HOME > ajf >

『グローバル・エイズ・アップデイト』第47号

http://blog.melma.com/00123266/

アフリカ日本協議会


しかくGLOBALしかく<しろいしかく<しかくAIDSしかく>しろいしかく>しかくUPDATEしかく

グローバル・エイズ・アップデイト
GLOBAL AIDS UPDATE
----------------------------------
第47号 2006年(平成18年)7月8日
Vol.2 -No.24 Date: July 8, 2006

しかくGLOBALしかく<しろいしかく<しかくAIDSしかく>しろいしかく>しかくUPDATEしかく

だいやまーく発 行:(特活)アフリカ日本協議会
だいやまーく連絡先:
・東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル2F
・電 話:03-3834-6902
・FAX:03-3834-6903
・電子メール:info@ajf.gr.jp
だいやまーくバックナンバー:下記ブログをご覧ください。
・http://blog.livedoor.jp/ajf/
だいやまーくMelma!を通しての購読申し込みは
・http://www.melma.com/mag/66/m00123266/
だいやまーく本メールマガジンから転送・引用を行う場合は
事前に発行者にご連絡をお願いいたします。

*********************
------------------
はじめに:発行趣旨
------------------

しろまるHIV/AIDS問題は、現代世界に於ける保健医療上の最大の問題の一つです。
しろまるしかし、日本では、こうしたグローバル・エイズ問題の深刻さや最新の情報が伝わっておらず、この問題へのコミットメントが薄いのが現状です。
しろまるこのメールマガジンは、グローバルなHIV/AIDS問題の最新動向を日本語で伝えるメディアが必要だという認識から生まれました。
しろまるHIV/AIDSに関わる主要なウェブサイトの記事を日本語で要約し、隔週で発行いたします。

----------------------
しかく「第47号」目次
----------------------

くろまる アフリカ地域
1. モザンビーク:政府とドナーが援助効率化のために共同基金を設立
2. ザンビア:債務免除で地方での受診料無料化を実現
3. スーダン:内戦終結後HIV/AIDS問題に直面している南部スーダン
4. ウガンダ:ムラゴ国立病院でHIV陽性の母子に不当な扱い
5. アフリカ連合、2006年を「アフリカにおけるHIV感染予防促進年」に

くろまる アジア太平洋地域
1. 北朝鮮によるHIV/AIDSの予防とコントロールに関する報告
2. 中国: 企業がエイズ問題に取り組み始める


-------------------------------------------- Vol.2 -No.24 ★----
----------------------------------------------
★モザンビーク:政府とドナーが援助効率化のために共同基金を設立
----------------------------------------------

2006年4月3日、南部アフリカ・モザンビーク共和国の首都マプートで、モザンビーク政府と7つの国際機関およびドナー国政府が、共同でHIV/AIDS対策のための基金を立ち上げる協定を交わした。協定に参加しているドナーは、スウェーデン、イギリス、カナダ、アイルランド、デンマーク、世界銀行、世界エイズ・結核・マラリア対策基金である。

協定によると、ドナーはこの共同基金を通じて援助金を拠出し、モザンビークの国家エイズ委員会(CNCS)が、年間運営計画に沿って基金の運営を行うことになる。資金運用の決定権は国家エイズ委員会にあり、ドナーは特定の事業に資金を使うよう求めたり、二国間協定を結んで個別に条件をつけたりすることはできない。事業の視察、分析、その他様々な手続きなどもドナーが共同で行い、重複が起きないよう努めることや、汚職防止の条項なども協定に盛り込まれている。共通基金の設立により、ドナーに対して一括で対応できるようになるため、国家エイズ委員会側の事務的負担は大幅に軽減される。

エイズ国家委員会の議長でもあるモザンビークのルイザ・ディアス・ディオゴ首相Luisa Dias Diogoは、世界エイズ・結核・マラリア対策基金が共同基金を通じて資金を拠出するのは、モザンビークが初めてであると指摘した。またユニセフのモザンビーク事務所代表は、効率的かつ調和的なエイズ対策を行うための重要なステップであると評価している。

原題:Mozambique: Government And Donors Set Up Common Fund Against Aids
日付:April 3, 2006
出典:AllAfrica.com
URL: http://allafrica.com/stories/200604030449.html

----------------------------------------------
★ザンビア:債務免除で地方での受診料無料化を実現
----------------------------------------------

ザンビア政府は2006年4月、地方における公的医療の受診料制度(User Fees)を廃止することを発表した。受信料制度は、数百万人にのぼる低所得層が医療ケアを受ける上で大きな壁となっていた。

貧困の根絶を推進する英国の非営利団体オックスファムによれば、今回のザンビアの政策は、昨年7月のグレンイーグルズ・サミットにて合意がなされた40億円の債務免除と、外国からの援助の増加によって可能になった。オックスファムのディレクター、バーバラ・ストッキング氏 Barbara Stocking は、「これはG8の決定が人々の生活向上につながった初めての例だ。『貧困を過去のものに(Make Poverty History)』キャンペーンに携わる人々はこれを誇りに思うべきだ」と語る。

ザンビアは1990年代、国際通貨基金(IMF)や世界銀行からの圧力により、受診料制度を導入したが、最もケアを必要とする低所得の人々を排除することにつながるという批判があった。特に、地方に住む若い女性のために家族が受診料や治療費を払うことは稀であるため、これらの人々が医療サービスを受けることは困難になっている。

ザンビアの次なる課題は、慢性的な医療従事者不足の解消である。ザンビアでは、医師の数が国民1万4000人あたりたった1人となっている。医療人材の確保と育成への投資が必要である。『貧困を過去のものに』キャンペーン担当者は、給料や待遇の悪さが人材流出を招いたと説明する。2006年の世界保健機関の報告書では、世界の疾病の24%がアフリカに集中しているにも関わらず、アフリカの医療従事者は世界全体の3%に満たない。現在、ザンビアでの医療従事者数は、必要数の半分にも満たないという。

ザンビアのキャンペーン団体G-CAP(Global Call to Action against Poverty)の代表ヘンリー・マルモ氏Henry Malumoは、「私たちは、地方での受診料廃止を推進してきたが、都市部でも同じ政策がとられることを要求する。ザンビアは医師や看護師の労働環境改善や医薬品の普及のために、さらなる資金援助を必要としている」と述べた。オックスファムのストッキング氏は、受診料制度を設置していない国はサハラ以南アフリカ30カ国のうち3カ国のみであることを挙げ、「ザンビアはさらなる努力が必要であるが、受診料制度廃止は大きな一歩である。他のアフリカ諸国もザンビアに続くことを願っている」と述べた。

原題:Zambia scraps healthcare fees for poor rural people
日付:April 9, 2006
出典:People’s Health Movement website
URL:http://www.phmovement.org/en/node/153

----------------------------------------------
★スーダン:内戦終結後HIV/AIDS問題に直面している南部スーダン
----------------------------------------------

南部スーダンは、80年代に入って開始された21年にわたる後期内戦(スーダン人民解放運動/人民解放軍とスーダン政府の内戦)で、最も基本的な社会サービスさえ破壊された。今その内戦から立ち直りつつあるなか、新たにHIV/AIDSのもたらす現実に直面している。HIV/AIDSに対する国民の認識は低く、予防やケアのシステムもほとんど存在していない。

南部スーダンでは、和平交渉が進むにつれ、コンゴ民主共和国、ケニア、ウガンダなどHIV感染率の高い近隣諸国との交易が急速に活発化し、HIV感染増加を危惧する声が拡がっている。南スーダンの首都ジュバに拠点を置くユニセフのHIV/AIDS担当官シェイラ・マンガン氏Sheila Manganは、国民の認識の低さが、爆発的なHIV感染拡大を招くのではないかと危惧している。「識字率の低い地域やラジオ・テレビなど情報伝達手段のない地域での情報頒布は非常に困難だ。誰も自分が感染するとは夢にも思っていない」。医療専門家らは、コンドームの入手すら困難なこの国で、今後予想される感染率の爆発的な増加に対応するには、あまりにも準備が不足していると懸念する。

2005年1月の内戦終結以降、世界保健機関(WHO)により数々の調査が行われてきた。ジュバの北西520キロに位置する町ルンベック Rumbek では驚くべき調査結果が得られた。同地では、HIV感染予防に関する知識を備えた成人は4%に満たず、さらに前回の性交渉においてコンドームを使用したと回答した人は2%に過ぎなかった。ウガンダとの国境から約100キロ離れたイェイYeiでは、HIV感染率は2.7%に上るにも関わらず、コンドーム使用経験があるのはわずか4人に1人であった。

南部スーダン政府は、ウガンダのいわゆるABC政策(Abstinence, Be-faithful, Condom:禁欲、貞操、コンドーム使用を推奨する予防キャンペーン)に注目しているが、禁欲とコンドーム使用のどちらに重きを置くかについては議論が分かれている。南部スーダンのジョングレイ州Jonglei Stateの保健大臣アゴット・アリエル・リーク博士 Agot Alier Leek は禁欲政策を支持する。「我々のコミュニティは20数年も内戦下におかれ、識字率も低い。コンドームという言葉を聞いたことすらない人がほとんどであり、コンドーム政策は時間がかかる」と博士は述べる。これに対し、ユニセフのマンガン氏は、「人々に全く知識がないのなら、コンドーム等の予防教育から始めるべきだ。禁欲は実際に実施するならば確実に感染予防にはつながるが、南部スーダンでは伝統として婚前交渉が一般化しており、文化的価値観を完全に変えるのは不可能だ」と主張する。

一方、感染予防とケアの取り組みが徐々に始まっている。2004年3月に初の自発的カウンセリング・検査(VCT)センターがジュバに開設され、これまでに1000人近い人々が検査を受け、うち216人がHIV陽性と診断された。世界保健機関は、ジュバ、ワウ Wau、マラカル Malakal の3ヶ所でARV治療を始めており、今後8ヶ所まで増やし、2006年12月までに200人の患者にARV治療を行うことを目標としている。さらに、コンゴ民主共和国とウガンダとの国境近くのヤンビオ Yambio、イェイ Yei、ムンドリ Mundriなど、感染率上昇の可能性の高い地域で、今後ARV治療の普及を目指していくという。国際NGO「国境なき医師団」(MSF)も、南東部の町カジョ・ケジ Kajo Keji で同様の活動を行っている。また、世界エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM)は、国連開発計画(UNDP)を通じて南部スーダンに2年間で880万ドルの資金援助を行うことを決定している。

原題:SUDAN: War-scarred south ill-equipped to deal with HIV/AIDS
日付:April 10, 2006
出典:IRIN Plus News
URL:
http://www.plusnews.org/AIDSreport.asp?ReportID=5853&SelectRegion=East_Africa&SelectCountry=SUDAN

----------------------------------------------
★ウガンダ:ムラゴ国立病院でHIV陽性の母子に不当な扱い
----------------------------------------------

ウガンダのエイズ対策は高く評価されているが、NGOの報告によると、HIVに感染した妊婦が差別やスティグマ、虐待に苦しんでいることがわかった。

人権問題に取り組むウガンダのNGO、人権イニシアチブ財団the Foundation for Human Rights Initiative(FHRI)は、2006年3月23日に新たな報告書を発表した。報告書には、ウガンダの首都カンパラにあるムラゴMulago国立病院内で活動するママクラブ Mama Club からの証言が掲載されている。ママクラブとは、ウガンダのエイズ・サービス組織の老舗「エイズ支援機構」 the AIDS Support Organisation (TASO) によって作られた相互支援グループで、HIV陽性の妊婦を対象に、スティグマの克服や母子感染予防の支援を行っている。FHRIの報告書は、医師や看護師、助産師が、HIV陽性の母子に対して差別的扱いや死を招くような医療行為を行っていると指摘している。

たとえば28歳のメアリー Mary は、助産師がカルテの内容を確認した途端に軽蔑的な言葉を浴びせたり、男性看護師が診察の順番を意図的に遅らせたりしたと述べている。また、別の妊婦のアン Anne は次のようなことを述べている。「看護師の対応は非常に侮辱的で、症状を訴えるたびに差別的な対応を受けた。男性医師は出産時にも私に触ろうとせず、子供が床に落ちても何もしようとしなかった。他の医師が駆けつけて処置をした時には既に10分が経過していた。その後助産師に処置してもらったが、その助産師は、HIVに感染しているのだからそれ以上の病気にはならないと言って、既に使用済みの手袋を使い続けた」。のちにアンの子供はHIV陽性とわかった。

ムラゴ国立病院のイェルシャー・エアクホリ氏 Sr. Jerushah Eakholi は、夜間に出産する女性が多いにもかかわらず、夜勤の看護師や助産師の数が少ないことが、こうした事態を招いたのではないかと説明している。エイズ支援機構によれば、同機構が支援するHIV陽性の母親のうち15,455人が、HIV/AIDSに関連して、夫や社会からつらい仕打ちを受けた経験があるという。

原題:Uganda: 'Mulago Staff Mistreat HIV+ Mothers, Babies'
日付:March 27, 2006
出典:Allafrica.com
URL:http://allafrica.com/stories/200603270448.html


----------------------------------------------
★ アフリカ連合、2006年を「アフリカにおけるHIV感染予防促進年」に
----------------------------------------------

アフリカ連合(AU)と国際連合は、2006年を「アフリカにおけるHIV感染予防予防促進年」 the Year of Acceleration of HIV Prevention in Africa とすることを決定した。記念式典が2006年4月11日、AU本部のあるエチオピアの首都アディスアベバで開かれた。

式典の席上、エチオピアのメレス・ゼナウィ Meles Zenawi 首相は、多くのアフリカ諸国で予防対策は相応の成功を収めているものの、2005年の1年間にアフリカで新たに320万人がHIVに感染したという現実を考えると、対策はまだ十分ではないと指摘した。エチオピアのHIV/AIDS対策は、予防を中心に据える戦略をとり、事業に対する地域社会のオーナーシップ意識を高めることや、医療ケアシステムの構築などに取り組んでいるとゼナウィ首相は説明した。また、自発的カウンセリングと検査(VCT)センターの拡大も主要な対策分野であり、エチオピアでは2005年末までに、2003年実績の5倍にあたる451,000人がVCTを訪れたとのことである。

一方、アフリカ連合委員会のアルファ・オマール・コナレ委員長 Alpha Oumar Konare は、予防こそがHIV/AIDSとの戦いに勝つための唯一確実な手段であると述べ、AUと国連が協力することで、すべての国、すべてのコミュニティーで予防を促進していくことができるだろうと語った。またコナレ委員長は、あらゆる人が予防に関するサービスを継続して受けられるよう、関係者が責務を果たし、エイズ予防のための政策を実行に移していくことを、各国関係者に求めた。

さらに、国連合同エイズ計画(UNAIDS)の国別・地域支援部門UNAIDS Country and Regional Support Department ディレクターのミシェル・シディベ氏 Michel Sidibe は、HIV/AIDS拡大の程度やスピード、インパクトは場所によって様々である点を指摘し、地域事情に基づいた予防、治療、ケア、サポート政策をとるよう呼びかけた。

式典には、アフリカ諸国や国連、国内外の組織などの代表だけでなく、ユースや女性、HIV陽性者の団体からの代表も出席した。また、同様の会合が、スーダンの首都ハルツーム、南アフリカのジョハネスバーグ、ブルキナファソの首都ワガドゥグでも開かれた。

原題:PanAfrica: AU, UN Agencies Launch HIV Prevention Acceleration in Africa
日付:April 12, 2006
出典:Allafrica.com
URL:http://allafrica.com/stories/200604120387.html

----------------------------------------------
★北朝鮮がHIV/AIDSに関する国別報告書をユニセフに提出
----------------------------------------------

2006年3月22日から24日までベトナムで開催された国連児童基金(ユニセフ)の「東アジア太平洋地域児童とHIV/AIDS検討会議」(East Asia and Pacific Regional Consultation on Children and HIV/AIDS)に、朝鮮民主主義人民共和国が国別報告書を提出した。内容は同国政府の主張をHIV/AIDSという問題に関して展開してみたというものであるが、同国のHIV/AIDS情勢に関する同国政府の認識の開示としては興味深い。以下、報告書の内容である。

=朝鮮民主主義人民共和国ではまだHIV/AIDSは一件も報告されていないが、キム・ジョンイル総書記はこの問題について重大な関心を持ち、エイズの予防について真剣な取組みを行ってきた。共和国では法律によって女性と子供の権利が保障され、個々人の生活及び家族・夫婦などの集団生活において、社会主義が追求されている。女性の労働が奨励され、これが男女平等に寄与しており、子供は無償で教育の機会が与えられている。このような状況は、わが国でHIV/AIDSの蔓延を防ぐ要因となっている。

=しかし他国における急激な病気の蔓延をかんがみるに、今の状況に満足することなく、共和国でも予防的措置を講じる必要がある。特に隣国におけるエイズの増加はわが国にこの病気が伝わるリスクが常にあることを示している。よって包括的なエイズの予防・コントロールを行うため、共和国はエイズ予防委員会を設けてHIVの検査を行ってきた。1980年代の終わりから今日にいたるまで年間約5万人がテストを受けており、共和国公民には一人の感染もいないという結果が得られている。

=共和国は(1)生活の全ての側面において社会主義的教育を行うこと、(2)全国的なエイズのサーベイランス体制を持つこと、(3)様々な地域において感染症の治療法及び予防法を広めること、という方針を持ってHIV/AIDSの予防活動を行っている。様々な機関の代表によって構成される委員会が、公衆衛生省のもとで全国的な予防活動を行い、健康教育によって一般大衆の意識を高めている。ヘルスケアスタッフのトレーニングも進めており、治療・予防機関ではHIV感染の危険性が高い患者の検査を行っている。

=現在の課題は、教育がHIV/AIDSの専門家にのみかたよっており、一般大衆をターゲットにしていないことである。またエイズについての情報が基本的な情報のみで、最先端のHIV感染の詳細や病状、治療方法などの知識がいきわたっていない。現在はエイズのコントロールに関しては、公的な機関のみが行っており、民間、政府を問わず総合的・統合的なアプローチが必要である。

=一方、共和国は中央から地方にかけて医療システムが発達しており、都市では大学が医療従事者を養成し、一般の人々の健康衛生教育にあたる組織があり、HIVの予防とコントロールに資する状況を作り出している。現在、HIV/AIDSの予防とコントロールのために、モニターと報告、HIV検査を全国レベルに広げること、血液センターの管理体制の強化、HIV検査のターゲティング、医療従事者の養成、検査機関の装置・インフラ、教育、国際協力などを計画している。

原題:COUNTRY REPORT: DEMOCRATIC PEOPLE'S REPUBLIC OF KOREA
日付:Mar 27, 2006
出典:AIDS-ASIA listserv
URL:http://health.groups.yahoo.com/group/AIDS_ASIA/message/435

----------------------------------------------
★中国:企業がエイズ問題に取り組み始める
----------------------------------------------

中国(中華人民共和国)のエイズ問題に対し、中国ビジネス界がどう取り組むべきかを話し合うワークショップが、2006年3月30日、中国の首都北京で開催された。主催したのは、スイスのジュネーブに本部を置く「持続可能な開発のための世界経済人会議」 World Business Council for Sustainable Development (WBCSD) およびその中国側パートナーである中国経済人会議 China Business Council for Sustainable Development (CBCSD)、中国HIV/AIDS対策グローバル企業連合 Global Business Coalition on HIV/AIDS in China (GBC China) そして国連開発計画 the United Nations Development Program (UNDP)である。

ワークショップには、国内外から100以上の企業やNGO、中国政府、国連関係者らが参加し、企業がエイズ問題に対して果たすべき役割とその具体的な方法について話し合った。WBCSDのハワード・クリー氏 Howard Klee は「生産性の高い労働力を確保し、活気ある市場を維持していく上で、HIV/AIDSが与える影響は大きい。私たち中国企業は、従業員が感染可能性の低い行動をとるよう、社員教育や、給付金や保険などの福利厚生プログラムを通じて促していくことができる」と述べている。

また、国際労働機関 International Labor Organization (ILO)の中国・モンゴル担当官コンスタンス・トーマス氏 Constance Thomas は、HIV/AIDSに対する方針を明確にし、社内や周辺地域で啓発プログラムを実施する中国企業が近年増えていると指摘した。中国では、企業の社会的責任 corporate social responsibility の概念が徐々に浸透してきており、エイズ問題に取り組むこともそのひとつだと認識されつつあるという。

中国のHIV感染者は推計50万人を超え、社会問題となっている。感染が拡大して対処が難しくなる前に、初期段階で問題をくいとめるためにも、中国の企業には、社員や地域に働きかけることで予防啓発のメッセージを社会に広めていく役割が期待されている。

原題:Press release: Business committed to fight HIV/AIDS in China
日付:30 March 2006
出典:World Business Council for Sustainable Development
URL: http://www.wbcsd.org/plugins/DocSearch/details.asp?type=DocDet&ObjectId=MTg2NDA

------------------------
しかくしろいしかく編集後記
------------------------
サッカー・ワールドカップでは、残念ながらアフリカ勢は優勝を争うところまで届きませんでした。4年後の大会は南アフリカ共和国での開催です。その時にはぜひアフリカ旋風を巻き起こしてくれることを期待したいと思います。そして今アフリカ各地の路上で、布をまるめたボールを蹴ってサッカーに夢中になっている子供たちが、4年後も変わらず元気に、大きな誇りと夢をもって、南アでの大会を見つめることができるようにしたいものですね。

------------------------
しかくしろいしかくメールマガジンご案内
------------------------

しろまるメールマガジン「グローバル・エイズ・アップデイト」は、世界のHIV/AIDS問題の 最新動向を網羅するメールマガジンとして発行しています。

しろまるこのメールマガジンは、購読者の皆さまに逐次お送りするほか、HIV/AIDSや国際保健・医療関係のメーリングリスト、関係機関等に継続して送付いたします。ただし、メーリングリスト等への投稿は、徐々に減らす形となります。継続してお読みになりたい方は、以下の講読申込票をメールマガジン発行元(アフリカ日本協議会)までご送信下さい。また、本メールマガジンを発行している「Melma!」の以下のサイトから登録することもできます。
http://www.melma.com/mag/66/m00123266/

---------------------------------------
<講読申込票>info@ajf.gr.jpまで
---------------------------------------
しろまる氏名
しろまる所属(あれば)
しろまるメールアドレス
しろまるご在住の市町村
しろまるコメント
---------------------------------------


UP:20060715
アフリカ日本協議会
TOP HOME (http://www.arsvi.com)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /