last update:20150122
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■しかく西 成彦 20141205 『バイリンガルな夢と憂鬱』,人文書院,277p. ISBN-10:4409160966 ISBN-13:978-4409160961 2800+
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[kinokuniya] ※(注記)
■しかく内容
複数言語状況に陥った文学者たちの表現をめぐる選択や闘争―言語的な生に肉薄するディアスポラ文学批評。
(出版社内容情報)
本書が扱うバイリンガルはエリートではない。植民地や移民、亡命の結果として、好むと好まざるとにかかわらずバイリンガルであり、あるいはそういった多言語が行き交う状況を、小説という一言語使用が原則の形式で描くという、ある種不可能な命題に挑んだ作家たちである。
具体的には、アイヌ神謡集の知里幸恵、植民地台湾の複雑な言語状況を描いた佐藤春夫と呂赫若、「故郷」朝鮮からの引揚げ作家、金石範、李恢成ら在日作家、移民国家アメリカの日系人作家などである。とはいえ、ハーンやフォークナー、コンラッド、リービ英雄など欧米の文学の試みと比較しながら、いわゆる「在日文学」「外地文学」としてではなく、「ディアスポラ」によって特徴づけられる20世紀の世界文学として論じている。文学の本質に迫る批評であるとともに、ディアスポラ、とりわけアジアン・ディアスポラ研究にも貢献する、比較文学者の著者ならではの野心作。
■しかく目次
1 バイリンガルな白昼夢
2 植民地の多言語状況と小説の一言語使用
3 カンナニの言語政策――湯淺克衞の朝鮮
4 バイリンガル群像――中西伊之助から金石範へ
5 在日朝鮮人作家と「母語」問題――李恢成を中心に
6 「二世文学」の振幅――在日文学と日系文学をともに見て
■しかく引用
■しかく書評・紹介
◆だいやまーく池澤 夏樹 2015年01月11日
「書評 西 成彦『バイリンガルな夢と憂鬱』」,『毎日新聞』書評欄(2015年1月11日) > 人文書院・書評掲載『バイリンガルな夢と憂鬱』(毎日新聞)
http://www.jimbunshoin.co.jp/news/n10574.html
■しかく関連文献
◆だいやまーく立命館大学生存学研究センター 編 20140331
『生存学』 Vol.7,生活書院.> 特集1:マイノリティと言語
*作成:
安田 智博