秋の夜はプルゴーニュよりボルドーを
稲畑廣太郎
ホトトギス
201509
秋の夜の音色に囲まれてをりぬ
稲畑廣太郎
ホトトギス
201509
秋の夜や心の隙間埋める曲
稲畑廣太郎
ホトトギス
201509
気のつけば秋の夜の更けをりしこと
稲畑汀子
ホトトギス
201509
これよりは余白の時間秋の夜
稲畑汀子
ホトトギス
201509
月蝕の秋の夜空を楽しまむ
稲畑汀子
ホトトギス
201510
立秋の夜風が家の中通る
大畑善昭
沖
201510
寝を惜しみ初秋の夜の声を聞く
四條進
峰
201510
地震に覚め孤独のつのる秋の夜
塩千恵子
峰
201511
秋の夜の山車に太鼓を打ち込める
山田六甲
六花
201511
秋の夜の箱の補聴器ぴいとなる
升田ヤス子
六花
201511
紙鍋の底に炎の色秋の夜
青谷小枝
やぶれ傘
201511
秋の夜のタクトの先の無音界
奥井あき
鴫
201512
秋の夜や太く短かき生命線
宮?ア高根
鴫
201512
寝そびれて強き風音秋の夜
秋川泉
あを
201511
塾終へて母とメールや秋の夜
阿部重夫
末黒野
201512
秋の夜半幼き者を両脇に
平居澪子
六花
201512
人にもの思はす秋の夜なりけり
水野節子
雨月
201512
読み耽る桜坡子俳話秋の夜
岡田ちた子
雨月
201512
秋の夜やショパン弾きゐる二階の子
岡田ちた子
雨月
201512
秋の夜や絵本抱へて母の膝
宮口征子
馬醉木
201601
老眼に子等の文集秋の夜
佐藤みち子
京鹿子
201601
秋の夜や紅茶に増やす角砂糖
野中圭子
京鹿子
201601
猫と居て余生と思ふ秋の夜
小田嶋野笛
末黒野
201601
本閉ぢて雨かぜを聴く秋の夜半
戸辺信重
春燈
201601
秋の夜の一人旅立つ成田かな
森田節子
風土
201602
秋の夜の寺堂に落語研究会
奥名房子
面
201602
八十歳漱石手に取る秋の夜
神田惣介
京鹿子
201603
秋の夜のシングルモルトてふ媚薬
町山公孝
沖
201611
秋の夜のバロツクリユート星点る
鈴鹿呂仁
京鹿子
201611
秋の夜に指輪の石の転げ落つ
小山陽子
やぶれ傘
201612
秋の夜理系の頭はすに置く
江澤弘子
鴫
201701
別れ来て鏡に向かふ秋の夜
高倉和子
空
201701
犬の声秋の夜空にひびきけり
出口誠
六花
201702
シテ舞の踏み高らかや秋の夜
原田しずえ
万象
201702
秋の夜やルーペ片手に旅の地図
大川暉美
末黒野
201704
秋の夜の一人の自由とは淋し
稲畑汀子
ホトトギス
201709
秋の夜や昔話のとどまらず
稲畑汀子
ホトトギス
201709
つながりし電話に更けぬ秋の夜
稲畑汀子
ホトトギス
201709
真夜覚めて秋の夜空の星仰ぐ
稲畑汀子
ホトトギス
201710
秋の夜の頁戻して読む戦記
齊藤哲子
鴫
201712
秋の夜の書棚より取る禅の書(ふみ)
犬塚李里子
槐
201712
秋の夜のしじま破りて救急車
出口誠
六花
201801
地球儀を見つめて秋の夜は更けぬ
溝渕弘志
六花
201801
秋の夜の塗り終りたる爪の闇
冷泉花
六花
201801
ボールペンするする進む秋の夜は
石谷淳子
雨月
201801
どぢやう掬ひ笑ひ転げる秋の夜
田中美惠子
槐
201801
ラーメンに鳴門の浮かぶ秋の夜
小山陽子
やぶれ傘
201710
秋の夜に出すぎてしまふ歯磨き粉
小山陽子
やぶれ傘
201710
秋の夜のさそり座の尾の見当たらず
有賀昌子
やぶれ傘
201710
秋の夜裏路地の窓ショパン漏れ
神田惣介
京鹿子
201801
秋の夜や蕪村の恋は厄介と
内海良太
万象
201801
送り出て秋の夜風と思ひけり
田中とし江
空
201801
秋の夜長の蛍光ペンの米印
池田澄子
面
201805
連合いを穴場と思う秋の夜
林せり
船団
201806
子にみやげなき秋の夜の肩ぐるま
能村登四郎
沖
201810
一人より独りにかへる秋の夜
水野恒彦
槐
201812
秋の夜や音の海へと泳ぎ出す
江島照美
槐
201812
秋の夜の夫と想ひを違へをり
青柳雅子
春燈
201812
秋の夜の赤きシェードの枕上
木多芙美子
春燈
201812
秋の夜の電池切れして置時計
秋山信行
やぶれ傘
201901
秋の夜をノックしてみた父さんと
森有子
瓔
201901
欠伸して屁をして秋の夜長かな
高橋均
やぶれ傘
201902
やや長く湯に漬かりゐる秋の夜
竹内文夫
やぶれ傘
201902
宿墨に追磨りをする秋の夜
伊藤隆
鴻
201908
秋の夜の古俳句噺きりもなや
沼田巴字
京鹿子
201909
心鎮め仏書ひもとく秋の夜
沼田巴字
京鹿子
201909
秋の夜の羽後と江戸つ子訛かな
千田百里
沖
201910
補聴器を失くして憩ふ秋の夜
松村光典
やぶれ傘
201911
工作に夢中になりて秋の夜
出口誠
六花
201911
秋の夜のおもちやにされしボールペン
出口誠
六花
201911
秋の夜コロラトゥーラの鈴鳴らす
河崎國代
春燈
201911
病む猫の背中をさすり秋の夜
秋川泉
あを
201912
秋の夜の厨に近く虫の声
増田祐司
やぶれ傘
201912
皿に置く匙音ひとつ秋の夜
武藤節子
やぶれ傘
201912
永らふる吾を思ふなり秋の夜
石原節子
春燈
201912
消しゴムの角かど丸む秋の夜
鈴木愛子
萱
201912
俳句とは吾の秋の夜を長くして
嶋田一歩
ホトトギス
202001
秋の夜や湯舟で剥がすサロンパス
磯野青之里
六花
202002
横向きにすとんと寝入る秋の夜
安藤久美子
やぶれ傘
202002
渋過ぎるお茶に湯を足す秋の夜
小山よる
やぶれ傘
202002
秋の夜のテーブル拭いて終了す
陽山道子
船団
202003
亀とゐてこの射干玉の秋の夜
中島陽華
槐
202003
ギターでも買はうかと夫秋の夜
青木朋子
空
202006
秋の夜がもうぢき朝になる気配
小山よる
やぶれ傘
202010
唱歌集妻と歌ふや秋の夜
吉川隆
春燈
202011
秋の夜や眠り誘ふグレゴリオ
吉川隆
春燈
202011
秋の夜や鷹女を魔女と読み違へ
小山寿子
風土
202012
秋の夜やいつも傍へに電子辞書
菅野日出子
末黒野
202012
2021年9月12日
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