last update: 20170428
昨年出た本では横塚晃一
『母よ!殺すな』(生活書院)。1975年に出て、増補版が1981年に出た本の再刊・新版。1970年代以降の社会運動、とくに障害者の運動の展開に大きく関わった。「青い芝の会」という脳性まひ者の組織を率いた著者は、1978年、42歳でがんで亡くなっている。この本の「解説」を書かせていただいた。それをホームページに載せているし、他にもほうぼうでこの本のことを書いているので、ご覧いただければ。
そんなこともあり、また以前より思ってきたことなのだが、「最近の歴史の叙述」が大切だと考えている。とはいえ私自身にその仕事に必要な時間他はなく、「どなたかいかがですか」と言って回っているというだけのことなのだが。『現代思想』が、医療や病者のことで2月号・3月号と続けて特集を組むことになって、昨年秋に
『育育児典』(岩波書店)を毛利子来との共著で出した小児科医の山田真にインタビューをしたのもそんな思いがあってのことだ。2月号に掲載される。1968年あたりのことから聞き初めた。関連する書籍からの引用を含めると雑誌に載る分量の数倍になったから、今後のみなみなさまの探索・検証作業のための一つの案内として、本にしてもらっててもよいと思ったぐらいだ。調べ出すとけっこういろいろと出てくる。そうした作業の中でしばらくぶりに石川憲彦の本を読んだが、すぐれた本だった。2006年に出た石川憲彦・高岡健の対談の本
『心の病いはこうしてつくられる――児童青年精神医学の深渕から』(批評社)。
まずは書かれたものを集めて読んで書き写<75<してという‖恥純な仕事をしていけばよいと思っている|だが‖そのうち‖頭も使わねばならないこともある|昨馬出た本をもう一冊|姉島亜喫子
『社会福祉学の〈科学〉性――ソーシャルワークは専門職か?』(勁草書房)は、ソーシャルワークという営みが自らに対して破壊的な契機を肯定してしまうような営みでもあるがゆえに辿ることになった複雑な道筋を辿っている。もうすこし書き込んだら――といってすぐに具体的なやり方は思いつかないのだが――後世に残る名著になったと思う。