秋の蜂 29句
秋風や蝶は逃げ蜂向ひくる 三橋敏雄
秋風や一志忘れし狂ひ蜂
遠藤タミ子
京鹿子
199811
秋うらら蜂止まりゐる道祖神
澤野粂子
春耕
199912
すずめ蜂人刺すよ秋は逝きぬ
金子兜太
海程
200004
蜂の巣を雨滴つついて秋彼岸
山田六甲
六花
200010
秋耕や蜂に螫されて歸る牛
男波弘志
槐
200012
秋深き徳利蜂の巣からつぽな
黒田咲子
槐
200101
秋日濃き塔にあまたの雀蜂
川澄祐勝
春耕
200201
行く秋や足長蜂の陽をあつめ
渡邉友七
あを
200401
瑠璃に幾たび秋蜂の透くる翅
伊藤早苗
鴫
200501
うしとらに秋蜂の巣を太らしむ
伊藤白潮
鴫
200511
秋の日を透く蜂蜜のガラス瓶
栗原公子
沖
200712
秋蜂の余すちからや翁の碑
市ノ瀬遙
炎環
200811
秋草をこまめに訪うてゐる小蜂
原田達夫
鴫
201602
秋彼岸墓域の供花を渡る蜂
小川玉泉
末黒野
201612
蹲踞の水呑んでゐる秋の蜂
土江比露
春燈
201712
大き葉のへそに溺れて秋の蜂
森田節子
風土
201801
秋の蜂リーフレットに乗り止る
藤波松山
京鹿子
201802
秋の蜂日めくりぐらし不憫なり
鈴鹿仁
京鹿子
201810
秋の蜂二声づつの此処彼処
赤座典子
あを
201810
秋の蜂ポストかすめて失せにけり
庄司久美子
槐
201811
秋の蜂あわてて移す縁の句座
樺澤やすの
末黒野
201812
おそ秋の雨におぼるる道の蜂
佐藤喜孝
あを
201812
秋の蜂墓場の蜜を盗みけり
篠田大佳
あを
201912
鉾先を風が邪魔する秋の蜂
丸井巴水
京鹿子
202101
有り顔に手足擦り寄す秋の蜂
鈴鹿呂仁
京鹿子
202111
秋の蜂陽が沈むまでユートピア
篠田大佳
あを
202112
秋の蜂背もこもこと花つたふ
赤座典子
あを
202210
水撒けば秋蝶秋蜂水飲みに
篠田純子
あを
202211
雨の日や樹液に群るる秋の蜂
岩上行雄
末黒野
202302
2023年9月13日
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