子
春燈
201103
春立つと望めば庭に霜真白
阿部ひろし
酸漿
201103
二の杉に春立ちし日の夕日あり
阿部ひろし
酸漿
201103
石楠花の蕾紅差し春立てり
浅野恵美子
酸漿
201104
春立や戸外のリハビリ再開せむ
山田をがたま
京鹿子
201104
春立てり長き底ひを抜け出でて
大橋晄
雨月
201104
春立つ日届くネービーランドセル
鈴木照子
璦
201104
春立つ日窓辺に紅茶飲みにけり
野中弓子
酸漿
201104
春立つや米寿の十年パスポート
千田敬
沖
201104
春立つや花のあふるる師の墓前
浅木ノヱ
春燈
201104
春立つも雲の形の定まらず
鈴木阿久
峰
201104
春立ちぬ注ぐ日差しのふんはりと
池田光子
峰
201104
手を放し幼児の歩み春立ちぬ
四條進
峰
201104
克さんの冥福祈る春立つ日
佐藤健伍
峰
201104
隠岐の国星を鏤め春立てり
山本喜朗
雨月
201104
2021年2月16日
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