秋 鯖 51句
秋鯖の切身ひと皿喪の景色 田沼文雄
ひろしやびふひろしやびふ秋鯖の海
岡井省二
槐
199910
秋鯖の汐目の藍を曳いてくる
伊藤希眸
京鹿子
200001
指さすは秋鯖うまき佐賀の関
星加克己
ぐろっけ
200002
秋鯖の大名おろしひと息に
陣野今日子
風土
200012
秋鯖を選る巡業の力士かな
松宮幹彦
俳句通信
200012
朝市の秋鯖ぴんと襟ただす
辻村拓夫
船団
200103
秋鯖や碗に飯つぶひつついて
山田六甲
六花
200111
音させて塩打つてをり秋の鯖
戸田春月
火星
200111
ふるさとの秋鯖語る女将かな
吉田汀史
沖
200112
秋鯖や節酒の誓ひ忘れさう
大橋克巳
雲の峰
200211
束釣りの父の秋鯖五十匹
渡辺美知子
濱
200212
秋鯖の夫の無手勝流味噌煮
二瓶洋子
六花
200301
秋鯖の匂ひ湯舟に持ち込みぬ
志方章子
六花
200301
饒舌に秋鯖さばく行商女
三宅昌子
ぐろっけ
200301
秋鯖に塩ふり年寄る女たち
坂田和嘉子
京鹿子
200302
丸太ン棒の如き秋鯖捌きけり
阪口美枝子
雨月
200311
秋鯖や塩一振りの匙加減
鏡山千恵子
帆船
200312
秋鯖を味噌煮で囲む夕べかな
井出清峯
百鳥
200401
砕氷のざくざく秋鯖を隠す
岡崎桂子
対岸
200401
秋鯖の味噌煮仕立は母の味
藤井美代子
帆船
200412
秋鯖を料理自慢の眼が選れる
岡谷栄子
苑
200501
秋鯖や関の一字を顧みる
田上昭夫
四葩
200512
秋鯖の焼串竹のいろ残る
安達実生子
馬醉木
200601
溶岩港秋鯖積みて船出づる
早水秀久
河鹿
200601
秋鯖の若狭に一夜泊りけり
坂上香菜
苑
200701
秋鯖を捌く壮年眉濃ゆく
田原陽子
鴫
200701
秋鯖の乗り具合よき脂かな
馬場宏一
春燈
200712
秋鯖や丹後なまりの抜けきらず
芝山喜久子
馬醉木
200901
秋鯖の身離れ鳥の親ばなれ
吉田明子
鴫
200901
秋鯖と生姜の匂ふ厨かな
橋本美代
やぶれ傘
200901
秋鯖の酢〆そのまま海の色
隅田享子
苑
200902
秋鯖を伊万里の皿に母好み
奈佐幸子
苑
201001
秋鯖や時彦の句を口遊み
根橋宏次
やぶれ傘
201001
秋鯖の鮨届けられ木偶桟敷
塩路隆子
璦
201012
身に良きと聞きし秋鯖海の蒼
小澤菜美
璦
201012
秋鯖のいろを信じて買ひにけり
柴田志津子
空
201210
秋鯖の背に黒潮の匂ひけり
小池清司
かさね
201212
秋鯖の青き光を筒切りす
平田恵美子
ぐろっけ
201212
秋鯖にまだ見ぬカスピ海の色
石倉千賀子
ろんど
201212
秋鯖の潮犇々と舫ひ綱
西田美ち
ろんど
201301
秋鯖を一塩にする片襷
小池清司
かさね
201311
秋鯖の門波に育つ紋を背に
塩見英子
雨月
201401
秋鯖の焼き塩加減布目皿
黒澤登美枝
峰
201512
船生簀底の底まで秋鯖よ
武田巨子
春燈
201601
ひとにらみして秋鯖を求めけり
久保夢女
槐
201701
秋鯖を食はせる嫁もなかりけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201709
秋鯖のよき酢加減や越の酒
斉藤マキ子
末黒野
201712
秋鯖のすしの料理はお手のもの
東秋茄子
京鹿子
201801
魚屋が筆でさらさら「秋鯖」と
柴崎和男
やぶれ傘
201902
秋鯖の花脊を越ゆる辺りかな
中田禎子
槐
202001
向ひ合ひ博多秋鯖地酒かな
浜田久美子
六花
202212
2023年10月16日
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