有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
平成21年2月18日
日本原子力技術協会
運転責任者諮問委員会による
外部監査的確認事項
有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
目次
1.運転責任者諮問委員会の外部監査的確認事項の概要
2.判定機関に対する要求事項
(a) 組織、体制
(b) 運転責任者諮問委員会
(c) 判定業務の実施
(d) 規程、マニュアル類の制定
(e) 記録
(f) 守秘義務及び機密の保護
(g) その他
1 シミュレータ訓練施設の認定
2 口答(筆記)試験委員の委嘱
3 講習講師の委嘱
有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
1.運転責任者諮問委員会の外部監査的確認事項の概要
原子力発電所運転責任者の判定に係る規程(JEAC4804-2008)
の中で運転責任者諮問委員会は運転責任者判定システムが原子炉設
置者との関係において、独立性、公平性並びに公正性を持って 運営さ
れていることを外部監査的に確認するように定められている。
日本原子力技術協会の
・規程類
・判定業務の運営状況
規程類の要求事項
・JEAC4804
・JISQ17024(参考)
・JISQ9001 (参考)
適合性
運転責任者運営委員会
審議・確認
外部監査的に確認
運転責任者諮問委員会-1- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(1/8)
(a)判定業務の実施にあたり,原子炉設置者との関係において,独立性,公平性並びに公正性
を保てるような組織,体制を整えること。
[解説6-1][解説6-2][解説6-3]
⇒ 独立性、公平性並びに公正性を保てるような組織、体制を整えている。
(「運転責任者判定業務組織図・合否判定ブロック図」参照)
[解説6-1]
本規程では,判定機関が判定を実施する仕組みとしている。
[解説6-2]
判定機関は当該原子炉設置者の関係会社ではなく,第三者的立場にある法人であることが求められる。
⇒ 日本原子力技術協会は、原子炉設置者に対して、第三者的立場にある法人(有限責任中間法人)である。
[解説6-3]
判定機関は,JEAC4804に記載されていない事項であっても、JIS Q17024「適合性評価-要員の認証を実施する
機関に対する一般要求事項」及びJIS Q9001「品質マネジメントシステム-要求事項」を参考にして,必要な規程,
マニュアル類を定め,判定業務にあたることが求められる。
⇒ JEAC4804に加え JIS Q17024及びJIS Q9001を適用規格として、規程、手順書類を作成している。-2- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(1/8)
判定業務組織
管理主体
(技量認証G)
作成・レビュー
評議員会 理事会
品質保証担当
技術基盤部長
運転責任者
運営委員会
運転責任者諮問委員会
担当
シミュレータ訓練施設
(運転実技試験、更新に係る上級運転員教育・訓練実施)
運転責任者試験問題委員会
運転責任者試験問題作成WG
講習講師・口答試験委員
筆記試験委員
運転責任者判定業務組織図GL 出題範囲、問題のバランス
シミュレータ機能、試験・訓練実施要領
講師・試験委員の基準
試験問題バンク
出題試験問題案
委嘱 認定-3- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(1/8)
判定の方法 採点(確認)者 判定者 判定(確認)基準
1 経歴・地位 原技協 原技協 JEAC4804附属書A
2 運転実技試験* 運転実技試験委員 シミュレータ訓練施設 JEAC4804附属書B
3 口答試験*口答試験委員 原技協 JEAC4804附属書C 合格証
4 筆記試験*
原技協 原技協 JEAC4804附属書C
5 講習 講師 原技協 JEAC4804附属書D
合否判定ブロック図(受験者)
1〜5が
全て判定
(確認)基準
に適合
*更新者は、2、3、4の代わりに上級運
転員に対する教育・訓練を修了していること
で判定する。
原技協
(技術基盤部長)
合否判定者-4- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(1/8)
品質マニュアル
原子力発電所運転責任者に係る合否判定等業務に関する規程
原子力発電所運転責任者 合否判定等業務手順書
原子力発電所運転責任者 シミュレータ訓練施設認定手順書
原子力発電所運転責任者 試験問題バンク管理手順書
原子力発電所運転責任者 筆記試験実施手順書
原子力発電所運転責任者 口答試験実施手順書
原子力発電所運転責任者 講習実施手順書
原子力発電所運転責任者 申請書類記入手順書
原子力発電所運転責任者に係る委員会運営規程
原子力発電所運転責任者 委員会運営手順書
規 程 類 体 系-5- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(2/8)
(b)運転責任者諮問委員会を設置すること。また、運転責任者諮問委員会は、運転責任者判定の
運営に直接関与しない外部の者から、構成され、かつ、特定の機関、団体、業界等に偏りがな
いようにしなければならない。
[解説6-4]
[解説6-4]
「運転責任者判定の運営に直接関与する者」とは,運転責任者判定に携わる機関(判定機関,シミュレータ訓練
施設)における役職員並びに原子炉設置者,メーカーの役職員をいう。
【運転責任者諮問委員会 規約】
4.諮問委員会の構成
4.1 諮問委員会は5名を超えない委員をもって構成する。
4.2 委員は、表1の基準を満たす者から構成され、かつ、特定の機関、団体、業界等に偏りがないよう同
一業種の委員は委員総数の3分の1を超えないものとする。ただし、委員の組織の業種が複数の業
種にまたがるときは主業種に分類するものとする。
表1 運転責任者諮問委員の構成
産業界で、執行役員、取締役、これらに相当する地位又はこれらの経験を有し、技術的実務経
験を有する者であって、かつ運転責任者判定の運営に直接関与しない者
産業界の経営層
大学における名誉教授、教授、准教授又はこれらの経験を有し、博士の学位を有する者であっ
て、かつ運転責任者判定の運営に直接関与しない者
学識経験を有する者
具体的な基準
委員の区分-6- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(3/8)
(c)以下を保証できるように判定業務を実施すること。
1)本規程の要求事項を満たすこと。
2)原子炉設置者との関係において,独立性,公平性並びに公正性を保つこと。
(c)1) ⇒ 判定業務は、「運転責任者に係る合否判定等業務に関する規程」及び関係手順書を制定し、それ
に則って業務を行っている。
(c)2) ⇒ ・「運転責任者諮問委員会」にて、外部監査的に確認することとしている。
・「運転責任者運営委員会」にて、審議、確認することとしている。
・「合否判定等業務に関する規程」に判定に係る要員の誓約書作成を規定している。
【合否判定等業務に関する規程】
4.4 判定業務組織
(4)判定業務組織に属する要員は、原子炉設置者、受験者、更新者及び合格証を交付された要員
との関係において、独立性、公平性並びに公正性を保つため、業務の実施で得られたすべての
情報を機密にする。ただし、協会が公表又は開示可能と判断する情報はこの限りではない。
(5)判定業務組織に属する要員は、原子炉設置者、受験者、更新者及び合格証を交付された要員
との関係において、独立性、公平性並びに公正性を保つために協会が規定した規則の遵守を
誓約する文書に署名する。-7- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(3/8)
【運転責任者運営委員会】 第1回(平成20年1月28日) 〜 第5回(平成21年2月12日)
・ 委員構成
委員は、原子力工学、原子力発電所の運営、運転員の教育・訓練及び品質保証等に関する学識経験者、
専門家から構成し、7名以下とする。
・ 主な承認事項
1運責規程の制定及び改定の内、判定スキームの開発・維持、並びに認証を維持する条件に関すること
2JEAC4804に規程する判定のための要求事項のあらゆる変更に関する見解の表明
3必要な場合、JEAC4804を運転責任者の判定に適用することに関する説明書
4原技協が行う運転責任者判定業務のJEAC4804への適合性に関する表明
・ 主な確認事項
1運責規程の制定及び改定の内、承認事項の1を除いたもの
2シミュレータ訓練施設のJEAC4804に基づく認定審査計画・方法・審査結果
3試験問題委員、口答試験委員、筆記試験委員、講習講師の委嘱
4判定業務に係る年度計画及び年度報告
5異議申立て及び苦情の内容と処理
6不適合の内容と対応-8- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(4/8)
(d)判定業務に関する運営のため、組織、手続き等に係る必要な規程、マニュアル類を定める。
これらの規程、マニュアル類に定めなければならない事項については、少なくとも以下に掲げるものとする。
d-1)判定業務に関する手順(受験者等並びに所属機関の手続きを含む)に関すること。
d-2)試験並びに講習の頻度やスケジュールに関すること。
d-3)判定業務に関する組織に関すること。 [解説6- 8]
d-4)組織が実施する職務並びに責任に関すること。 [解説6- 9]
d-5)試験及び試験問題の管理に関すること。 [解説6-10]
d-6)業務の一部を委託する場合の取り決めに関すること。 [解説6-11]
[解説6-8]
組織に関することとは、判定機関内部の体制やその他会議体などに係ることである。
[解説6-9]
職務並びに責任に関することとは、判定業務に係る要員(運転実技試験委員,口答試験委員及び講習講師を含
む)に必要な力量並びに職務,責任及び遵守事項などに係ることである。
[解説6-10]
試験及び試験問題の管理に関することとは、試験の評価,問題作成,問題バンクの管理並びに出題する問題数
の変更など,試験及び試験問題を管理するプロセスに係ることである。
[解説6-11]
委託する場合の取り決めに関することとは、一部の業務(例えば試験など)を委託する場合の委託範囲,委託先
が教育・訓練を提供している場合の判定と教育・訓練の独立性などに係ることである 。
⇒ 上記事項については、規程、手順書類に規定している。-9- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(5/8)
(e)記録に関する必要な事項を明確にする。 [解説6-12]
[解説6-12]
記録に関することとは、申請、試験、判定、更新並びに保留等に関する記録の保管などに係ることである
⇒ 記録に関することは、各手順書類に、記録名称、保管期限等の必要事項を規定している。
(例)【合否判定等業務手順書】
8.記録
この手順書で定める記録名称、作成箇所、承認者、保管期限及び記録様式番号等は、『添付資料1 記
録一覧表』による。
添付資料1 記録一覧表(抜粋)
1.製品記録
2.活動記録
同上 PSP-810-0001-25年事業所の長
所属事業所
経歴・地位証明書9-1PSP-810-0001-15年技術基盤部
技量認証G―受験者
原子力発電所運転責任者
新規判定申請書8記録様式番号
保管期限
保管担当箇所
承認者
作成箇所
記録名称
様式番号
同上
同上 PSP-810-0001-32
永年
各委員
承諾書1-2PSP-810-0001-31
永年
技術基盤部
技量認証G
技術基盤部
長(確認)
技術基盤部
技量認証G
運転責任者判定業務に係る
誓約書1-1記録様式番号
保管期限
保管担当箇所
承認者
作成箇所
記録名称
様式番号-10- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(6/8)
(f)守秘義務及び機密の保護のために必要な事項を明確にする。 [解説6-13]
[解説6-13]
守秘義務及び機密の保護に関することとは,判定業務の過程で得られた情報や試験問題などの機密保護やそ
の期間などに係ることである。
⇒ 機密保護については、規程及び関係手順書類に必要事項を規定している。
【合否判定等業務に関する規程】
4.4 判定業務組織(3/9参照)
5.3.2 口答試験問題
(4)技術基盤部長は、レビューされた口答試験問題案の中から出題する試験問題を選定・承認し、試験終
までの期間、試験問題漏えい防止の観点から別に定める手順書に従い機密管理を行う。
【口答試験実施手順書】
記録の種類に応じて、以下のように規定されている。
・個人情報を含むものは、運転責任者判定作業室の施錠管理の書棚に保管する。
・試験問題は、持ち回りで回覧し、承認後は運転責任者判定作業室の施錠管理の書棚に保管する。-11- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(7/8)
(g)その他
1 シミュレータ訓練施設の認定
[附属書B 運転実技試験]
判定機関は、本規程で定める運転実技試験を行うシミュレータ訓練施設をあらかじめ認定する。
[解説 附B-1]
[附属書E 上級運転員に対する教育・訓練]
判定機関は、本規程で定める更新のための上級運転員に対する教育・訓練を実施するシミュレータ
訓練施設をあらかじめ認定する。
[解説 附E-1]
[解説 附B-1]
ここでいう認定(Accreditation)とは、シミュレータ訓練施設が本規程に基づき運転実技試験を行う能力を承認す
ることである。
[解説 附E-1]
ここでいう認定(Accreditation)とは、シミュレータ訓練施設が本規程に基づき更新のための上級運転員に対する
教育・訓練を行う能力を承認することである。
⇒ シミュレータの認定については、規程及び「シミュレータ訓練施設認定手順書」に必要事項を規定している。
【認定実績】
平成20年5月21日に、以下の2施設を認定
・株式会社 BWR運転訓練センター(BTC) (認定対象シミュレータ:2〜5号シミュレータ)
・株式会社 原子力発電訓練センター(NTC)(認定対象シミュレータ:1〜3号シミュレータ)-12- 有限責任中間法人 日本原子力技術協会
Japan Nuclear Technology Institute
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
〜原子力の一層の安全確保を目指して〜
2.判定機関に対する要求事項(8/8)
(g)その他
2 口答試験委員の委嘱
[附属書C 口答試験]
判定機関は、次の1)から3)に掲げる基準のいずれかに適合する者の中から、口答(筆記)試験委員
をそれぞれ2名以上委嘱する。
1) 原子力工学に関する学識 経験を有する者
2) 原子力発電所の運転管理又は教育・研究に十分な経験を有する者
3) 運転実技試験委員
⇒ 口答試験委員及び筆記試験委員の基準、委嘱人数については、要求事項どおり、規程、「口答試験
実施手順書」及び「筆記試験実施手順書」に規定している。
3 講習講師の委嘱
[附属書D 講習]
判定機関は、次の1)から3)に掲げる基準のいずれかに適合する者の中から、講習の科目ごとに講師
1名以上を委嘱する。
1) 関係法令及び保安規定に精通している者
2) 管理・監督者教育を研究・実践している者
3) 原子炉の運転に関する知識を広く有する者
⇒ 講習講師の基準、委嘱人数については、要求事項どおり、規程及び「講習実施手順書」に規定して
いる。-13-

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /