『境界と暴力の政治学――安全保障国家の論理を超えて』
土佐 弘之 20160224 岩波書店,274+38p.
last update:20180105
■しかく土佐 弘之 20160224 『境界と暴力の政治学――安全保障国家の論理を超えて』,岩波書店,274+38p.
ISBN-10: 4000610902 ISBN-13: 978-4000610902 3600+税
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■しかく内容
領土問題や歴史と記憶の問題とがもつれ合いながら、対立を深めるアジアの政治。
その背景には、「境界」で再生産される「暴力」によって「我々」という国民意識を身体化するメカニズムが存在する。
グローバル内戦のもと過剰な安全保障国家化が進むなか、主権や領土の境界をめぐって暴力が再生産され、歴史修正主義を含む粗野な「現実主義」が横行している。
批判的国際関係論の立場から「現実主義」によって切り捨てられた"現実"に抗い、具体的な地域や問題に即して紡ぎ出された想像力の可能性を示す。
■しかく著者略歴
1959年、東京都生まれ。専門は国際関係論・政治社会学。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。現在、神戸大学大学院国際協力研究科教授
■しかく目次
序 動物化を昂進するグローバル内戦とそのメタ・ポリティクス
第 I 部 政治的暴力の現代的位相
I ポスト世俗化時代における原理主義的アイデンティティ・ポリティクス
II Gゼロ時代のユーラシアにおける文明的圏域の思想――動員されるジオボディ・ポリティクス
III クロノトポスの政治的変容――四千年文明国家と百年国恥地図
IV 方法としてのチベット
V 否認の政治と窪地からの声――マスキュリニティの危機との関連で
VI 現実を切り捨てる「現実主義」――マスキュリニティの再編との連関
第 II 部 「周辺化された現実」から「理想の力」へ
VII ジオボディ・ポリティクスの超克
VIII 「"非国‐民"の思想」の潜勢力――詩的想像力・再考
IX 交差するラインを超えて――人権ギャップ縮小を志向する政治
X 「戦後かつ戦中」における脱セキュリタイゼーションの可能性――国連安保理決議一三二五をめぐる問題から考える
XI 脆い生をケアする倫理――下からの平和な関係性の構築
XII 方法としてのゾミア――リヴァイアサンを内破する野生のデモクラシー
あとがきにかえて――過剰な安全保障国家化という問題について
初出一覧
注
■しかく関連書籍
■しかく引用
■しかく書評・紹介
■しかく言及
*作成:
北村 健太郎