Fraser, Nancy
[ナンシー・フレイザー]
last update:20121210
◆だいやまーく Department of political science, New School University.(本務校) での紹介
http://www.newschool.edu/gf/polsci/faculty/fraser/
◆だいやまーく新着情報
◆だいやまーく水上 英徳 2003年09月10日 「Fraser, Nancy and Williams, Jeffrey, 1999, "Politics and Philosophy: An Interview with Nancy Fraser,"the minnesota review, 50/51: 143-159.」(学説研究ノート)
http://www.saturn.dti.ne.jp/~mizukami/studies/studymemo/030910.html
◆だいやまーく水上 英徳 2003年11月14日 「Fraser, Nancy/Honneth, Axel, 2003, "Vorbemerkung,"Nancy Fraser/Axel Honneth, Umverteilung oder Anerkennung?, Frankfurt am Main: Suhrkamp Verlag, 7-11.」(学説研究ノート)
http://www.saturn.dti.ne.jp/~mizukami/studies/studymemo/031114.html
◆だいやまーく 著作目録
http://www.newschool.edu/gf/polsci/faculty/fraser/cv2.htm
[上記のlinkは、そのうち切れるかもしれません。以下の履歴書(pdf形式)には、より新しい著作目録があります]
http://www.newschool.edu/gf/polsci/faculty/fraser/NancyFraser_CV.pdf
★ 主著[英語と日本語についてのみ。その他の言語については上記著作目録参照]
◆だいやまーく1989
Unruly Practices: Power, Discourse and Gender in Contemporary Social Theory, University of Minnesota Press and Polity Press. [独語訳(1994)あり]
◆だいやまーく1997
Justice Interruptus: Critical Reflections on the "Postsocialist" Condition, Routledge=20031110 仲正 昌樹 監訳,
『中断された正義――「ポスト社会主義的」条件をめぐる批判的考察』,御茶の水書房,364 3400
[amazon]/
[kinokuniya]/
[bk1] ※(注記)
・独語訳[2000]・西語訳[1997]あり
・原著の内容を見てみる
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◆だいやまーく2002a
Adding Insult to Injury: Social Justice and the Politics of Recognition, ed. Kevin Olson, Introduced by Richard Rorty, Verso.
・紹介を見てみる
http://www.versobooks.com/books/cdef/ef-titles/fraser_n_recognition.shtml
*上記の紹介を日本語にしたもの[意訳を加えています]
歴史上、不正義を左翼から説明する際には、主として、貧困・搾取・不平等のような経済的な害に焦点が当てられてきた。しかし、最近、共産主義の崩壊と、<アイデンティティの政治>の興隆によって、文化帝国主義・"誤認[misrecognition]"・人を尊重しないこと、といった、文化的な害に注意が向けられるようになってきた。左派に対して、[以下のような]新しい挑戦が提起されている――経済的平等への、左派の歴史的な(そして今なお不可欠な)関わりを捨てることなく、多文化主義の正当な諸主張をどのように正当に取り扱うのか[do justice]? (経済的に)傷つける、ということに、(文化的に)侮辱する、ということを加えることによって、不正義に関する理解をどのように広げるのか?
本書は、Nancy Fraserが行った、議論を呼んだ努力――平等に関する社会的な政治と、違い/差異に関する文化的な政治との間の緊張関係を厳密に調べつつ、両者を組み合わせようとする努力――によって刺激された論争をたどったものである。本書は、
Richard Rorty による序文、影響力のあるFraserの論文「再分配から承認へ?」、
Judith Butler, Joseph Heath, Kevin Olson, Anne Phillips,
Iris Marion Young による批判的な応答、これらの応答へのFraserの答えを含んでいる。この本から得られるものは、左派を再建する複数の方法に関する、幅広い・時に論争的な探求である。
■しかく 共著
◆だいやまーく1994 (with Seyla Benhabib,
Judith Butler, and
Drucilla Cornell),
Feminist Contentions: A Philosophical Exchange, Routledge.[独語版は1993年に出版]
・内容を見てみる
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◆だいやまーく2002b (with Axel Honneth),
Redistribution or Recognition? A Political-Philosophical Exchange, Verso.=20121030 加藤 泰史 訳,
『再配分か承認か?――政治・哲学論争』
,法政大学出版局,372p. ISBN-10: 4588009834 ISBN-13: 978-4588009839
[amazon]/
[kinokuniya] [2003北本記:チェコ語訳[2003]あり、独語訳出版予定]
◆だいやまーく2002c (エリ・ザレツキーとの共著)(仲正 昌樹 訳)『九・一一とアメリカの知識人』御茶の水書房
目次
訳者解題 「9・11」とアメリカの知識人 仲正昌樹
1 9・11後の社会的正義、再配分、そして参加 ナンシー・フレイザー
2 トラウマと脱物象化:9・11と存在論的安全の問題 エリ・ザレツキー
3 グローバリゼーションとジェンダー ナンシー・フレイザー
4 グローバリゼーションと「9・11」 エリ・ザレツキー
5 再配分か承認か? ナンシ−・フレイザー
■しかく 編著
◆だいやまーく1992 (With Sandra Lee Bartky),
Revaluing French Feminism: Critical Essays on Difference, Agency, and Culture, Indiana University Press.
・内容を見てみる
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◆だいやまーく2003 (With Seyla Benhabib),
Pragmatism, Critique, Judgment: Essays for Richard J. Bernstein, MIT Press.
■しかく 日本語になっている文章[以下ですべてだと思いますが、他に御存知の方は是非お知らせください][2003:北本]他
◆だいやまーく1985 "What's Critical About Critical Theory? The Case of Habermas and Gender,"
New German Critique, no. 35 (Spring/Summer 1985) pp. 97-131.
=1997 (竹内 真澄 監訳)
『ハーバーマスとアメリカ・フランクフルト学派』所収 (マーティン・ジェイ編) 青木書店
◆だいやまーく1988 (With
Linda Nicholson), "Social Criticism without Philosophy: An Encounter between Feminism and Postmodernism," Communication, vol. 10, no. 3, pp. 345-366.
[多数の論集に再録。再録されている論集の詳細については、Nancy Fraser の著作目録(この頁冒頭のlink)を参照]
=1994 (餘野木 玲子 訳)「哲学なしの社会批評 : フェミニズムとポストモダニズムの出会い」,『日米女性ジャーナル』17, pp.102-122.
=1995 (椎名 美智 訳)「哲学なき社会批判: フェミニズムとポストモダニズムの遭遇」(富山 太佳雄編)『フェミニズム』(現代批評のプラクティス3),研究社出版, pp.169-.
◆だいやまーく1992 「公共圏の再考:既存の民主主義の批判のために」,Calhoun, Craig ed.[1992=1999:117-159]*
*Calhoun, Craig ed. 1992
Habermas and the Public Sphere, MIT Press=19990910 山本 啓・新田 滋 訳,
『ハーバマスと公共圏』),未来社,348p. 3500
※(注記)
◆だいやまーくFraser, Nancy. 1993 "Recognition or Redistribution ? : A Critical Reading of Iris Young's Justice and the Politics of Difference,"
Jounal of Political Philosophy, Vol.3, no.2, pp.166-180.
cf.
Iris Young
◆だいやまーく1995 "From Redistribution to Recognition ? Dilemmas of Justice in a 'Postsocialist' Age",
New Left Review 212 (July/August 1995):68-93
=200101 原田真美訳,「再分配から承認まで?――ポスト社会主義時代における公正のジレンマ」,『アソシエ』5:103-135(特集 グロ-バリゼーションとジェンダ-――承認・「公正」・資本主義,御茶の水書房)
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1990/9500fn.htm
「第二に、アイデンティティと差異を本質とみる理解へと後戻りすることはできない。アイデンティティと差異は相関的に構築されたものである、とする反−本質主義的な見解は、もう一つの手放すことのできない収穫を示している。しかし、このことが意味しているのは、わたしたちは専ら脱構築的な政治を探究すべきだ、ということではない。むしろ、わたしたちが展開すべきなのは、反−本質主義から派生する別の政治であり、その政治によって、私たちはアイデンティティと差異からなる文化的な政治と、正義と平等からなる社会的政治を連関させることができる。」(p.342)
◆だいやまーく1996 "Equality, Difference, and Radical Democracy: The US Feminist Debates Revisited" in
Radical Democracy, ed. David Trend, Routledge.
=1998 岡野八代訳「平等、差異、ラディカル・デモクラシー――合衆国におけるフェミニスト論争再考」(ディヴィッド・トレンド編、佐藤 正志, 飯島 昇藏, 金田 耕一 訳者代表)『ラディカル・デモクラシー――アイデンティティ、シティズンシップ、国家』所収 三嶺書房 pp.323-343.
◆だいやまーくFraser, Nancy. 1997 "A Rejoinder to Iris Young,"
New Left Review, no. 223, pp.126-129, reprinted in Cynthia Willett, ed.,
Theorizing Multiculturalism, pp.68-72.
◆だいやまーく1997 "Heterosexism, Misrecognition, and Capitalism: A Response to Judith Butler," Social Text, 52/53, Vol. 15, nos. 3 and 4 (Fall/Winter 1997) pp. 279-289.
=1999 (大脇 美智子 訳)「ヘテロセクシズム、誤認、そして資本主義――ジュディス・バトラーへの返答」,『批評空間』2期 (太田出版) 23, 1999.10, p241〜253.
◆だいやまーく1997 "Communication, Transformation, and Consciousness-raising," in
Hannah Arendt and the Meaning of Politics, ed. Craig Calhoun and John McGowan, University of Minnesota Press.
=2001 (湯浅 創 訳)「コミュニケーション・変革・意識向上――ハンナ・アーレントについてのアンソニー・カスカルディとリサ・ディッシュへの応答」,情況出版編集部編『ハンナ・アーレントを読む』(情況出版, 2001.11)所収 pp.185-195.
◆だいやまーく1998 "Another Pragmatism: Alain Locke, Critical 'Race' Theory, and the Politics of Culture," in
The Revival of Pragmatism: New Essays on Social Thought, Law, and Culture, ed. Morris Dickstein (Duke University Press, 1998) pp. 157-175.=20011105 挽地康彦訳,「もうひとつのプラグマティズム――アラン・ロック、批判的「人種」理論、文化の政治学」,『思想』931(2001-11):59-78 (特集:アメリカ民主主義の〈不協和音〉) (岩波書店)
◆だいやまーく2002 「研究会発表(ジェンダースタディーズ研究会)承認の時代におけるフェミニストのポリティックス」 ,『立命館言語文化研究』[ISSN:09157816] (立命館大学国際言語文化研究所) 14(2) 2002.9 p147〜154.
◆だいやまーく2002 (仲正 昌樹 訳)「九・一一後の社会的正義、再配分、そして参加」『情況』第三期3(7)(特集 九・一一と知識人――女性国際戦犯法廷とは何か) 2002.8 情況出版 pp.154-165.
■しかく
1997 "A Rejoinder to Iris Young", New Left Review 228:126-129
■しかく 言及
◆だいやまーく大川 正彦 19971201 「分かち合い,分かり合い,その困難(上)」,『未来』375(1997-12):16-23
※(注記)
「わたしは、フレイザーが指摘する政治的ジレンマとは、フレイザー自身による「抽象的な枠組みによる構築物」、さらに言えば、J・ロールズの主張をその代表とするような福祉国家擁護のリベラリズムと、それへの批判を企てるC・テイラー流の「承認の政治」との理論上の対立を、現実の複雑性のうちに無造作に投げ入れたことの結果ではないか、という疑念をヤングと共有している。こう言ってもいい。彼女のいうジレンマとは、「差異のジレンマ」[Minow 1990]というべきものである、と。「差異のジレンマ」とは、マイノリティが現状批判を企てるさいに追い込まれがちな「平等か、それとも差異か?」という二者択一(し(p.18)かもその「平等」は「同じ」であることを前提としたものであり、マイノリティによる平等の要求には、マイノリティ自身の側の「同じであること」の挙証責任が課されもする)をあらわしている。しかし、これはそもそも、そうしたマイノリティが生きている現実を構成している(とその都度受け入れられ再生産される)関係の凝縮物、磁場の効果にほかならないのではないか。」(大川[1997:18])
◆だいやまーくYoung, Iris Marion 1997 "Unruly Categories: A Critique of Nancy Fraser's Dual Systems Theory",
New Left Review, no. 222, pp. 147-160., reprinted in Cynthia Willett, ed.,
Theorizing Multiculturalism: A Guide to the Current Debate (Oxford: Blackwell Publishers, 1998), pp. 50-67.
◆だいやまーく山森 亮 199804 「福祉国家の規範理論に向けて――再分配と承認」,『大原社会問題研究所雑誌』473(大原社会問題研究所)
◎にじゅうまる概要:
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1990/9804yt.htm
◆だいやまーく向山 恭一 20010510 『対話の倫理――ヘテロトピアの政治に向けて』,ナカニシヤ出版,186p. ISBN:4-88848-633-6 2000
※(注記)
分配と承認それぞれについて α「肯定(是正)」→β「変革」
分配について:β:社会主義の戦略
「表層的な所得の再配分に限定されず、集団=階級の差異化を引きおこす生産関係に焦点を合わせ、搾取的な分業体制それ自体を廃止することを正義とみなすものである。」(向山[2001:139])
承認について:β:脱構築の戦略
「アイデンティティを集団固有の属性として本質主義的に肯定するのではなく、むしろ、特定の権力関係における一方の項と位置づけることによって、そうした関係それ自体を改訂することを正義とみなすものである。」(向山[2001:139])
◆だいやまーく立岩 真也 2013年01月01日 「素朴唯物論を支持する――連載 85」,
『現代思想』41-1(2013-1):14-26 cf.
前の本
*作成:北本潮
UP:20030314 REV:0401,0426,0627,0722,0806,1120, 20100704, 0725, 20121210, 31, 20130111
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WHO
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フェミニズム (feminism)