岡田靖雄 202407 『優生保護法の時代を生きるーーある精神科医の戦後史』 六花出版,424p. ISBN978-4-86617-248-4 4500+
■しかく目次
はじめに
第一章 優生思想・断種法の論議
一 優生思想の進展
ゴルトンまで/ゴルトンと優生学/精神医学のなかで
二 そして断種へ
合州国で/北ヨーロッパの民主国などで/ドイツで/強制断種の強化/断種法の実施状況
三 わが国での優生論議福沢諭吉ほか/遺伝研究の始まり/優生論議はすすむ/滅種法の登場/優生運動化の方向へ
四 精神病学界における断種論議
『神経学雑誌』の主として論文、紹介抄録から/マーチン・バー「低格児発生ノ社会的予防」/昔時の精神病学教科書にみる優生関係事項
第二章 国民優生法の制定へ
一 民族衛生学会
この時代/永井潜という人/民族衛生学会の発足/学会の進展と一波乱/民族衛生協会への改組/関係事情
二 民族優生保護法案審議はじまる
荒川五郎による提案/再提案
三 断種法をめぐって
厚生省の設立/断種法制定への動き/三人の精神医学者/民勢学的、遺伝学的調査/精神衛生協会会員アンケート/金子準二の反対意見/『脳』のなかで/ほかの反対意見
四 民族優生保護法案の審議はすすむ
第三回提出および第四回/審議はさらに
五 国民優生法案の審議
国民体力審議会で/国民優生法案の内容/衆議院で/貴族院で
六 国民優生法の施行
優生課長特別講演ほか/国民優生法の施行/脇の目から/国民優生法の効果は?
第三章 優生保護法の制定から廃止まで
国の動き
一 優生保護法制定にむけて
太田典礼はかたる/帝国議会で/谷口弥三郎質問書/優生保護法案提出へ/交渉/優生保護法案の本格的審議
二 二回の改正
一九四九年改正/精神衛生法制定ほか/一九五二年改正
三 改正ののち
人工妊娠中絶はすすむ/優生手術の動向
四 戦後の精神科医療
荒廃のなかの精神病院/一九五三年陳情
五 優生保護法と精神科医
優生保護法についての意見(一)/優生保護法についての意見(二)
六 実施された優生策
実施の流れ/流れのなかで/優生保護法運用の実態(その一)/優生保護法運用の実態(その二)/優生手術推進の地方差
七 改正の動きから優生条項削除へ
優生保護法改正の動き/日本児童精神医学会/日本精神神経学会/優生条項削除への動き/国会で
第四章 そののち、そしてこれから
一 そののち
新聞記事などから/わたしの場合/周辺のこと
二 そしてこれから
性欲を満足させる権利/あたらしい優生の時代
補章 戦前の日本精神病学における遺伝研究
一 初期の見解
江戸時代まで/相馬事件/榊俶/巣鴨病院年報
二 血族結婚
中村讓、岡崎昌などの調査
三 本格的調査のはじまり
四 臨床的遺伝研究
臨床から/三宅鉱一ほかの精神病の統計的研究
五 本格的双生児研究の始まり
六 臨床をふかめて
七 一斉調査および穿試法
その始め/内村門下による体系的研究
あとがき