風乱軒主人
ふりがな不明
last update:20220304
■しかく紹介
茨城青い芝の会が発行したパンフレット『脳性マヒ者(CP)解放運動のめざすもの』に「解説(解放理論研究)」という題の稿を寄せている人物で詳細は不明。管見の限り、他の出版物等ではその名前を確認できていない。
紹介作成:
山口 和紀
■しかく風乱軒主人 197504xx 「解説(解放理論研究)」, 『脳性マヒ者(CP)解放運動のめざすもの』
「ある政党が、その理論機関誌「前衛」で青い芝(CP=脳性マヒ者団体)のことを「アナーキスト」だと評価して呉れた。まさに彼らは異端審問権を持っているらしい。焚刑になったり強制収容所に入れられないだけ感謝しなければなるまい。」(p.42)
「ロックが世襲権力や財産相続に反対したことは評価したい。しかし、それに代る労働価値説を称えた時、何故CPのことを考えなかったか。否、必ずしもCPだけでなく働けない重度障害者などの弱者(と世間は云う)のことは考えなかったのか?
価値は労働によって作り出される。従って働かない者は価値がない。ロックの時代にはCPなどが、まだ目に入らなかったのかもしれないし、彼がついつい見落としたのかも知れないが、青い芝は赦さない」(p.42-43)
「ロックからリカードそしてマルクスに至る労働価値説は、キリスト教文化つまり欧米的自我を背景として成立し、一人一人の労働がそれぞれに価値の一単位として、評価され計算される社会での論理である。しかし我が国などでは価値が互いにもたれ合って、自他、主客の価値の区分が明確でない。それなのに労働と云うものが、自分だけの能力で成り立っていると錯覚してる。これを労働の私有化と云う。(ここに日本の資本主義のインチキがあるのだ)。」(p.59)
■しかく言及
◇茨城青い芝の会 1975 『CP解放運動のめざすもの』.
「9月末には障害者活動センター「きょうの会」事務局(横浜市)に収蔵されている横田弘の蔵書を調査した。未確認であった「青い芝」神奈川県連合会関連の重要資料を収集することができたが、なかでも横塚晃一の主論文「ある障害者運動のめざすもの」に大仏が註記したパンフレット『CP解放運動のめざすもの』を発見できたのは大きな収穫であった。これは、横塚と大仏の思想的相互関係を解き明かす重要な手がかりになる資料である。12月末には、大仏の実娘増田レア氏が主宰するマハラバ文庫(山梨県中央市)に赴いて、現存する大仏の草稿類を調査した。これにより、大仏の著作の全体像が明らかになりつつある。」
作成:
山口和紀