福岡県立大学 人間社会学部 公共社会学科 2022年 高等学校一種免許状
(情報)
教職課程スタート!
公共社会学科案内2025
公共社会学科の学び
「公共」
の扉へ
カリキュラム構成
地域社会ネットワーク領域
アジア国際共生領域
ゼミ&教員紹介
教職課程・教育実習
社会調査実習・国際交流プログラム・交換留学
キャリア支援プログラム
活躍する卒業生
...........................1
....................................2
..............................3
..................4
...........................5
.................................6
...........................10
...12
..................13
..............................14
目 次
公共社会学科発行 No.15
今日、紛争、差別、格差、環境破壊など国内外の地域社会には課題が山積しています。地球上に住むひとりひとりが当事
者としてこれらの課題に取り組むことが求められています。
公共社会学科は、誰もがよりよい生を実現できるような社会の仕組みを考える学科です。社会学をベースに、政治学、経
済学、教育学、地理学、情報学など幅広い領域を地域社会と国際共生に焦点をあてながら学びます。
特に力を入れているのが社会科学的な手法を用いた課題解決型授業です。社会調査実習では、地域の課題を発掘し、課題
が生じる構造を社会調査で明らかにし、解決策を提言するまでの過程を学生が主体的に担い、課題解決能力を身に付けま
す。また、少人数制の授業では、教員や学生同士の対話を通して考える力や相手を理解しわかりやすく伝える力を養いま
す。
人間に対する興味・関心が旺盛な人、国内外の地域が抱えている課題や社会現象に関心をもっている人、あなたの「な
ぜ?」を公共社会学科での学びを通して社会を変える行動の一歩へとつなげてみませんか?
公共社会学科地域社会コース代表 佐 野 麻由子
誰もがよりよい生を実現できるような
社会の仕組みを考え行動できる人材を育てる
Public Sociology
●くろまる公共社会学科がめざす教育
●くろまる教育の特徴2 私たちが生きる現代社会では、生活条件も考え方も異なる人
同士が、地域社会で、そして地球規模で、互いに支え合うこと
が求められています。そして現代は、知識・情報・技術が急速
に更新され、それらが私たちのあらゆる活動領域において重要
な意味をもつ社会でもあります。公共社会学は、このような社
会背景のもと多様な個性をもつ人びとが共に生きていける、新
しい公共社会のあり方を探求する学問です。
本学科では、地域社会や国際社会が抱える課題に対して、教
員と学生が一緒に向き合い、協働し議論を重ねます。大学4年間
の経験を通して、現代社会で活躍するにあたり役に立つ、幅広
い知識と分析スキルを修得します。
〈問題意識を育み課題解決力を高める〉
本学科の教育は、学生たちが現代社会課題に対する問題意識
を高め、課題解決にあたり役に立つ実証研究のスキルを身につ
けることを重視しています。学生たちは課題解決をめざして人
びとが協働する
「地域社会」
「国際共生」
というフィールドに参画
し、多方面に渡る経験を通して課題解決力を高めます。新しい
公共社会を具体的、多角的に考えられるように、
「地域社会ネッ
トワーク」
「アジア国際共生」
という2つの履修領域を設けています(詳細は4頁)。
〈情報化社会に対応できる基礎能力を身につける〉
現代社会課題に、社会調査・情報処理の基礎能力を活用して
アプローチする力を、実習や演習を通して身につけます。本学
科は2022年度より高等学校教諭一種免許状
(情報)
の教職課程を
設置しました。
社会課題に向き合う経験と併せて、
卒業後の様々
な場面で役立てるスキルを身につけます。
〈公共社会学科が重視する4つのポイント〉
1 新たな公共性、地域社会、国際共生の視点を培う。
2 コミュニケーション能力、リサーチ能力、ITスキルを習得
する。
3 社会のニーズを的確に把握する調査力、分析力をつける。
4 問題解決への企画・提案力や調整力の基礎を培う。
●くろまる「公共」の扉へ
2022年度より高等学校公民科の新しい必修科目
「公共」
がス
タートしました。
その背景には、
グローバル化や情報化により、
現代社会には新たな課題がいくつも生み出され、私たちのく
らしも先の見通しが立ちにくくなっていることがあります。
そうした中では、私たち個々人が自立した主体として、他者
と協働し、持続可能な社会づくりに参画すること̶̶豊かな
「公共」
を育むことの重要性が高まっているのです。
本学科はこのような国レベルで認識されてきた問題意識を
先取りし、社会学を中心に現代社会の諸課題にアプローチす
る様々なスキルを身につけ、
自由な発想と深い他者理解をベー
スに、他者と協働し、より大胆に社会に働きかけられるアク
ターを育むことを目標にしてきました。本学科の卒業生のみ
なさんは、広く社会の各所で
「公共人材」
として活躍していま
す。「公共」の扉へ カリキュラム構成
●くろまるカリキュラム構成3公共社会学科案内2025
社会学と公共性をベースに、
現代社会の諸課題を、
ローカルに、
グローバルに探求するカリキュラムを用意しています。あなた
自身で学びをコーディネートできます。
<1年次> 全学共通科目を履修するとともに、社会学、社会調
査、情報処理の基礎を学びます。
<2年次> 現代社会課題、地域社会ネットワーク、アジア国際
共生の科目群から、各自の関心に沿った学習を組み立てていき
ます。1年次に学んだ社会調査・情報処理の能力をさらに伸ばす
とともに、社会調査実習に取り組むことを通して実践力と応用
力を養います。
【社会調査実習】
調査の企画から実施、分析、報告書の作成に
至るまでを学生が主体となって行います。社会の動向が表して
いるものを見極める能力を身につけます
(詳細は12頁)。<3年次> より高度な専門科目を学びつつ、関心のある分野の
ゼミに入り、
課題を設定し、
原因を考察・分析する力を磨きます。
【公共社会学研究】
本学科には、社会学だけでなく政治学、経
済学、教育学、地理学、情報学など幅広い専門領域のゼミ
(演習)
があります。少人数
(原則6人以下)
で文献を読んだり、グループ
や個人による研究を進めたり、ディスカッションを行ったりし
ます
(詳細は6頁)。<4年次> 自身で研究課題を設定し、卒業論文を執筆します。
1年次から身につけてきた知識やスキル、思考力の集大成です。
教員の指導を受けながら、疑問を見出し、実態を把握し、検証・
考察をへて結論を導き出す、一連の論じる力を身につけます。
〈キャリア支援プログラム〉
学生一人ひとりが将来の目標を定め、その実現に向け自律的
に進んでいけるよう、本学科では5つのキャリア支援プログラム
を設けています
(詳細は13頁)。 (1)
社会調査士資格取得支援プログラム (2)
教職免許取得支援プログラム (3)
情報処理関係資格取得支援プログラム (4)
公務員受験支援プログラム (5)
ビジネス・スキル修得支援プログラム
本プログラムは、大学での学びと卒業後の進路を有機的に結
びつけることをねらいとしています。専門教育の各段階で、将
来の進路形成について自分自身で考えられる機会を設けるよう
に工夫しています。
ほかにも本学では、全学横断型教育プログラムによる就業力
強化支援、キャリアサポートセンターによる就職活動相談など、
幅広い進路支援を行っています。
〈取得できる資格・免許〉 ◆だいやまーく 社会調査士
◆だいやまーく 中学校教諭一種免許(社会)
◆だいやまーく 高等学校教諭一種免許(公民)
◆だいやまーく 高等学校教諭一種免許(情報)
◆だいやまーく 上級情報処理士
◆だいやまーく 社会福祉主事任用資格
●くろまる資格・キャリア支援
(基幹科目)
社会調査・
情 報 処 理
(スキル系)
アジア国際共生
(応用科学系)
地域社会
ネットワーク
(応用科学系)
現代社会課題
(基礎問題系)4地域社会ネットワーク領域
社会統計学I
社会調査実習
公共社会学科案内2025
Q 地域社会ネットワーク領域が目指す教育は?
A 持続可能な地域社会の担い手の育成
人口減少と少子高齢化の進展、近隣関係の希薄化など、現代社会は大きな変化を経験し、地域社会においてはさまざまな生活課題
が浮かび上がってきています。地域社会における多様な生活課題に対処し、持続可能な地域社会を構想していくためには、人々の生
活に向き合い、地域住民、地域団体、ボランティア団体・NPO、企業、自治体などさまざまな人々、団体がつながりながら協働して
いくこと――公共を構想し築くことが大切です。多様な立場にある人々と協働し、持続可能な地域づくりを意欲的に推進していくこ
とができる人材の育成を目指しています。 Q 地域社会の視点で何を学ぶか?
A 地域社会の仕組みや地域課題、課題解決過程を学びます
地域社会の構造や機能、
現代日本の地方自治のしくみと動向、
住民参加の地域づくりの現状と課題などを考える、
充実したカリキュ
ラムを設けています。それぞれの地域社会の中で人々はどのような生活を送り、そこにはどのような生活課題が見られ、それらの生
活課題を解決するには地域住民、地域団体、ボランティア団体・NPO、企業、自治体はどのような役割を果たしていけばよいのか、
社会学・政治学・地理学・経済学などの観点から学びます。 Q 「現地
(フィールド)
に出かける」
とは?
A 地域課題について現場で調査しながら考えます
地域社会の現状についてウェブサイトや統計データ、文献資料で研究することはもちろん大
切です。しかしそれだけでは、実態がわかったとは言えません。現地
(フィールド)
に出かけて
その雰囲気を感じ、そこに住む人々と話し、地域社会の自慢や悩みに耳を傾けてみましょう。
福岡県は旧産炭地からの転換を図る筑豊地域、福岡市と北九州市という異なる特性をもつ大都
市、豊かな自然と農林水産業が盛んな筑後地域という、多彩な地域で構成され、アジアとの関
係が深い県でもあります。多様なフィールドに出て学ぶことで、地域のさまざまな景観や暮ら
しに触れ、地域社会の奥深さを感じることができるでしょう。
社会病理学
地域社会ネットワーク領域5多文化社会論履修領域
アジア国際共生領域
Q アジア国際共生領域が目指す教育は?
A 地域と国際社会をバランスよく結んで活躍できる人材の育成
外国人の受入れ拡大へと舵を切り、国内各地でも多文化共生を掲げた政策や窓口
が設置され始めた日本。異なる文化や宗教、言語を持つ人々と、違いを認め合い、共
存していける国際的知見を培いながら、地域でも国外でも、多様化が進む社会に対応
できる、
バランスのとれた人材が、
ますます必要です。
地域社会に軸足を置く本学科は、
地域と国際を切り離さず、国際的な視野を持ちながら地域で活動できる人、地域の状
況を理解しながら国際社会で活躍できる人材の育成を目指しています。
Q 国際共生の視点で何を学ぶか?
A グローバル化の中で多様な人々と共に生きる社会について学びます
社会学と政治、
経済、
文化、
歴史学などを、
国際的な視点で横断的に結んで学びながら、
共に生きる世界には何が必要かを考えます。
政治学分野では、伝統的な国家間関係では捉えきれない、様々なアクターが関与する今のグローバル社会を
「人間の安全保障」
という
新たな枠組みで見直します。経済学分野では、国家間の経済活動に関する理論・歴史・政策を広い視野で学びながら、アジア地域を
中心とするビックイシューを考えます。社会学分野では、豊かな国が富む一方、貧しい国がますます貧しくなる理由や、異なる文化
への寛容性が国や地域で違う背景にある制度的、文化的要因などを学びます。
Q 福岡の地で国際共生を学ぶ意義は?
A 国を超えて地域が結びあう多様な世界像を学べる点
世界と結ぶ独自のルートがある福岡には、国連ハビタットやジェトロ福岡、JICA九州など国
際的な諸機関が拠点を置き、NGO活動も盛んです。福岡を代表する基幹産業
(鉄鋼や環境分野)
を中心に周辺諸国間の企業交流や人材交流も活発で、東アジア経済ブロックの中で重要な役割
を果たしています。
福岡から中国最大の商業都市・上海までは545マイル、東アジアのハブ空港があるソウルまで
は337マイル。東京
(566マイル)
や大阪
(289マイル)
と同距離にあるアジアの拠点と直接繋がる
福岡に立脚すると、国を超えて、地域と地域が直接結びあう多様な世界像、その中で地域が果
たす役割を考えることができます。
都市社会学
国際社会学A
アジア国際共生領域
公共社会学科案内2025
「地理院地図」より作成
公共社会学科案内2025
ゼミ&教員紹介
岡本ゼミでは、国際的な
視点に立ちながら、政治や
文化、歴史に関わる社会学
を学んでいます。ゼミ生が
何をしたいのかを確認しな
がら、学習内容を決めてい
ます。メンバー個々人の個
性や関心を大事にするため、
まずは各自が研究したいテーマを、関連する文献を読んだりしな
がら紹介し、みんなで話し合いながら深掘りしていこうとしてい
ます。私は糸島出身で地域の文化財や屋号について関心があるた
め、
「現在、
屋号は伝承されているのか」
をテーマにディスカッショ
ンをしました。自分の考えや疑問を共有し、ディスカッションを
通してメンバーの考えも知ることで、自分自身の視野を広げるこ
とができています。
岡本先生は、元国連NGO職員で、中国留学やアメリカの大学で
の客員研究員など海外経験を豊富に積んでこられました。その経
験をもとに、多角的な視点から実例や発展の内容など、ゼミ生一
人一人に合わせた丁寧なアドバイスをしてくださいます。また、
学生の興味に合わせた知識を深めるために学術書や参考資料など
も紹介してくださいます。
国際社会から地域社会に跨る多様性を
テーマに考える学生が多く集まる岡本ゼミで自分の考えを深めて
みませんか。
公共社会学研究I
(岡本ゼミ)
中田 青来
(福岡県)
佐野ゼミでは、国際社会学を
中心とした社会学の枠組みか
ら、グローバル化の問題点につ
いて研究しています。
3年次前期では、ファスト・
ファッションに関する映画を視
聴してから、
『ファッションで
社会学する』
という文献を講読しました。ゼミ生が1章を担当し、
レジュメの作成、担当章の司会・進行を行い、皆で理解を深めて
います。
本書から、ファッション界で起きていることがグローバルな社
会問題と関係していることがわかり、世界の問題に対し興味関心
が深まりました。また、1回の演習で1章について皆で議論をす
るので、本文の理解が深まるだけでなく、ゼミ生の意見を聞くこ
とができ、自分の視野を広げることができました。さらに、議論
の中で自分の意見を言う場面があるので、自分の考えを他者に分
かりやすく伝える訓練になりました。現代社会には多種多様な考
え方が溢れているため、わかりやすく説明する力を兼ね備えてい
ることは非常に重要なことだと思います。
佐野先生は、議論の中で質問を投げかけて下さったり、行き詰
まったときや、もう少し深く掘り下げるべき点について的確なア
ドバイスを下さったりと、私たちに対して真摯に向き合って下さ
います。グローバルな社会現象に興味がある方は勿論、自分の言
語化力・思考力を高めたい方、1人では不安だから手厚いサポート
がほしい方は、是非佐野ゼミを選択してください!
公共社会学研究I (佐野ゼミ)
外山 小真智
(鹿児島県)
【専門】
政治社会学・国際学・民族学
【略歴&研究内容】
一橋大学大学院社会学研究科博士課
程修了
(博士
(社会学))。国際学修士(横浜市立大学国際文化研究科)。 学部生時代から日本と欧米のマイノ
リティ、移民政策を比較研究。大学卒
業後、中国
(北京師範学院、中央民族大学)に1年半留学し、少数民族二言語教
育の調査研究を行う。帰国後、国連
NGOに就職し、国連を中心とした人権
活動に従事。大学院進学を経て本学着任。サンフランシスコ州
立大学民族学部
(College of Ethnic Studies)
に客員研究者として
1年在籍。近年は日本型Nation Building & Ethnic Studiesとして
の出雲学の構築を探究。明治学院大学国際平和研究所
(PRIME)
研究員。
研究テーマは民族研究、
多文化政策、
国連人権活動など。
【主な業績】
『マイノリティ・ライツ―国際規準と日本の課題』
現代人文社
(共著、2024年)、『越境する出雲学―浮かび上がる
もうひとつの日本』
筑摩選書
(2022年)、『千家尊福と出雲信仰』
ちくま新書
(2019年)、『出雲を原郷とする人たち』
藤原書店
(2016年)、『民族の創出』
岩波書店
(2014年)、『中国の少数民族
教育と言語政策』
社会評論社
(2008年)、『日本の民族差別』
明石
書店
(監修・編著、2005年)
など
【担当科目】
政治学、国際政治学、多文化社会論、東アジア関係
史など
岡本 雅享
Masataka Okamoto
【専門】
社会学・開発援助と社会学・
ネパール地域研究
【略歴&研究内容】
立教大学大学院社会学研究科社会学
専攻博士課程修了
(博士
(社会学))。立
教大学社会学部助教を経て2012年10月
に本学着任。
博士前期課程在籍中に立教大学派遣
交換留学生としてネパール国立パドマ・
カンニャ・キャンパス・ウイメンズ・
スタディ・コースに在籍。
現在は、
「ネパールの男児選好」
という研究テーマで女児の
選択的中絶や育児放棄の要因を解明することに取り組んでい
ます。
【主な業績】
『国際社会学』
有斐閣
(分担執筆、2023年)、『戦後日
本の開発経験』
明石書店
(分担執筆、2023年)、『2023年アジア動
向年報』
IDE‐JETROアジア経済研究所
(分担執筆、2023年)、『変容
するアジアの家族‐シンガポール、台湾、ネパール、スリランカ
の現場から‐』
明石書店
(共編著、2022年)、『グローバル現代社会
論』
文眞堂
(分担執筆、2018年)、『公正な社会とは―教育、ジェ
ンダー、エスニシティの
視点から』
人文書院
(分担
執筆、2012年)
など。
【担当科目】
国際社会学A・B、
国際協力論、NPO論、
社会調査実習I・IIなど
佐野 麻由子
Mayuko Sano6●くろまる 実社会で役立つ実践的な経験から学ぶ ●くろまる 国際比較の視点から社会について学ぶ
※(注記) ( )内の都道府県名は出身高校の所在地を示しています。 ゼミ&教員紹介7公共社会学科案内2025
坂無ゼミでは、現在
『ジェ
ンダーについて大学生が真
剣に考えてみた‒‒あなたが
あなたらしくいられるため
の29問』
(佐藤文香監修)という本を読んでいます。
ジェ
ンダーについて一から学ぶ
ことができ、卒業論文や個
人の研究に役立てることができます。
章ごとに担当を決めてレジュ
メ作成と発表を行い、議論を行っています。少人数なので自分の
意見を伝えやすい雰囲気です。また、文献を読んだだけでは理解
できていない点を確認したり、別の意見を聞くことができ、新し
い知識を得られる場となっています。
坂無先生の専門はジェンダーや社会統計学なので、ゼミではそ
の分野について深く知ることができます。私はジェンダーに関す
る内容を研究テーマにしたいと考えていますが、
具体的には決まっ
ていないため、ゼミで得た知識や考えを参考にして今後のテーマ
を考えていきたいと思います。ジェンダーや社会統計学だけでな
く、ほかの分野に興味がある方も議論を通じて様々な意見を聞く
ことができるので、ぜひ坂無ゼミで一緒に学んでいきましょう。
公共社会学研究I
(坂無ゼミ)
山本 紗寧
(大分県)
陸ゼミでは、多文化共生や
技能実習生、都市や地域研究
など幅広い研究テーマから、
社会現状や仕組みについて深
く学びます。
3年生では、文献を用いて
輪読を行いました。各章をま
とめる担当者を決め、担当者
はレジュメを作成し発表を行います。この発表に対して陸先生、
ゼミ生は意見を出し合います。4年生では、1人1コマ時間が設け
られ、
発表者はレジュメ・パワーポイントを作成し、
自分の研究テー
マについて調べたことを発表します。発表の際に、ゼミ生は発表
の内容に対して質疑や意見を交換します。この意見交流を行うこ
とで、発表内容の深堀や視野を広げることができます。発言しや
すい雰囲気で受講することができ、自分の意見を表現する力を身
につけることができるのが陸ゼミの強みです。
また、陸先生はゼミ生一人一人の意見を聞き、出された意見に
フィードバックを丁寧に行ってくださいます。そのため、自分の
意見が述べやすく、全体の雰囲気が和んでいるのも陸ゼミの魅力
の一つです。
移民問題や都市問題に興味がある方はもちろん、国際関係に興
味がある方も是非陸ゼミで一緒に学びましょう!
公共社会学研究I (陸ゼミ)
五島 若菜
(福井県)
【専門】
都市社会学・エスニシティ研究・
中国の地域研究・中国語教育法研究
【略歴&研究内容】
一橋大学社会学研究科博士課程修了
(博士
(社会学))。農林水産省農業総合
研究所
(現農林水産政策研究所)
特別研
究員、
(中国)
華東理工大学社会与公共
管理学院准教授を経て2019年4月から
本学に着任。
これまでグローバル化のなかの都市
コミュニティに焦点をあてた研究を進
めてきた。現在は主に日本における華僑・華人の起業とコミュ
ニティ、中国の
「農民工」
の国内移動と都市コミュニティ問題、
日中コミュニティの比較に関する調査研究に取り組んでいる。
【主な業績】
『外国人・寮付き派遣労働者の地域生活を支える社
会的インフラ: コミュニティハブ概念の構築』
大阪市立大学都市
研究プラザ(編著、2022年)、『世界に学ぶ地域自治』
学芸出版社
(分担執筆、2021年)、『さまよえる大都市・大阪 ―
「都心回帰」
とコミュニティ』
東信堂
(分担執筆、2019年)、『中国の
「村」
を問
い直す』
明石書店
(分担執筆、
2019年)
など。
【担当科目】
都市社会学、中国
の社会と文化、中国語など
陸 麗君
Lu Lijun
【専門】
社会学・ジェンダー研究・社会
調査法
【略歴&研究内容】
北海道大学大学院文学研究科博士後
期課程単位取得満期退学。山形大学男
女共同参画推進室、立教大学コミュニ
ティ福祉学部助教を経て、2017年4月
に本学着任。
私の専門は社会学とジェンダー研究
です。主に社会調査でデータを集め分
析することで、社会学的に何が明らか
になり、また、どのようにジェンダー平等を達成できるかを
研究しています。そのスキルの一つである統計分析は、無味
乾燥で苦手意識のある方もいらっしゃるかもしれません。し
かし、そのデータの背後には回答してくれた人の生活があり
ます。データをとる、仮説を検証する、新しい発見が生まれる、
データをもとに他の人と議論することは楽しく、また今後、
色々な場面で役立つはずです。皆さんと一緒に勉強できるの
を楽しみにしています。
【主な業績】
『社会はこうやって変える!――コミュニティ・オー
ガ ナ イ ジ ン グ 入 門』
(分 担 翻 訳,Matthew Bolton, How to
Resist: Turn Protest to Power,法律文化社,2020年).「大学教
員 の 研 究 業 績 に 対 す る 性 別 の 影 響」
『社 会 学 評 論』
65(4):
592‐610, 2015年ほか
【担当科目】
統計学、
データ分析の基礎、
社会統計学I・II、
ジェ
ンダー論、社会調査実習I・IIなど
坂無 淳
Jun Sakanashi
●くろまる ジェンダーについて学び、議論し、考察の質を高める ●くろまる 都市問題と移民問題、日中関係などについて考える
【専門】
教育学・教育制度学・教育政策学
【略歴&研究内容】
筑波大学大学院博士課程教育学研究
科。2000年より本学に勤務。教職課程
のうち基礎的な事項にかかわる講義を
中心に担当。研究分野は、教育の管理
運営にかかわる歴史分析です。とくに
小学校を中心とした教員の組織、団体、
制度・政策に関する研究に取り組んで
います。教師という職業の本質とはな
にか、それは歴史的にどのようにあっ
たのか、
また、
理念としてどのようにあるべきかを考えています。
【主な業績】
(共著)
教育制度研究会編
『要説 教育制度』
新訂第三
版、学術図書出版社、2011年、
(単著)
『近代沖縄教育史の視角
―問題史的再構成の試み』
社会評論社、2000年、
(編著)
『沖縄の
教師像―数量・組織・個体の近代史』
榕樹書林、2014年、
『移行
する沖縄の教員世界―戦時体制から米軍占領下へ』
不二出版、
2016年。
【担当科目】
教育学概論B、教師論、教職実践演習、教育実習事前
事後指導など
藤澤 健一
Kenichi Fujisawa
公共社会学科案内2025
ゼミ&教員紹介
堤ゼミでは、現代社会へ
の問題意識を大切に、社会
問題を論理的に捉えられる
ようになることを目指しま
す。
堤先生はホームレスの
人々に関する調査と研究を
専門とされていますが、私
たち学生は、それぞれが関
心のある分野について研究を進めていくことができます。テーマ
の自由度も高いですし、
「事実と意見をきちんと分けて書いている
か」
「主張が伝わりやすい展開になっているか」といった、社会学
研究にとって大切な形式も、同時に学んでいきます。
3 年前期では、全員で同じ書籍を読み、その内容と考察を発表
する「輪読」をおこないます。文献を正確に理解する力が養われ
ました。それを活かし、
3年後期からは、
それぞれが興味のあるテー
マを掘り下げ、研究報告を進めていきます。文献を読み込んだり、
インタビュー調査をしたりして、一所懸命作った発表資料が評価
されたときは、達成感もひとしおです。
私は現在、日本と中国を境界的に生きている老華僑 2 世 3 世の
生活史、というテーマで卒業研究を進めています。自分の好きな
分野を、しっかりとした社会学研究の形にできるところが、堤ゼ
ミの特長だと思います。
関心のある事柄も目指す進路も、各々で異なる堤ゼミですが、
一緒に成長できること間違いありません。
卒業論文指導
(堤ゼミ)
藤田 耕太朗
(福岡県)
藤 澤 ゼ ミ で は 社 会 学 を
ベースに幅広い分野でテー
マを設定して研究を進めて
います。普段の活動では、
担当者が研究の進捗を報告
したのち他のゼミ生が意見
や疑問点を挙げる形式を
採っています。このことか
ら、自分では気づけなかっ
た視点や改善点などが見つかり、日々多くの学びを得ることがで
きています。本ゼミでは、適切な言葉の使用など、論文に限らず
文章を書く上で見落としがちな細かなポイントまで丁寧に見てく
ださるため、将来社会人として必要なスキルを修得できます。
私は現在、
「日本酒」
をテーマに卒業論文を作成していますが、
これまで漠然としていた自分の問題関心を社会学と関連させて再
認識することができるようになってきました。自分の関心のある
テーマについて友人と意見を交わしながら
学びを深めていきたい方はぜひ本ゼミをご
検討してみて下さい。
卒業論文指導
(藤澤ゼミ)
中島 一了
(福岡県)
【専門】
社会問題と逸脱の社会学・
都市社会学
【略歴&研究内容】
大阪市立大学大学院文学研究科後期
博士課程単位取得退学。博士
(文学)。2010年より本学に勤務。これまでホー
ムレス問題に関する研究、生活困窮者
支援モデルに関する研究などを行って
きました。現在は、生活困窮者自立支
援制度に基づく
「排除と差別」
に抗する
地域社会づくり、福岡市や北九州市に
おけるコミュニティ状況把握、農村部における持続可能な地域
生活文化圏のありかたについて調査研究を進めています。
【主な業績】
「小規模非合併農協による地域生活文化圏の形成と
課題̶̶主に下郷農業協同組合の歴史と実践に基づいて」
『地方
社会の危機に抗する
〈地域生活文化圏〉
の形成と展開』
東信堂(分担 執 筆、2024年)
、"Process of Social Acceptance of Facilities for
the Poor," ʻSocial Theory and Dynamicsʼ 5:70‐86
(単 著、2024年)、ʻThe Bottom Worker in East Asia: Composition and Transformation
Under Neoliberal Globalization,ʼ Brill, Netherlands
(分担執筆、2023年)、
『生活困窮者への伴走型支援̶̶経済的困窮と社会的孤立
に対応するトータルサポート』
明石書店
(共著、2014年)、「多重
債務経験者等の生活問題に関する調査研究̶̶福岡県立大学人
間社会学部公共社会学科の社会調査実習」
『社会と調査』
12:85‐89
(単著、2014年)
など。
【担当科目】
社会学A・B、社会病理学、社会変動と社会問題、社
会調査実習I・IIなど
堤 圭史郎
Keishiro T
sutsumi8●くろまる 都市問題、社会問題へのアプローチの仕方を学ぶ ●くろまる 自らの問題関心を社会学を通して学ぶ
【専門】
統計科学、数理物理・物性基
礎論
【略歴&研究内容】
九州大学大学院理学研究科博士課程
修了
(博士
(理学))。
自然や社会の現象を数理的に理解す
るためのモデル構築とその解析や新し
いデータ解析法の開発などを行ってい
ます。最近は非定常時系列に対するパ
ターン・エントロピー時系列による解
析と応用に取り組んでいます。
抽象的な数理モデルの計算が多く、
何を目的にして研究をしているのかわかりづらいと思います
が、対象とする現象の背景にある規則性・法則性の発見を目指
しています。
講義・演習を通して、数学、情報処理、統計科学の面白さを
伝えていきたいと考えています。
【主な業績】
1.Ryuji Ishizaki, Masayoshi Inoue, "Short‐term Kullback‒Leibler
divergence analysis to extract unstable periods in financial time
series", Evolutionary and Institutional Economics Review, Article
Published: 11 June 2024.
2.Ryuji Ishizaki, Masayoshi Inoue, "Time‐series analysis of
multiple foreign exchange rates using time‐dependent pattern
entropy", Physica A,Vol.490, No.15 pp. 967‐974, 2018.
3.駒澤勉・橋口捷久・石崎龍二
『新版 パソコン数量化分析』,朝倉書店,1998年.
【担当科目】
情報科学、情報数学、プログラミング概論、
データ処理とデータ解析 I・
IIなど
石崎龍二
Ryuji Ishizaki9ゼミ&教員紹介
公共社会学科案内2025
石崎ゼミでは自分が興味
のある分野を中心に学びを
深めています。私は
「観光」
の分野の研究を行っている
のですが、他のゼミ生は
「福
祉」
「教育」
「スポーツ」
など
様々な分野で研究を進めて
います。
ゼミでは、それぞれが調
べたことを小レポートにまとめ、発表をしながらお互いに質問や意
見を言い合ったり、石崎先生からアドバイスや疑問に感じたことを
言っていただけるので、次のレポートへの課題が見つかったり、新
たな視点などを見つけることができます。また、他のゼミ生の発表
を聞く中で、自分の研究分野以外のことも知ることが出来るので、
新しい知識や見解を広く学ぶことができます。
石崎先生は、講義において数学、情報処理、統計科学などを専門
にされていますが、ゼミでは、そのような分野だけでなく幅広い分
野について研究することが出来るので、自分が気になる分野がある
人や、様々な分野を理解したい人などに合っていると思います。
このように石崎ゼミでは自分の興味のある分野を中心に研究をし
ながら、他の人の研究分野についても知ることができるので、自分
の知識が増えていくのが実感できると考えます。ぜひ石崎ゼミで学
びを深めていきましょう。
公共社会学研究I
(石崎ゼミ) 出口 結依子
(岡山県)
黒川ゼミでは、家族社会
学の視点から、家族関係や
結婚、女性のキャリア形成
などについて考え、ゼミ内
の議論を通して学びを深め
ています。家族社会学の多
様なテーマの中から、自分
たちの関心があるものを中
心に議論を進めていきます。
3年次は、ゼミ内で共通の文献を読み込み、意見交換を行いました。
新たな知見を得られることはもちろん、ざっくりとした自分の興味関
心をより具体的にすることができます。
4年次のゼミでは、自らの興味関心をもとにテーマを設定し、本格
的に卒業論文に取り組んでいきます。結婚観や家族関係、性的マイノ
リティなどゼミ内のテーマは様々ですが、進捗報告をする際に、全員
で考えて新たな視点を取り入れることで、より論文を深めることがで
きます。また、分からないことを分からないと言えることも黒川ゼミ
の魅力だと感じています。
研究を進めるうえで、
考えがまとまらなかっ
たり、どうしたらいいか分からなくても、黒川先生が一人一人に向き
合って丁寧にアドバイスをくださるので、自分の考えや方向性を整理
しながら研究を進めることができます。
家族社会学に関して漠然と興味をもっている方でも、ゼミを通して、
しっかりと興味関心を見つけることができると思うので、ぜひ黒川ゼ
ミで学んでいきましょう。
卒業論文指導
(黒川ゼミ)
甲斐 遥
(大分県)
【専門】
家族社会学、計量社会学、
労働社会学
【略歴&研究内容】
お茶の水女子大学大学院人間文化創
成科学研究科博士後期課程修了
(博士
(社会科学))。東京大学社会科学研究所
特任助教を経て、2022年4月より本学に
着任。
女性が家族役割を担いながら、どの
ように職業キャリアを形成していくの
かを研究しています。結婚、出産、就業など、人生におけるさ
まざまな出来事によって生じる地位や役割の移行に焦点をあて
たライフコース研究です。夫婦の職業経歴と家族行動はどのよ
うに関連しているのか、個人の就業経歴が現在の就業行動にど
のような影響を及ぼすのかについて、計量的手法を用いた分析
を行っています。
マクロな社会変動とミクロな個人生活史とを関連づける社会
学的な視点を重視しながら、現代社会の家族と労働について考
えています。
【主な業績】
『検証・コロナ期日本の働き方―意識・行動変化と
雇用政策の課題』
慶應義塾大学出版会
(分担執筆、2023年)、「職
場や働き方をめぐる個別労働紛争の男女比較分析」
『超高齢社会
における紛争経験と司法政策』
(2021年)
など
【担当科目】
家族社会学A・B、
公共性の社会学、
福祉社会学、
社会調査実習I・II、社会学の分析法Bなど
黒川 すみれ
Sumire Kurokawa
●くろまる 興味のある分野の課題解決について学ぶ ●くろまる 家族社会学について学ぶ
【専門】
地域社会学・環境社会学・
農村社会学
【略歴&研究内容】
早稲田大学人間科学研究科修士課程を
修了
(修士
(人間科学))。熊本大学大学院
社会文化科学教育部博士後期課程単位取
得退学。下関市立大学経済学部特任教員
(地域貢献担当)
等を経て、2021年に本学
着任。
農山村地域へのフィールドワークを中
心に、地域住民の方々にお話を聞きなが
ら研究を進めています。主な研究テーマ
は以下の2つです。1つは、再生可能エネルギーとしての小
水力発電です。農山村にある小水力発電について、地域での
位置や役割を分析し、持続可能な地域づくりの方法を探求し
ています。もう1つは、過疎農山村の地域課題です。特に農
業に関する課題
(耕作放棄地、獣害、担い手問題など)
に焦点
をあてて分析し、これからの日本の農山村のあり方について
考えています。
【主な業績】
『生活環境主義のコミュニティ分析―環境社会学の
アプローチ』
ミネルヴァ書房
(分担執筆、2018年)、「生産基盤
縮小にみる集落の自律的再編―広島県庄原市の中山間地域に
おける稲作の縮小を事例として」
『熊本大学社会文化研究』17(2019年)
など
【担当科目】
地域社会学、環境と災害の社会学、社会調査の設計、社会調
査実習I・II、地域社会分析法Aなど
公共社会学科案内2025
ゼミ&教員紹介
福本ゼミでは、先生が専
門とする地域社会学、環境社
会学、農村社会学に関連した
文献を読み、担当者がレジュ
メを作成し、皆で自身の体験
などを通した意見交換をして
います。レジュメには、要約、
意見や考えたことだけでな
く、みんなに質問したいこと
も書くため、意見交換の幅が広がり、楽しく議論できます。また、
意見交換をすることで、自分だけでは気づけなかった新たな発見
があります。前期は、観光と環境に関する文献を読み、農村地域
に目を向けています。私は観光について興味があるため、ゼミで
の学習が大変役立っています。後期にはゼミ合宿も予定されてお
り、フィールドワーク、聞き取り調査を行うため、実際に自分た
ちで調査するという貴重な体験ができます。
福本ゼミは、穏やかな雰囲気で話し合えることが魅力だと思い
ます。また、学生の意見を先生が専門的な観点からも深掘りして
くださるため、学生の理解度がより深まります。地域社会につい
て学べるのはもちろんのこと、様々な学びを通して、自分を成長
させることができます。みなさんもぜひ、福本ゼミでの学びを通
して、自分を成長させましょう!
公共社会学研究I
(福本ゼミ)
●くろまる 地域社会学や環境社会学、農村社会学等を学ぶ
福岡県立大学人間社会学部公共社会学科では三種類の教員免許
状を取得することができます。中学校教諭一種免許状(社会)、高
等学校教諭一種免許状(公民)、高等学校教諭一種免許状(情
報)です。
公共社会学科では、
新たな公共性、
地域社会、
国際共生の視点か
ら、
コミュニケーション能力や社会調査の分析力、
問題解決への企
画・提案力、
さらにICTのスキルを身に付けます。こうした資質は、
同時
に現在の学校教育において、
教員として必要な資質にも応用可能で
す。
教職課程では教育学や心理学、
さらに各教科にかかわる専門的事
項などを学ぶことで、
教員とし
ての教育実践力の修得を目指
します。
公共社会学科における学び
を活かし、
自己の成長につなげ
るとともに、
教職課程を通じ、
教員としての自覚と使命感、資質を体得して
ください。
教職課程・教育実習
福本 純子
Junko Fukumoto
●くろまる 高等学校一種免許状(情報)2022年4月開始
●くろまる 高等学校一種免許状(公民)
●くろまる 中学校一種免許状(社会)
2022年度(令和4年度)よ
り、高校「情報」の教員免許状
が取得できるようになりまし
た。
公共社会学科の専門教育科目
は、「基幹科目」「現代社会課
題」「地域社会ネットワーク」
「アジア国際共生」「社会調査・情報処理」「関連科目」から構成
されています。
高校情報の教職課程は、学科の学位プログラム(学士(社会
学))の体系性に配慮し、「社会調査・情報処理」科目群の専門性
をベースに教育課程を編成、認可されました。
高等学校の教科「情報」では、令和4年度入学者から「情報I」が
必修となっており、情報社会の問題の発見・解決に向けて、情報と
情報技術を適切かつ効果的に活用する力を育むことが教育目標と
なっています。本学の情報の教職課程では、こうした力をさらに伸
ばすために、「データ分析の基礎」「プログラミング概論」「マル
チメディア論」「地理情報システム論」「情報ネットワーク演習」
「データベース論」「情報ネットワーク論」等の豊富な科目群を開
設しています。
また、高等学校の選択科目の教科「情報II」では、「情報I」を学
んだ上で、情報や情報技術を創造的に活用する力を育むことが教
育目標となっています。本学の情報の教職課程では、こうした力を
さらに伸ばすために、「社会統計学I・II」「データ処理とデータ
解析I・II」等のコンピュータ・情報処理の科目群を豊富に開設して
います。
高等学校教諭一種免許状
(情報)
が 2022 年度
(令和 4 年度)
より取得可能になりました!
取得可能な教育職員免許状
さらに、本学では、どの学部の学生も学べる全学横断型の教育
プログラムとして、統計・情報の知識を保健福祉分野での課題解
決に活用できる力を養成するデータサイエンス・プログラムが開
設されています。「データベース論」「情報ネットワーク論」
「Webデザイン演習」「プログラミング演習」「情報検索システ
ム論」「個人情報法制」等のデータサイエンス・プログラムの科
目は、学科の専門教育の「関連科目」群に配置され、高等学校の
情報科を教授するのに必要な内容をより深く学べるように編成さ
れています。
10 11教職課程・教育実習公共社会学科案内2025
教職課程では、少人数制で
充実したサポートのもと、教
育分野の基礎や授業を実践す
る上で必要な知識、技能を学
ぶことができます。1・2年次
では教育学の基礎を学び、3年
次では実際に50分間の模擬授
業を行いました。準備段階で
の学習指導案作成や、他者との意見交換による振り返りから、自分
では気付けなかった良さや改善点を発見することができました。ま
た、社会福祉施設や特別支援学校での介護等体験を通して、講義
ではできない貴重な経験をしました。
3年次の学校インターンシップでは学校の教育活動に参与し、現
職の先生方による、授業や生徒との関わり方に接して、実践的な学
びを重ねました。私自身も、生徒から頼られ、生徒が自立していく
様子を近くで見守る体験ができ、教員のやりがいや楽しさに気づき
ました。4年次には教育実習を行いました。社会科地理的分野「日
本の諸地域」の授業を担当しました。生徒の目線に立ったわかりや
すい説明の仕方をはじめ、大切なことを学びました。そして、休み
時間や放課後は、生徒と話したり部活動に参加しました。その結
果、生徒と多くの時間を共にして信頼関係が生まれることで、生徒
が自分の声に耳を傾けてくれることにつながるのだと感じました。
実習後に頂いた寄せ書きには、「先生の授業は分かりやすくて楽し
かったです!」というコメントや「先生のおかげで、社会が好きに
なりました!」というコメントがありました。1年次からの積み重
ねが実を結んだ教育実習を終えて、教員となる意志がさらに強くな
りました。
公共社会学科4年 村橋 要 (福岡県)
●くろまる 教職課程で実践的な学びを重ねました
現代社会の情報化が進む中で、情報や情報技術の役割とその影響を理解
することがますます重要になっています。また、情報に対する倫理や責任
を考え、より良い情報社会を築くために積極的に参加する姿勢も求められ
ています。
本学科では、高校の情報教員免許状が取得できるようになっており、情
報に関する豊富な科目群が揃っています。さらに、情報関連資格を取得す
るための支援プログラムも充実しています。また、全学部の学生が履修で
きるデータサイエンス・プログラムにより、統計学や情報学を学び、社会
の諸課題に対応する能力を高めることができます。データサイエンス・プ
ログラムの科目は、情報教員免許状の取得に必要な教科の科目の多くをカ
バーしており、効率的に履修が進められるようになっています。
近年、高校では
「情報I」
の必修化に伴い、高校情報教員免許状取得者への
需要が高まっています。そのため、この資格は特に推奨されます。本学科
では、中学社会、高校公民など複数の一種免許状を取得できることも大き
な特色です。複数の免許状を取得することで、様々な教科を担当でき、教
科横断的な視点で指導計画を組み立てる力を身につけることができます。
これにより、教員としての総合的な指導力が向上します。
さらに、本学科の社会学を中心と
した幅広い領域にわたる関連科目を
学ぶことで、情報化社会に対応でき
る能力を身につけることができます。
本学公共社会学科で情報教員免許
や関連資格を取得し、情報化社会で
活躍する力を身につけませんか。皆
さんのご入学をお待ちしております。
2022年度(令和4年度)よ
り、高校「情報」の教員免許状
が取得できるようになりまし
た。
公共社会学科の専門教育科目
は、「基幹科目」「現代社会課
題」「地域社会ネットワーク」
「アジア国際共生」「社会調査・情報処理」「関連科目」から構成
されています。
高校情報の教職課程は、学科の学位プログラム(学士(社会
学))の体系性に配慮し、「社会調査・情報処理」科目群の専門性
をベースに教育課程を編成、認可されました。
高等学校の教科「情報」では、令和4年度入学者から「情報I」が
必修となっており、情報社会の問題の発見・解決に向けて、情報と
情報技術を適切かつ効果的に活用する力を育むことが教育目標と
なっています。本学の情報の教職課程では、こうした力をさらに伸
ばすために、「データ分析の基礎」「プログラミング概論」「マル
チメディア論」「地理情報システム論」「情報ネットワーク演習」
「データベース論」「情報ネットワーク論」等の豊富な科目群を開
設しています。
また、高等学校の選択科目の教科「情報II」では、「情報I」を学
んだ上で、情報や情報技術を創造的に活用する力を育むことが教
育目標となっています。本学の情報の教職課程では、こうした力を
さらに伸ばすために、「社会統計学I・II」「データ処理とデータ
解析I・II」等のコンピュータ・情報処理の科目群を豊富に開設して
います。
さらに、本学では、どの学部の学生も学べる全学横断型の教育
プログラムとして、統計・情報の知識を保健福祉分野での課題解
決に活用できる力を養成するデータサイエンス・プログラムが開
設されています。「データベース論」「情報ネットワーク論」
「Webデザイン演習」「プログラミング演習」「情報検索システ
ム論」「個人情報法制」等のデータサイエンス・プログラムの科
目は、学科の専門教育の「関連科目」群に配置され、高等学校の
情報科を教授するのに必要な内容をより深く学べるように編成さ
れています。
●くろまる 高校情報免許の知識は高度情報化社会を生きる重要な力に
1年次では不正アクセスなど
のサイバー犯罪に対する情報
セキュリティについて学習しま
す。また、実際にコンピュータ
を用いたデータ分析の方法に
ついても学習します。当初は
情報機器を利用することに対
して、強い苦手意識を感じて
いました。しかし、担当の先生方による丁寧なご指導や他の受講生か
らのサポートを受けていく中で、情報機器の利用に対する苦手意識
は徐々になくなり、自身の成長を実感することができています。質問
に対応する時間も十分に設けられており、自分のペースに合わせて
学習を進めることができます。2年次ではネットワークシステムの構
成や周辺技術について学習します。また、プログラミングの基本的な
概念や技法についても学習します。1・2年次の延長線上として、3年
次では個人情報の保護や利用について法制度と絡めての学習をしま
す。また教員免許取得に関して実際の情報科という科目としての教
育方法も学習できます。本学科の特色を活かして社会学・心理学・教
育学等の幅広い分野に必要な統計解析についても学習します。
教職課程では、2022年度より高等学校教諭一種免許状(情報)を
取得することができるようになりました。教員免許状の取得を目指
すことで、同時に上級情報処理士資格に関する知識も身につけるこ
とができます。情報機器に関する知識を身に付けることは教職にと
どまらず、これから先更に高度化されていく情報化社会を生きてい
く上で非常に重要です。福岡県立大学で学んだ知識を将来に活かし
ていきたいと思います。
公共社会学科4年 南谷 幸佑 (岐阜県)
●くろまる 情報・公民・社会等、教科横断的に指導力が向上します12公共社会学科案内2025
社会調査実習は、10人程度
のグループに分かれてそれぞれ
テーマを設定し、インタビュー
や質問紙調査の企画から実施、
得られたデータの分析、報告書
の作成に至るまでを学生が主体
となって行う実習の授業です。
今年度は、「田川市後藤寺エ
リアのまちづくりに関する調
査」、「福岡県内の自治体にお
ける男女共同参画の状況に関する調査」、「福岡県内の自治体
における外国籍住民と多文化施策に関する調査」の3つのグ
ループで調査を進めています。
「田川市後藤寺エリアのまちづくりに関する調査」をテーマ
とする私たちの実習グループでは、田川後藤寺駅周辺の交通結
節機能の強化を主な目的とした「後藤寺駅前整備基本構想」を
とりあげ、後藤寺エリアのまちづくり過程について調査を行っ
ています。この構想では、駅前広場の拡大やバスロータリーの
整備が検討されており、駅前の商店街や地域住民の方々ととも
に、田川市がどのようにまちづくりを進めるのかに着目して、
分析を行います。
これまでの実習では、実際に田川後藤寺駅周辺のフィールド
ワークを行ったり、後藤寺駅前整備に関するアンケート調査の
結果を分析して、後藤寺駅周辺の現状や課題を把握してきまし
た。また、駅前という公共空間のデザインに関連する文献資料
を分析して、グループ内で互いに分析結果を発表し合い、駅ま
ち空間の定義や駅まちデザインの進め方などを詳しく学習しま
した。今後はこれらをもとに、行政、地域計画専門家、地域住
民の方々へのヒアリング調査や、駅前整備構想のコンセプト検
討部会への参加、社会実験への参加などを行い、年度末までに
これらの調査の結果を分析し、報告書にまとめる予定です。
専門科目の授業で調査の方法について学んできましたが、実
際に自分たちで調査を企画していく難しさを実感しています。
慣れないことも多く大変だと感じることもありますが、学んだ
ことを早いうちから実践できる福岡県立大学ならではのいい機
会だと思っています。この社会調査実習で得た知見や能力は、
これからの学びにも深く繋がり、個人研究にも生かされていく
と思います。今後の調査結果が田川後藤寺駅前整備基本構想に
生かしてもらえるように、最後まで責任を持ってやり遂げたい
と思います。
社会調査実習(黒川クラス)
坂梨 心(福岡県)
西村 百桃(福岡県)
田川市後藤寺エリアのまちづくりに関する調査
社会調査実習 国際交流プログラム・交換留学
田川市都市計画ついてヒアリング
「初めて」に溢れ、学びの多い1年!
私は、韓国の三育大学校に約1
年間交換留学をしました。私の年
には福岡県立大学から三育大学校
に交換留学をした学生が私1人
だったため、友人や知人がほとん
どいない状態であり、最初は不安
や心配な気持ちもありました。し
かし、同日に留学した日本人の友
人や最初のルームメイトである台
湾の友人などたくさんの人に助け
られ、無事に1年間の留学を終え
ることができました。
初めての韓国、初めての寮での共同生
活、などなど言葉の壁を感じることも
多々あり、大変なことも多くありました
が、留学ならではの様々な経験をし、と
ても学びの多い1年になったと思いま
す。留学を通して学んだことや出会えた
多くの人との縁をこれからも大事にして
いきたいと思います。
公共社会学科4年 徳山 和花(福岡県)
私は、夏休みにイギリスで行われる
海外語学実習に参加しました。本実
習の一番の魅力は、現地の人とのコ
ミュニケーションやホームステイを通
じて、教科書だけでは学べない生き
た英語を肌で感じることができるとこ
ろです。ホームステイ先ではイギリス
の生活習慣や文化を体験することがで
き毎日がとても新鮮でした。また、現
地の先生による英語の授業を受けるこ
とができます。文法の基礎的なことか
らネイティブ目線での単語の使い分け
方やニュアンスの違いといった細かい
部分まで学べるため、理解度が深ま
るとともに表現の幅が広がったように感じます。
私自身海外経験がなかったため、語学面を含め不安なことも多
くありました。しかし、実習の前には事前指導があり、実習中も経
験豊富な教授が引率されるため、とても充実した2週間を過ごすこ
とができました。英語を話すことに自信がなかった私でしたが、失
敗を恐れず英語を使うことを心掛けたことで、挑戦する力が身につ
きました。この経験を踏まえて、これから積極的に新たなことに挑
戦していきたいと思います。
公共社会学科3年糸賀 美咲
(島根県)
海外語学実習(UKプログラム)に参加して
(大阪市いくのパーク) (田川市後藤寺エリア)
フィールドワーク社会調査実習 国際交流プログラム・交換留学 キャリア支援プログラム13
公共社会学科案内2025
交換留学協定校
公共社会学科では専門教育と連動したキャリア支援プログラムを設けています。本学科で
学んだ公共性や地域社会・国際共生に関する専門的な知識、
リサーチや分析能力を、
各自のキャ
リア形成を展望しながら応用し、活用するためのプログラムです。
学生はそれぞれの進路希望に応じて自由にプログラムを選択できます。
なお、大学内のキャリアサポートセンターと連携し、組織的に就職情報の収集を行い、企
業インターンシップの促進など学生のキャリア支援を強化します。
キャリア支援プログラム
南京師範大学(江蘇省南京市)
大邱韓醫大学校(大邱市)
三育大学校(ソウル市)
珠海科技学院(広東省珠海市)
威徳大学校(慶州市)
中国
韓国
社会調査とは社会に関する問題関心のもと、実際にデータを集め分析することをさします。
例えばある地域の課題を解決したい場合に、その地域に暮らしている人々にインタビューやア
ンケート調査をすることが考えられます。行政が計画をたてる際にも、このような調査から住
民が本当に必要としているニーズを把握し、その上で課題解決の実現方法を選定する必要があ
ります。社会調査に必要な技術と経験を持つことを示す資格が、
「社会調査士」という資格で
す(一般社団法人社会調査協会の「社会調査士資格取得ガイドサイト」のウェブページもご覧
下さい)
。公共社会学科には、実際に社会調査を行う「社会調査実習」のほか、調査や分析に
関する実践的な授業が多くあり、それらの社会調査士の資格科目は全て学科カリキュラムに含
まれます。また、授業のほかにも、公共社会学科では社会調査の動向に関する情報提供や社会
調査士資格申請の手続きを行っています。
1 社会調査士資格取得支援プログラム
公共社会学科では高等学校教諭一種免許状「公民」
「情報」と中学校教諭一種免許状「社会」
が取得できます。本学科では、現代社会の諸問題の分析と高度福祉社会構築への実践的提案力
を活かして子どもの教育に独自の貢献をすることができます。
カリキュラムとは別に、職業としての教職という側面から関連する情報を提供し、互いに意
欲を高めあって進路選択に活かせるよう支援していきます。次の2項目を目標にします。
(1)教職の現状(学校現場、教職の展望等)について認識を深める。
(2)教員採用試験の現状を知り受験準備のための意欲を高める。
2 教職免許取得支援プログラム
上級情報処理士
本学の所定の単位を修得すれば、上級情報処理士の資格を取得することができます。
上級情報処理士は、全国大学実務教育協会が認定する資格です。次の4点が教育目標と なり
ます。 (1)高度な情報処理技術の応用を身につける。 (2)ビジネスで活用されるソフトウェア技能の応用を身につける。
(3)プレゼンテーション能力の応用を身につける。
(4)オフィスの組織や情報の流れを活用する技能を身につける。
上級情報処理士の資格を取得することは、以上のコンピュータを使いこなせる技術が身につ
いたことの証になります。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) 本学は、隣接するたがわ情報センターと連携し、MOS資格取得講座を開講しています。MOS
はエクセルやワードなどのマイクロソフトオフィス製品の操作スキルを証明できる資格です。
マイクロソフトオフィスは、現在、多くの職場で活用されている代表的なアプリケーションソ
フトです。
この認定資格は、企業での認知度が高いため、就職活動前に取得しておきたい資格です。
3 情報処理関係資格取得支援プログラム14公共社会学科案内2025
キャリア支援プログラム
私は地元島根県の警察事務職員として採用され、現在は警察署の会計
課員として日々業務を行っています。私は幼いころから警察=かっこい
いと憧れがあり、その組織の事務はどんな仕事をしているのだろうかと
思い、今の職を目指しました。警察事務の業務は、職員の給与支給・福
利厚生、物品の購入・管理、落とし物業務など多岐にわたり、警察官と
ともに地域の安全を守る警察行政を担っています。現在私は主に出張等
に伴う旅費の支給や契約関係の業務に従事しています。日々学ぶことが
多いですが、市民の方や職員の役に立っていると実感できることが仕事
をする上での活力となっています。
公共社会学科では、国内外の地域社会の課題について社会学や情報学
など多方面から学び、地域の課題や人について考える基礎が学べたと感
じています。在学中に地域について考えられたことは、地域や市民の安
全・安心を守る警察職員としての仕事につながっていると思います。
警察職員は、人事異動で勤務場所も担当する業務も変わりますが、そ
のたびに町や人との新鮮
な出会いや学びがありま
す。仕事を通して、市民
の方々と直接関わり合い
を持つ中で、大学で学ん
だことを生かしながら、
自分自身を高めることが
できる職業として今後も
仕事を行っていきたいで
す。
公共社会学科では、公共性の社会学やコミュニティ論、地方自治論など、地域社会や地方自
治について学ぶさまざまな専門科目を開設しており、学科の目標や学習内容から、特に地方公
務員はキャリア形成を考える際の選択肢の一つだと言えます。
全学的には、2・3年生を主な対象とした教養試験対策講座が開設されており、本学科の公
務員志望者にもこの講座を受講するように勧めています。
また、
地方自治体の現場でのインター
ンシップを経験する学生も多く見られます。
学科独自のプログラムとしては、公務員志望者向けの履修モデルを提示したり、近隣の自治
体職員の方や官公庁に就職した学科のOB・OGを招いて、業務内容や試験対策について伺うセ
ミナーを実施しています。
学科で開設している科目においても、自治体研究の手法を取り上げるものや、実際にフィールドに出て地域の課題を明らかにする
実習科目などもあり、これらを受講することで二次試験以後の対策にもつながるように指導しています。
「先輩に聞いてみよう」
活躍する卒業生
私は、主に外食産業の食品物流を担う、シモハナ物流株式会社に入社
しました。現在は、将来的に管理職になることを目指し、多くの従業員
さんと商品を店舗ごとに仕分けたり、倉庫から荷物を取り出したりと
いった、現場作業を行っています。物流は普段の生活であまり目立つも
のではないかもしれませんが、
商品を正確に、
迅速に届けることで、
日々
の当たり前を作っている仕事です。
どうすれば仕分けミスを無くせるのか、効率よく作業を進められるの
かなどを、パートさんたちと考え、小さな工夫を行うことで作業時間が
短縮した際には、とてもやりがいを感じます。また、私は食べることが
大好きなので、多くの人の
「いただきます」
を自分が支えていることにも
誇りを持って働いています。
学生時代には、特に船員の人間関係や働き方に興味を持ち、実際に船
に乗って現地の方々にお話を伺うなど、
目で見て肌で感じる学びを大切にしてい
ました。その後、学会で論文を発表する
ことも出来ました。研究を通して物流の
大切さを知り、私もその業界で働きたい
と思うようになりました。大学での経験
が今の私に繋がっています。
今後は、センター内の様々な業務を経
験し、日々考えて仕事をすることで、1
日でも早く信頼される管理者になりたい
と思っています。
島根県警察 山根 希帆
(2022年卒)
物流センターにて
警察署内にて
本学では、全学のキャリアサポートセンターを中心に、進路・就職ガイダンスや業界研究のセミナー、合同説明会へのバス
ツアーなどが開催されており、個別相談や面接対策も実施されています。また、キャリア教育の一環として、授業として位置
づけられる1年次でのインターンシップなども開講されています。公共社会学科では、これらの取組みを補完する形でセミナー
の開催や相談への対応を実施しており、自己分析、履歴書やエントリーシートの作成、業界研究など、就職活動に必要となる
スキルを修得できるように支援を進めています。
ここまでに掲げた教職や情報関連、公務員試験等の4つのプログラムのなかでも、上記のスキルを修得できるように支援し
ていますが、
それに加えて、
民間企業向けの就職活動については、
4年生の内定取得者や卒業生などから体験談等を聞くセミナー
なども開催しています。 シモハナ物流株式会社 尾張一宮営業所 松岡 実佳子
(2024年卒)
4 公務員受験支援プログラム
5 ビジネス・スキル修得支援プログラム15キャリア支援プログラム 活躍する卒業生
公共社会学科案内2025
活躍する卒業生
三育大学校大学院
(韓国)
井上 歩美
(2023年卒)
糸田町立糸田中学校 犬飼 康介
(2022年卒)
私は公共社会学科での授業を通し、グローバル社会やその仕組につ
いて学んでいく中で、実際に海外へ行き、多様な国の人々と触れ合い、
授業での学びを更に深めたいと思い、大学2年時に韓国ソウル市の三
育大学へ留学しました。また公共社会学科は休学なしで交換留学でき
るという点も留学を決意できた理由です。留学中は韓国語を学びなが
ら韓国人や他国からの留学生との交流を通し、言語や文化についての
知識を深めるだけでなく、チャレンジ精神やコミュニケーション力を
磨くこともできました。この留学をきっかけに、言語教育や文化教育
に興味を持ち、県立大学を卒業後、三育大学大学院のグローバル韓国
学科に入学しました。
大学院では韓国語教育を専攻し、言語教育の基礎から教育の仕方や
韓国語文法・発音まで様々な研究をしています。言語・文化教育が専
門の教授たちと共に研究する日々はとても充実しています。修士課程
年目の私は現在、日本語と韓
国語の対照分析に関する修士
論文を書いています。将来は
韓国語と日本語のノウハウを
生かして、韓国で日本語を教
えたいと考えています。県立
大学での学びや交換留学経験
があったからこそ、現在の私
があり、夢も見つけることが
できたと思っています。 香川県丸亀市役所 重成 佑実
(2022年卒)
私は地元の香川県丸亀市役所に入庁しました。地域づくり課離島振
興室に配属され、市内有人島の生活環境や移住定住促進、島の魅力発
信に関する業務に従事しています。丸亀市の本島と広島は
「せとうち石
の島のストーリー」
が日本遺産に認定されており、それらのPR活動にも
携わっています。地域資源を活用した地域振興に関心があり、卒業論
文も瀬戸内国際芸術祭が地域に与える影響と役割をテーマに、現地調
査もしながら書いたので、離島のHPの運用やパンフレットの作成、イ
ベントへの参加等の情報発信が、直接観光や移住への関心に繋がった
時は、特にやりがいを感じます。
在学中は、
社会の現状や課題、
データの分析方法等幅広く学び、
また、
少人数体制の講義も多かったため、意見を発表する機会が多々ありま
した。今の仕事では、離島の生活や移住定住をめぐる課題について、
多角的かつ公平な立場で考察した
上で、解決策を協議していくこと
が大切で、大学で培った経験が活
かせていると感じています。
市役所は数年毎に異動があるた
め、今後様々な部署を経験します
が、どの部署に配属されても、課
題に対して誠実に向き合い、生ま
れ育った地元に貢献できる職員に
なりたいと思っています。
J:COM大分ケーブルテレコム株式会社 遠藤 美貴
(2021年卒)
私は地元のJ:COM大分ケーブルテレコム株式会社に就職し、現在は
カスタマーサービスグループに所属しています。テレビやネット、電
話など、暮らしにかかわるサービスを幅広く扱う会社で、主に私は電
話対応を行っています。サービス面や技術面など広い知識が必要な部
署です。
たくさんのお客様と話すことができ、感謝の言葉をいただくことも
多くので、人の役に立っていると、やりがいを感じます。また、会社
として、お祭りや清掃活動などの地域イベントに参加することも多い
です。小さい頃からお世話になってきた地元大分に貢献できることを
嬉しく感じています。
公共社会学科では、幅広く様々な分野を学ぶことができたので、自
分の価値観や視野が広がり、様々な立場から物事を見る力が身につき
ました。
社会人になり、
相手の立場にたっ
て考え行動できる人こそ、周りから信
頼される社会人だと改めて感じ、私も
そんな人になれるよう努力中です。
私が大学の4年間で得た1番のものは「人とのつながり」
です。大学で出会っ
た方々の幅広い知識や考えを知り、吸
収することで、
人として成長できました。
皆さんもぜひ、大学4年間という時間
をかけて多くの学びを得て、自分の世
界を広げてください。
私は1年間の講師経験を積み、昨年度から田川郡糸田町にある糸田
中学校で社会科の教員として働いています。今年度は中学1年生の担
任として、社会科の授業を受け持ち、慌ただしくも充実した日々を過
ごしています。授業、学級経営、生徒指導など、初めてで上手くいか
ないことや多様な生徒たちの対応に苦労していますが、子ども達と楽
しく関わり合えることや、子ども達の成長を近くで見て一緒に感動で
きることなど、多くのやりがいを感じて頑張ることができています。
福岡県立大学の教職課程は人数が多くなく、同じ仲間たちとの仲を
深めることができ、切磋琢磨できる関係を築くことができました。また「不登校引きこもりサポートセンター」
をはじめ、多くの教育や子ど
もに関するボランティア活動など、
身近に学ぶことができる環境が整っ
ており、そこで得た経験は今でも役立っています。最初は
「人前に立っ
て話せるのだろうか」
など多くの不安があり、教員になる自信もあまり
なかったのですが、挑戦
したことで、今の自分が
あります。皆さんもぜひ
自 由 な 大 学 4 年 間 を
「やってみよう」
の気持ち
で色々なことに挑戦し、
やりがいを見つけられる
ような有意義な学生生活
を送って下さい。
日本遺産のイベントにて 韓国・釜山
(プサン)
の古書店にて
会社の玄関にて
社会科の授業中
PUBLIC
SOCIOLOGY
福岡県立大学人間社会学部 公共社会学科
〒825‐8585 福岡県田川市大字伊田4395 Tel:0947‐42‐2118 Fax:0947‐42‐6171
公共社会学科ホームページ http://www.fukuoka‐pu.ac.jp/academics/human/sociology/
FUKUOKA PREFECTURAL
UNIVERSITY