縁先に退屈な鶏秋収め
仲村菜花
槐
200002
田の中に据うる薦樽秋収
岡淑子
雨月
200202
鍬の柄を替へたる父の秋収
柳堀喜久江
春耕
200202
二期作の稲刈る徳化秋収め
松崎鉄之介
濱
200301
田の隅を四角に廻る秋収め
竹中龍青
濱
200403
弱法師の姿の雲や秋収め
加藤みき
槐
200412
産土に杵音とどく秋収め
大坪景章
万象
200502
音高く箕を打ち返へす秋をさめ
松たかし
火星
200502
爺と子の竹笛を吹く秋収め
大坪景章
万象
200503
手拍子は歓喜の楽器秋収め
坂ようこ
沖
200512
秋収め田畑に笑顔ありにけり
長崎桂子
あを
200601
秋収め稲荷の鳥居一つ建つ
加藤みき
槐
200612
日の本の寿ぎの秋忘れめや
加藤君子
火星
200612
秋収め先づ若嫁に地酒注ぎ
松原智津子
万象
200702
秋収め祈りはいつも火をたきて
小島みつ代
朝
200702
水牛を大河に放ち秋収め
服部鹿頭矢
馬醉木
200711
わら燃す烟り村焼く秋収め
久津見風牛
槐
200712
伊吹嶺の晴れて傘寿の秋収め
駒井でる太
苑
200801
晩鐘の映ゆる空あり秋収め
浜田はるみ
遠嶺
200802
秋収寓居に来よと師の便り
定藤素子
雨月
200803
葉吹雪の中に大樹や秋収め
永原朱
空
200901
樅大樹聳えし里や秋収め
前原早智子
春燈
200912
落暉より赤き火を焚き秋収め
水谷靖
雨月
200912
臼に水張つてあるなり秋収
山本耀子
火星
200912
戸口まで煙流るる秋収め
高倉和子
空
201001
煮染揚やまもりにして秋収
山田六甲
六花
201009
折詰に稲穂添へあり秋収
ことり
六花
201010
水音の郷となりたる秋収め
水谷靖
雨月
201101
いく筋も煙立ち上げ秋収め
大木清美子
峰
201102
一葉をかざし私の秋じまひ
井尻妙子
京鹿子
201103
山寺に浪曲ひびく秋収め
石川かおり
璦
201112
棒羯鼓神へ捧げて秋収め
佐藤山人
鴫
201112
秋収め終へて一揆の墓に座す
斎藤栖峰
馬醉木
201201
塩作る漢の白き歯秋収め
山口ひろよ
鴫
201201
秋収めの手足の長き少女舞ふ
山口ひろよ
鴫
201202
経典にルビのぎつしり秋収
大東由美子
火星
201212
八幡さまへ水をもらひに秋収
蘭定かず子
火星
201301
秋収め手提げにのぞく高野槙
山本耀子
火星
201401
機の辺のぶ厚き眼鏡秋収
山本耀子
火星
201411
あめ色に穴子焼き上ぐ秋収
山本耀子
火星
201412
田の神へ御酒を注ぎて秋収
松本文一郎
六花
201502
出刃先に水走らせる秋収め
杉田春雄
風土
201602
夕暮は昔の匂ひ秋収
笹倉さえみ
雨月
201701
一口の餡ころもちの秋収め
中川句寿夫
あを
201701
筑波山より坂東一望秋収め
田中たつを
雨月
201802
秋収め大鍋に湯をたぎらせて
松井季湖
瓔
201912
労ひの酒に酔ひたる秋収め
関妙子
沖
202012
煙より村現るる秋収め
高倉和子
空
202105
秋収めいとこはとこが赤子連れ
荒井千佐代
空
202112
藁屑の吹かれてゐたる秋収め
石橋幾代
空
202205
土ほぐすほどの雨粒秋収め
高倉和子
空
202206
2023年10月23日
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