穴 子 83句
そと海に似たるうねりや穴子釣 上川井梨葉
笯を積みて夕日の海へ穴子舟
長谷川閑乙
馬醉木
199910
胃が無くて料理番組鮎穴子
安井よしこ
ヒッポ千番地
199910
界隈の路地をそらんじあなご鮨
千田百里
巴里発
199911
寝てる間に着いてお昼の穴子飯
中原幸子
遠くの山
200010
不漁かこち揚げし穴子の十本ほど
松崎鉄之介
濱
200108
加古川の穴子に嫁の喚声あぐ
松崎鉄之介
濱
200109
流し針仕掛け夜舟の穴子釣る
鵜飼紫生
雨月
200110
地に胡座かいて開きぬ穴子寿司
山田六甲
六花
200206
巌島詣帰りの穴子めし
藤田かもめ
苑
200207
真つ白と真つ黒の猫焼穴子
竹中一花
槐
200209
焼穴子都くすぶる匂ひせり
石原歌織
銀化
200209
播磨には古き漁港や穴子焼く
大堀鶴侶
雨月
200212
よき夫婦にてよく揚がる穴子かな
朝妻力
雲の峯
200306
穴子焼く煙が路地に出汐町
山口たけし
雲の峯
200308
白焼の穴子に強気揃ひけり
今瀬一博
沖
200408
夜行便着きし関空穴子釣
堀義志郎
火星
200409
真穴子や瀬戸内よりも羽田沖
馬場宏一
春燈
200410
延髄を断たれ穴子の目の浄し
芦川まり
八千草
200411
穴子焼く素焼照焼派と分くる
飛鳥由紀
鴫
200508
江戸前の穴子と言ひつ酌み交す
大石たか
遠嶺
200509
穴子鮨嫂作り母の好み
島村久枝
濱
200509
港を出る船の明るさ穴子釣
瀧春一
菜園
200509
江戸前の穴子天ぷら屋形船
飯田政子
築港
200509
係留の岸打つ波や穴子舟
高梨美佐子
遠嶺
200511
穴子飯一人増えたる午後の客
稲畑汀子
ホトトギス
200705
これよりの予定見直す穴子飯
稲畑汀子
ホトトギス
200705
簡単な昼餉となりぬ穴子飯
稲畑汀子
ホトトギス
200705
高砂の老舗の穴子土産として
稲畑汀子
ホトトギス
200705
放られし穴子の頭はねあがる
百瀬七生子
海光
200705
釣り糸を闇へ投げては穴子釣
百瀬七生子
海光
200705
秋汐を高く跳びけり穴子釣
百瀬七生子
海光
200705
握り良し押してなほ良し穴子鮨
稲畑廣太郎
ホトトギス
200706
ことしまた播州穴子届けらる
中谷葉留
風土
200709
梅雨晴れの穴子丼までおいで
坪内稔典
稔典句集
200804
焼あなごふんだんに入れ雑煮かな
和田一
雨月
200804
三人寄れば文殊の智慧の穴子食ぶ
鈴木榮子
春燈
200805
あごあなごあはびの順に売れにけり
高橋将夫
真髄
200907
時合待つ煙草の明かり穴子釣
栗田武三
ぐろっけ
200908
波止の灯の届かぬ闇に穴子釣る
栗田武三
ぐろっけ
200908
抜きあげてまづ踏んづける大穴子
栗田武三
ぐろっけ
200908
一酌に海の香りの焼穴子
栗田武三
ぐろっけ
200908
播州の焼穴子なり香るなり
栗田武三
ぐろっけ
200908
水槽の穴子顔出す糶最中
西山美枝子
酸漿
200909
お喋りも共に呉れたる穴子鮨
平田恵美子
ぐろっけ
200909
筒を得てこの世見渡す穴子かな
矢野百合子
空
201009
峰雲や穴子の腸のひとつまみ
戸栗末廣
火星
201009
鱚釣の外道のあなご喜ばれ
山本無蓋
鴫
201010
古釘を目に打ち穴子捌かるる
碇天牛
雨月
201110
鱧と穴子おなじに見える横須賀線
伊藤希眸
京鹿子
201111
耳遠くなりしとおもふ穴子飯
野沢しの武
風土
201207
「のれそれ」は黒目いのちの稚魚穴子
上野昌子
春燈
201208
穴子釣瀬戸内海を独り占め
稲畑廣太郎
ホトトギス
201305
ミシュランの二つ星てふ焼穴子
稲畑廣太郎
ホトトギス
201305
穴子釣羽田空港指呼にして
稲畑廣太郎
ホトトギス
201305
浅草を歩き疲れて穴子飯
泉一九
やぶれ傘
201312
日帰りの旅に用意の穴子飯
稲畑汀子
ホトトギス
201405
考への二転三転穴子飯
稲畑汀子
ホトトギス
201405
焼穴子とろりとふふむ海をまへ
窪田佳津子
雨月
201408
穴子焼くうちわに乗せて裏返し
升田ヤス子
六花
201411
漁継ぐ子もさうでなき子も穴子釣る
松本峰春
春燈
201509
トロ箱に縺るる穴子糶られけり
森脇貞子
雨月
201509
大学生首突つ込んで穴子丼
升田ヤス子
玫瑰
201604
母許に姉妹そろふ穴子ずし
鶴岡紀代
春燈
201608
穴子めし終の徳利とんと置き
岡部玄治
沖
201608
俎板のおもて一なで穴子裂く
宇都宮敦子
鴫
201609
潮騒の届くめし屋の穴子丼
山田佳乃
ホトトギス
201610
江戸情緒残すこの坂穴子鮨
田中藤穂
あを
201610
穴子焼く香にボルドーのコルクの香
稲畑廣太郎
ホトトギス
201805
絶品のおのころ島の穴子飯
碇天牛
雨月
201808
献上の誉れの味の穴子鮨
三村純也
ホトトギス
201809
下屋敷跡にいただき穴子丼
升田ヤス子
六花
201810
名物の穴子を女将そつと出し
田中信行
槐
201908
浦風に尉を散らして穴子焼く
升田ヤス子
六花
201909
穴子筒波止にころがる星月夜
谷陽右
馬醉木
201912
穴子ばかり食つてをりたる顔であり
宇都宮敦子
琴引鳥
202002
自販機に浅蜊穴子と冷たい夜
大日向幸江
あを
202006
鰻かと問へば穴子でありしこと
稲畑汀子
ホトトギス
202006
江戸前の気品に穴子釣り上る
稲畑廣太郎
ホトトギス
202205
酒一合そして穴子の櫃まぶし
仁上博恵
集
202209
一刷のたれは秘伝ぞ穴子鮨
内藤静
風土
202209
瀬戸内の穴子たつぷりちらし鮨
落合絹代
風土
202209
代替りせしも届くや焼穴子
落合絹代
風土
202209
一舟に百の光彩穴子釣
黒滝志麻子
末黒野
202211
2023年5月16日
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