胡麻打つや雲の眩しき日となれり
宮津昭彦
濱
199811
胡麻煎りてゐる韓の家十三夜
皆川盤水
春耕
199811
甘やかな空の暮れゆく胡麻の花
彌榮浩樹
銀化
199910
村捨てし流人の裔や胡麻の花
太田蓁樹
馬醉木
199911
胡麻叩く女二人の項かな
安原猶子
槐
200001
胡麻殻の軽さを更に干しもする
窪田佳津子
雨月
200001
山の日を集めて爆ずる胡麻筵
愛須真青
馬醉木
200001
胡麻叩き叩きて山の日を落す
成智いづみ
馬醉木
200003
胡麻咲いて日暮れの山が淋しがる
吉田透思朗
海程
200008
どの家も胡麻叩きゐる飛鳥かな
松宮幹彦
俳句通信
200012
村人の守る末寺胡麻を干す
御子柴光子
春耕
200101
張り出してゐる高気圧胡麻叩く
菅谷たけし
沖
200101
栗干して胡麻干して村音も無し
高橋とも子
鱗
200107
胡麻叩くふるさと今も現住所
山口伸
海程
200108
面差しは都のながれ胡麻叩く
朝妻力
俳句通信
200110
胡麻の花夕日に彩を深めけり
穴澤光江
遠嶺
200111
潮騒やひとり姫の胡麻叩く
石山初枝
遠嶺
200111
胡麻叩く母の高さに胡麻はねる
城孝子
火星
200112
木喰の里立て干しの胡麻はじけ
岡村實
春耕
200202
すり鉢の同心円にすがる胡麻
西塚茂代
六花合同句集
200205
朝涼や黒土に散る胡麻の花
的地遙
百鳥
200209
朝の日に手合はす父や胡麻の花
岡本明美
春耕
200209
胡麻干して戸口半分開きゐたる
今井妙子
円虹
200211
風凪ぎて尼寺に胡麻叩く音
鈴木恭子
沖
200211
胡麻を打つ加減に媼一家言
関章子
百鳥
200212
海光を微塵となせり胡麻莚
小野恵美子
馬醉木
200212
媼ひとり灘をそびらに胡麻叩く
藤原たかを
馬醉木
200212
一と竿に干されて胡麻と唐幸子
藤井昌治
朝
200212
出払ひし戸に立て掛けて胡麻を干す
小石秀子
酸漿
200212
藁屋根の膨らむ日なり胡麻叩
神宮きよい
馬醉木
200212
ませ小屋の風に荏胡麻のふた筵
小林輝子
風土
200212
胡麻蒔いて土を被せずに踏んでおけ
駒井でる太
苑
200301
胡麻を刈る輪中桃源郷の秋
駒井でる太
苑
200301
胡麻干せば鳶金鈴の声降す
駒井でる太
苑
200301
胡麻叩く吾に風木の嘆深き
駒井でる太
苑
200301
胡麻妙って胡麻擂って祖の百回忌
駒井でる太
苑
200301
胡麻蒔きの骨簡単や"踏んでおく"
駒井でる太
苑
200301
ひととせに胡麻一斗を食ぶ家族
駒井でる太
苑
200301
古老より聞きし骨これ胡麻を蒔く
駒井でる太
苑
200301
胡麻を干す船木城址に隣して
駒井でる太
苑
200301
爽やかや妹に贈りし胡麻一升
駒井でる太
苑
200301
寒山になりきって胡麻叩きをり
駒井でる太
苑
200301
新胡麻に力をもらふ尉と姥
駒井でる太
苑
200301
小粒ゆゑの胡麻蒔きの骨面白し
駒井でる太
苑
200301
芋虫が胡麻の葉を食ひ胡麻虫に
駒井でる太
苑
200301
こだはりのつづきに胡麻をすつてゐる
柴田朱美
京鹿子
200303
軒下に立たされてをり胡麻の束
西山美枝子
酸漿
200305
立てかけて胡麻熟るる音かそけしや
高崎武義
狩
200308
胡麻干すや畑のラジオは昼を告げ
渡辺周子
雲の峰
200311
たわいなく落つる胡麻なりなほ叩く
柴田佐知子
空
200311
胡麻叩く音遮断機にかき消さる
平山ちはる
百鳥
200401
胡麻畑パゴダへ馬車の五臺着く
佐藤喜孝
あを
200401
胡麻叩く背山に夕日ころがりて
一瀬昭子
馬醉木
200401
焙烙の胡麻のはじけて夕刊来
吉田順子
帆船
200403
胡麻焚いて炎の芯の冷ゆるかな
神蔵器
風土
200404
埃着てやや受け口の胡麻の花
高崎武義
狩
200407
背泳ぎの胡麻斑海豹戀すてふ
篠田純子
あを
200409
胡麻竹の障子でありぬ旱梅雨
服部満
草の花
200410
あてにせぬ筈の子を待つ胡麻叩き
久保一岩
雲の峰
200410
焙烙に胡麻のはねとぶ大暑かな
松崎雨休
風土
200410
頂上に花のこしつつ胡麻みのる
植松美根子
槐
200411
胡麻を刈る後ろすがたや西明り
小宮山勇
遠嶺
200412
生命線すっきり伸びて胡麻叩く
松本恒子
ぐろっけ
200412
泣き虫のまた泣かされて胡麻の花
高倉和子
空
200412
胡麻叩く竹よく撓ふ荒筵
前田青紀
馬醉木
200501
谷住みの日和のがさず胡麻叩く
坂ようこ
沖
200501
胡麻殻を束ね雁仰ぎけり
石脇みはる
槐
200501
デザートの胡麻実の菓子もトルコなり
今井久良子
酸漿
200504
へんろ寺胡麻炒る音のしてゐたり
酒本八重
里着
200506
胡麻殻を風呂に焚きそへ十三夜
瀧春一
菜園
200509
よくみのりし胡麻の実爆ぜて錣めく
磯崎兼久
濱
200511
胡麻叩き量るともなき掌
浜口高子
火星
200512
椰子の葉で囲ひし厨胡麻を擂る
福島吉美
万象
200603
胡麻束のからりと乾く高嶺晴
芝山喜久子
馬醉木
200612
胡麻たたく伊吹高嶺の雲飛ばし
久保久子
春燈
200612
夕日浴びふつふつ胡麻の太りけり
安田久太朗
遠嶺
200612
腰屈め胡麻干す姿母に似て
菊地英雄
酸漿
200612
鎌打ちの神事日和に胡麻干せり
塩井志津
万象
200701
嵐して起きもなれざる胡麻の花
福盛悦子
雨月
200712
三方に山置く暮し胡麻を打つ
荒井千佐代
空
200712
胡麻干しのための莚を借りにゆき
久津見風牛
槐
200712
胡麻干して高麗郷といふ坂がかり
西口万佐子
朝
200801
胡麻干せばはぜる音あり日さす中
丸田安子
酸漿
200804
胡麻刈をせしと便りの来りけり
丸田安子
酸漿
200804
新胡麻を掬へば匂ふ日の香り
丸田安子
酸漿
200804
山奥にその奥ありて胡麻を干す
柴田佐知子
空
200811
よろこびは胡麻ぎっしりの百匁柿
森理和
あを
200812
胡麻叩く音や脚長蜂歩む
原田しずえ
万象
200902
刈り胡麻の畑の真中に積まれをり
廣瀬雅男
やぶれ傘
201001
田作にふられし胡麻と宇宙塵
恩田侑布子
苑
201004
胡麻の花祖母のいのちの咲き還る
渡邉友七
あを
201009
胡麻の花妻の指さす先に咲く
上原重一
峰
201009
胡麻打ちのときどきは地を叩きけり
海老根武夫
鴫
201012
残されてうつむく案山子胡麻の畑
大坪景章
万象
201101
山峡を風の抜けゆく胡麻の花
荒木甫
鴫
201111
年寄の一日は長し胡麻を干す
小林朱夏
空
201112
胡麻叩く腕片方昏れてゐし
飯塚ゑ子
火星
201201
胡麻を干す筵を展ぐ峠口
間島あきら
風土
201201
胡麻の実の真直ぐに天を目指しけり
中島知恵子
雨月
201201
立て掛けて胡麻干してあり高野みち
田所洋子
雨月
201201
2023年10月15日
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