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副産植物質肥料等中のメラミン及びシアヌル酸の定性試験法

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1.試験方法の概要

この方法は、副産植物質肥料等に混入されたメラミン又はシアヌル酸(以下メラミン等という。)の含有を確認する試験方法です。原理は、メラミンがシアヌル酸と反応して不溶性のメラミンシアヌレートの白濁を起こすことを利用しています。この反応により、副産植物質肥料に混入されたメラミンは反応液としてシアヌル酸を加えることにより白濁を起こし、含有を確認することができます。また、逆にシアヌル酸の混入については、反応液としてメラミンを加えて、白濁することにより確認ができます。

2.適用範囲

副産植物質肥料等となっている次のもの

大豆タンパク、米タンパク濃縮物、コーングルテンミール、小麦グルテン、馬鈴薯タンパク、その他植物質肥料

3.取り扱い上の注意

本方法は簡便法であり、試料中にメラミン等以外の化学物質が混入されている場合でも白濁を生じることが考えられます。また、逆に反応が起こらないことも考えられます。したがって正確を期す必要がある場合は、肥料等試験法(ガスクロマトグラフ質量分析法)によりメラミンの含有量の測定を行って下さい。

4.準備するもの

(1)器具等
・300ml程度の容器(密栓できるもの。)
・ロート
・試験管等 (ガラス製等で透明なもの)
・ろ紙(JIS化学分析用3種に相当するもの。)
・精製水(市販されているペットボトルの飲料用の水でも使用可能ですが、使用前にシアヌル酸液及びメラミン液で白濁が起こらないことを確認して下さい。)
(2)反応液及びその調製法
シアヌル酸液 シアヌル酸(試薬)0.1g以上を精製水50mlで溶かし飽和溶液を調製します。この液をろ過して使用します。この液は試験を行う毎に新たに調整して下さい。
メラミン液 メラミン(試薬)0.2gを精製水50mlで溶かし飽和溶液を調製します。この液をろ過して使用します。この液は試験を行う毎に新たに調整して下さい。
(これらの試薬は普通物であり、危険性、毒性のあるものではありませんが、保管等には注意して下さい。)

5.操作の手順

サンプリング

・300ml程度の容器にサンプルとする肥料10〜20gを取ります。
注)
ばらつきを小さくするためサンプル量は多く取ってください。10〜20g程度が適当です。


抽出

・サンプル量の10倍量程度の精製水を加えます。(目分量で結構です。)


抽出2

・栓をして手で30秒程度激しく振とうします。
注)
ガラス容器を使用する場合は破損に注意して下さい。良く洗浄したペットボトルを用いると安全です。


静置

・ろ過が行いやすいよう、しばらく静置します。


ろ過

・上澄み液をろ紙上に移しろ過します。ろ過液が澄んだ状態であることを確認します。
注)
ろ過が難しい場合は事前に遠心分離機等を用いて分離させておきます。


ろ液

・ろ液を試験管等透明な容器3本に適量を分けて入れます。


反応液

・4で作成した反応液のシアヌル酸液、メラミン液を用意します。


反応液注入

・Aにシアヌル酸液1〜2ml、Cにメラミン液を1〜2ml加えます。
Bにはどちらも加えません


結果

・無添加のB液(澄んだ状態)とA及びC液を比較して白濁の有無を確認します。
メラミン等が含有されていればシアヌル酸液又はメラミン液の添加で白濁が生じます。
白濁がわずかな場合があるので対照の無添加試料液と十分比較します。
また、白濁を生じるまで10分程度かかる場合もありますので注意して下さい。


この分析方法の問い合わせは
(独)農林水産消費安全技術センター
肥飼料安全検査部 肥料鑑定課
TEL 050-3797-1856

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