青瓢父似の顔をうとみたる
田畑幸子
火星
199908
青瓢ぶらりと興に乗りたがる
中原道夫
銀化
199909
青瓢ほんに君には癒さるる
亀丸公俊
銀化
199911
青瓢もっともらしく括れゐる
窪田佳津子
雨月
200001
はじかれて鋼の青の青瓢
夏秋明子
ヒッポ千番地
200003
己とは見えぬものなり青瓢
能村研三
沖
200010
脳に皺あり大小の青瓢
雨村敏子
槐
200011
みづうみのひかりさしくる青瓢
西村純吉
槐
200012
いま雨に濡れしばかりの青瓢
岩月優美子
槐
200111
すべすべと絹の手触り青瓢
西村しげ子
雨月
200111
ゴム印をいちにち押しぬ青瓢
飯塚ゑ子
火星
200111
青瓢小さき風さへ放さざる
高橋たか子
馬醉木
200210
青瓢くびれよければ括らるる
竹村悦子
銀化
200211
人間の息に動ぜず青瓢
泉田秋硯
苑
200212
青ひさご一週間で歪みけり
泉田秋硯
苑
200212
青瓢都電の駅のおはぎ茶屋
山田富朗
遠嶺
200212
風なりに揺れてをりける青瓢
石脇みはる
槐
200309
青瓢くびれのよさを自負さるる
細川コマヱ
雨月
200312
青瓢たわわに村のレストラン
竹内悦子
苑
200312
俳壇の風に距離置く青瓢
泉田秋硯
苑
200312
有終の駒はいづくに青瓢
鈴鹿仁
京鹿子
200410
雨の日の青瓢箪の肌かな
石脇みはる
槐
200410
ものぐさのくびれ持たざる青瓢
大橋麻沙子
雨月
200411
犬が啼く庭に回れば青瓢
酒井十八歩
草の花
200412
青瓢のらりくらりと下がる昼
伊藤早苗
鴫
200511
仏頭の耳は肩まで青瓢
中野京子
槐
200511
立ちながら旅に見てをり青瓢
八田木枯
晩紅
200512
青瓢の駒吐くこともありぬべし
物江康平
春燈
200611
金網を登りつめたる青瓢
浅野恵美子
酸漿
200612
年寄の年寄ぎらひ青瓢
伊藤宇太子
狩
200612
余りある蔓を伸ばして青瓢
菊地英雄
酸漿
200711
青瓢重きに耐えて下がりをり
田代貞枝
空
200712
青瓢夕べの雨のはげしくて
貴志尚子
槐
200811
仏間の灯けふあかるかり青瓢
奥田順子
火星
200811
武蔵野やちんぼこほどの青瓢
上原重一
峰
200811
青瓢の棚の下なる草に風
久津見風牛
槐
200909
とんかちと男借りけり青瓢
山田美恵子
火星
200911
老いらくの恋の話や青瓢
山崎ゆき子
炎環
200911
うつとりと太つてゐたる青瓢
西田美ち
ろんど
200912
世に疎きことをたのしむ青瓢
竹内弘子
あを
201109
月の出の退屈さうな青瓢
城孝子
火星
201111
百歳の杖無き媼青瓢
上月智子
末黒野
201201
悪童の叩いてゆきし青瓢
片山喜久子
雨月
201211
良寛の細き顎や青瓢
戸田春月
火星
201212
青瓢松の雫を揺藍に
小瀧洋子
ろんど
201212
青瓢括れ美しきを誉め予約
水野範子
ぐろっけ
201312
青瓢守ともならむ昼の酒
山田美恵子
火星
201411
村をさの生垣低し青瓢
市村明代
馬醉木
201512
青瓢くびれめでたく酒問屋
内藤静
風土
201512
青瓢少しいびつが生き易い
福島照子
京鹿子
201601
青瓢明円香の里の棚に垂れ
蒲田豊彦
雨月
201611
不真面目を空へ戻して青瓢
鈴鹿呂仁
京鹿子
201611
青瓢二男のほうが口達者
佐藤山人
鴫
201611
大わらは青瓢箪に頬寄せて
中島陽華
槐
201705
五位鷺のけふも眺むる青瓢
中貞子
槐
201811
青瓢の葉付きを貰ひ描くところ
萩原久代
やぶれ傘
202002
青瓢風の青さを纏ひをり
今村千年
末黒野
202012
青瓢箪ぶら下がること競ひけり
岡田史女
末黒野
202012
世捨人のごとく揺れをり青瓢
青柳節子
末黒野
202112
小金には困らぬ運とや青瓢
川高郷之助
沖
202201
左貌の子規しか知らず青瓢
奥田筆子
京鹿子
202301
2023年8月22日
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