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『いかにして抹殺の〈思想〉は引き寄せられたか――相模原殺傷事件と戦争・優生思想・精神医学』

高岡 健 20190425 ヘウレーカ,216p.

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last update: 20190708

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しかく高岡 健 20190425 『いかにして抹殺の〈思想〉は引き寄せられたか――相模原殺傷事件と戦争・優生思想・精神医学』,ヘウレーカ,216p.ISBN-10: 4909753028 ISBN-13: 978-4909753021 2700+ [amazon]/[kinokuniya] (注記) m. eg

しかく内容

相模原殺傷事件をめぐってこれまで数々の議論がなされ、論考が発表されてきたが、本書は、植松の主張を真正面から〈思想〉としてとらえ、分析しているという点で、ほかに類をみない。
具体的には、植松の主張である以下の3点、「大麻を〈地球の奇跡〉とよび、必要性を訴えていること」「文面上は、戦争に反対していること」「障害者の殺害を安楽死という言葉をもちいて宣言していること」を手がかりに考察。第一次世界大戦前後から現在に至るまでの政治、社会、精神医学分野での研究を参照しながら、なぜ彼がそう主張するに至ったのか、その構造の解明を試みる。
くろまる目次
第一部
相模原殺傷事件の〈思想〉
序章 相模原事件が問いかけるもの
事件の流れと〈思想〉/三つの論点/措置入院から退院までの経緯/措置入院制度強化をめざす法改正の動き/長期収容施設か地域移行か/植松の示す人間の定義と「秩序」/植松は戦争に反対している/大麻支持、反タバコ、反精神薬
第一章 〈思想〉の見取り図――大麻・戦争・障害者殺害
植松の〈思想〉とヒトラーの思想/大麻解禁の意図/スピリチュアルとエコロジー/ファシズムと戦争
/トランプは〈リベラル〉の政治的交代者/反ユダヤ主義と障害者殺しは別物/家族に対する「恩恵」としての安楽死/「安倍晋三様のお耳に」とは何か
第二章 いかにして植松聖は〈思想〉を引き寄せたか
植松聖の個人精神病理/行動とイデオロギーを引き寄せるモメント/軍隊と徴兵制を引き寄せるモメント/美としての軍隊/国民精神形成の戦争と現実の戦争との乖離/植松が引き寄せたイデオロギー/植松聖にとっての人種問題

第二部 優生思想と戦争
第三章 優生思想の精神医学
植松の〈思想〉は優生思想か?/イギリスとアメリカの優生思想/北欧の優生思想/英米の優生思想とドイツの優生思想の共通点/優生思想の日本への輸入/中絶禁止法として機能した国民優生法/優生保護法への道/優生保護法の成立と改正/一九七〇年代の優生保護法改正反対闘争/岐阜大学胎児解剖実験/優生保護法に対する日本精神神経学会の意見/母体保護法へ/新型出生前診断に対する危惧
第四章 戦争の精神医学
第一次世界大戦とフロイト/戦争を遠ざける視点を堅持していたフロイト/第二次世界大戦とドイツ精神医学/ナチスの優生思想と反タバコキャンペーン/ベトナム戦争とアメリカ精神医学/精神医学は戦争から手を引くべきときに来ている
第五章 国家意思・戦争・精神医学――主に日本の場合
第二次世界大戦で日本の軍事精神医学が果たした役割/国家意思を体現した精神科医/若き神谷美恵子/現在の日本の民衆は戦争を求める必然性を持っていない/日本の殺人心理学/自衛隊と自殺/反-軍事精神医学
第三部 イデオロギーと精神医学
第六章 相模原殺傷事件の倫理学――社会・イデオロギー・精神病理学
平常と異常の境界は明確か/連合赤軍事件/ナチスによるT4作戦・人体実験・ユダヤ人絶滅収容所/ノルウェー連続テロ事件/事例の補足――シュレーバー/ナチズムが定着するまでの機序/イデオロギーと結合しても行動化しない場合/まとめと補足――トランプ米大統領をめぐる言説
終章 戦争と福祉国家の逆説――相模原殺傷事件の影
暴かれたアスペルガーとナチスとの関係/情性欠乏というレッテル/役に立つ子どもと立たない子どもはいかに分類されたか/戦争と福祉国家の逆説/再び相模原殺傷事件の〈思想〉について/優生思想と戦争/イデオロギーと行動と精神医学

内容(「BOOK」データベースより)
相模原殺傷事件をめぐり数々の議論がなされ、論考が発表されてきたが、本書は、植松の主張を真正面から"思想"として捉え、分析しているという点で他に類をみない。具体的には、植松の主張である「大麻を"地球の奇跡"とよび、必要性を訴えていること」「文面上は、戦争に反対していること」「障害者の殺害を安楽死という言葉をもちいて宣言していること」の3点を手がかりに考察。第一次世界大戦前後から現在に至るまでの政治、社会、精神医学分野での研究を参照し、なぜ彼がそう主張するに至ったか、その構造を解明する。
著者について
1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長、岐阜大学医学部精神病理学分野准教授などを経て、現在、岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター。自閉症スペクトラムの臨床研究、少年事件の精神鑑定、不登校・引きこもりの臨床社会的研究などに取り組む。日本児童青年精神医学会理事。雑誌「精神医療」(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員。主な著書に『発達障害は少年事件を引き起こさない』『精神鑑定とは何か』(ともに明石書店)、『やさしい発達障害論』(批評社)、『自閉症論の原点』(雲母書房)など多数。
著者略歴
(「BOOK著者紹介情報」より)
高岡/健
1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長、岐阜大学医学部精神病理学分野准教授などを経て、現在、岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター。自閉スペクトラム症の臨床研究、少年事件の精神鑑定、不登校・ひきこもりの臨床社会的研究などに取り組む。日本児童青年精神医学会理事。雑誌『精神医療』(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

しかく目次

第一部 相模原殺傷事件の〈思想〉
序章 相模原事件が問いかけるもの 事件の流れと〈思想〉 /三つの論点 /措置入院から退院までの経緯 /措置入院制度強化をめざす法改正の動き/
長期収容施設か地域移行か /植松の示す人間の定義と「秩序」 /植松は戦争に反対している /
大麻支持、反タバコ、反精神薬 第一章 〈思想〉の見取り図――大麻・戦争・障害者殺害 植松の〈思想〉とヒトラーの思想 /大麻解禁の意図 /スピリチュアルとエコロジー /ファシズムと戦争 /
トランプは〈リベラル〉の政治的交代者 /反ユダヤ主義と障害者殺しは別物 /
家族に対する「恩恵」としての安楽死 /「安倍晋三様のお耳に」とは何か 第二章 いかにして植松聖は〈思想〉を引き寄せたか
植松聖の個人精神病理 /行動とイデオロギーを引き寄せるモメント /軍隊と徴兵制を引き寄せるモメント /
美としての軍隊 /国民精神形成の戦争と現実の戦争との乖離 /植松が引き寄せたイデオロギー /
植松聖にとっての人種問題
第二部 優生思想と戦争
第三章 優生思想の精神医学
植松の〈思想〉は優生思想か? /イギリスとアメリカの優生思想 /北欧の優生思想 /
英米の優生思想とドイツの優生思想の共通点 /優生思想の日本への輸入 /中絶禁止法として機能した国民優生法 /優生保護法への道 /
優生保護法の成立と改正 /一九七〇年代の優生保護法改正反対闘争 /岐阜大学胎児解剖実験 /優生保護法に対する日本精神神経学会の意見 /母体保護法へ /新型出生前診断に対する危惧 第四章 戦争の精神医学
第一次世界大戦とフロイト /戦争を遠ざける視点を堅持していたフロイト/第二次世界大戦とドイツ精神医学 /
ナチスの優生思想と反タバコキャンペーン /ベトナム戦争とアメリカ精神医学 /
精神医学は戦争から手を引くべきときに来ている 第五章 国家意思・戦争・精神医学――主に日本の場合
第二次世界大戦で日本の軍事精神医学が果たした役割 /国家意思を体現した精神科医 /若き神谷美恵子 /
現在の日本の民衆は戦争を求める必然性を持っていない /日本の殺人心理学 /自衛隊と自殺 /反-軍事精神医学 第三部 イデオロギーと精神医学
第六章 相模原殺傷事件の倫理学――社会・イデオロギー・精神病理学
平常と異常の境界は明確か /連合赤軍事件 /ナチスによるT4作戦・人体実験・ユダヤ人絶滅収容所 /
ノルウェー連続テロ事件 /事例の補足――シュレーバー /ナチズムが定着するまでの機序 /イデオロギーと結合しても行動化しない場合 /まとめと補足――トランプ米大統領をめぐる言説 終章 戦争と福祉国家の逆説――相模原殺傷事件の影 暴かれたアスペルガーとナチスとの関係 /情性欠乏というレッテル /役に立つ子どもと立たない子どもはいかに分類されたか /戦争と福祉国家の逆説 /
再び相模原殺傷事件の〈思想〉について /優生思想と戦争 /イデオロギーと行動と精神医学

しかく引用



しかく書評・紹介



しかく言及





*作成:安田 智博
UP: 20190708 REV:
優生学・優生思想精神障害/精神医療7.26障害者殺傷事件×ばつ世界:関連書籍BOOK
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