last update: 20190514
■しかく角崎 洋平・
松田 有紀子 編 20120320 『歴史から現在への学際的アプローチ』,生存学研究センター報告17,431p. ISSN 1882-6539
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■しかく目次
現在としての歴史──まえがきにかえて ......
角崎 洋平 5-14
第一部 歴史をどのように記述するか――歴史社会学研究会公開研究会記録
◆だいやまーく[講演] 歴史社会学の方法論 ......
福間 良明 18-76
◆だいやまーく[講演] インターディシプリンな歴史叙述 ......
石原 俊 77-127
第二部 論文集
◆だいやまーく死刑執行方法の変遷と物理的/感情的距離の関係 ......
櫻井 悟史 130-149
◆だいやまーく犯罪被害者の法的救済についての歴史的考察
――明治期の新派刑法学の思想的特徴から ......
大谷 通高 150-174
◆だいやまーく二つの貧困対策
――戦後創設期の社会福祉制度運用における羈束と裁量、または給付と貸付 ......
角崎 洋平 175-207
◆だいやまーく日本人の不在証明と不在の日系人 ......
石田 智恵 207-241
◆だいやまーく戦中期における少女の化粧
――『少女の友』からの一考察 ......
小出 治都子 242-262
◆だいやまーく日本のセルフヘルプグループ言説の歴史社会学
――1970 年から現在まで ......
中田 喜一 263-283
◆だいやまーくプロレタリア音楽家同盟における移動音楽隊の実践 ......
西嶋 一泰 284-306
◆だいやまーく芸妓という労働の再定位
――労働者の権利を守る諸法をめぐって ......
松田 有紀子 307-332
◆だいやまーく変貌する集合的主体
――パナマの東部先住民エンベラの現代史に関する一考察 ......
近藤 宏 333-371
◆だいやまーく体制転換期モンゴルの家畜生産をめぐる変化と持続
――都市周辺地域における牧畜定着化と農牧業政策の関係を中心に ......
冨田 敬大 372-407
◆だいやまーく体制の歴史を描くこと
――近代日本社会における乞食のエコノミー ......
天田 城介 408-427
◆だいやまーくあとがき ......
松田 有紀子 428-431
■しかく編者より
本書が「歴史」をテーマに扱うのは、単にある過ぎ去った時代を懐かしんだりするためではありません。本書に掲載された、多様な問題の歴史(たとえば、死刑・被害者救済・貧困対策・日系人移民・化粧品広告・セルフヘルプグループ)や多彩なフィールドの歴史(たとえば、モンゴル牧畜社会・パナマ先住民・民俗芸能・花街)は、「現在」の体制や社会を写し出すものとして書かれています。加えて本書は、歴史社会学者の福間良明氏(立命館大学)、石原俊氏(明治学院大学)の講演も収録し、歴史記述(叙述)の方法論についての議論も掲載しています。筆者たちの歴史記述が、うまく「歴史」から「現在」を照射できているのか、ご意見やご批判をいただければ幸いです。
■しかく執筆者一覧
◆だいやまーく天田 城介 (あまだ・じょうすけ) 1972年生
立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。社会学。著書として『〈老い衰えゆくこと〉の社会学』(多賀出版、2003 年→ 2010 年に増補改訂版)、『老い衰えゆく自己の/と自由』(ハーベスト社、2004 年→ 2011 年に第二版)、『老い衰えゆくことの発見』(角川学芸出版、2011 年9 月)、天田城介・北村健太郎・堀田義太郎編『老いを治める――老いをめぐる政策と歴史』(生活書院、2011 年3 月)などがある。
◆だいやまーく櫻井悟史 (さくらい・さとし) 1982年生
立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員DC2。歴史社会学。著書に、『死刑執行人の日本史――歴史社会学からの接近』(青弓社、2011 年)、共編著に『特別公開企画 アフターメタヒストリー――ヘイドン・ホワイト教授のポストモダニズム講義』生存学研究センター報告第13 号(生活書院、2010 年)、『聴覚障害者情報保障論――コミュニケーションを巡る技術・制度・思想の課題』生存学研究センター報告第16 号(生活書院、2011 年)などがある。
◆だいやまーく大谷 通高 (おおたに・みちたか) 1979年
生立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程。社会学。論文に、「犯罪被害者の救済におけるケア・試論――〈被害〉についての考察から」(『ケアと/の倫理』生存学研究センター報告11 号、2009 年)、「社会的な救済の対象として「犯罪被害者」が現れる契機について――60・70 年代の日本の被害者学と補償論の考察から」(『コア・エシックス』vol.4、2008 年)などがある。
◆だいやまーく角崎 洋平 (かどさき・ようへい) 1979年生
政府系金融機関勤務を経て、現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員DC2。福祉政策論・福祉理論。論文に、「庶民金庫の貨幣貸付に対する『潜在能力』アプローチ――グラミン銀行との比較における考察」(『コア・エシックス』vol.5、2009 年)、「なぜ〈給付〉ではなく〈貸付〉をするのか?――Muhammad Yunus の〈貸付〉論と「市場社会」観の検討」(『コア・エシックス』vol.6、2010 年)がある。
◆だいやまーく石田 智恵 (いしだ・ちえ) 1985年生
立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員DC1。文化人類学。論文に、「「日系人」という生き方、日系人の生き方」(『生存学』vol.2、2010 年)、「戦後日本における「日系人」の誕生――1957 年「海外日系人大会」開催の意味」(『移民研究年報』(日本移民学会)16、2010 年)、「1990 年入管法改正を経た〈日系人〉カテゴリーの動態――名づけと名乗りの交錯を通して」(『コア・エシックス』vol.5、2009 年)などがある。
◆だいやまーく小出 治都子 (こいで・ちとこ) 1984年生
立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程。化粧文化論。論文に、「化粧する「少女」――レート化粧品の販売戦略――」(『大正イマジュリィ』(大正イマジュリィ学会)4 号、2009 年)、「高等女学校の美育からみる「少女」と化粧の関係」(『コア・エシックス』vol.7、2011 年)がある。
◆だいやまーく中田 喜一 (なかだ・きいち) 1982年生
立命館大学大学院院先端総合学術研究科博士課程。社会学。論文に、「オンラインセルフヘルプグループの可能性」(『コア・エシックス』vol.5、2009 年)などがある。
◆だいやまーく西嶋 一泰 (にしじま・かずひろ) 1985年生
立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程。民俗芸能研究。論文に、「一九五〇年代の文化運動のなかの民俗芸能――原太郎と「わらび座」の活動をめぐって」(『コア・エシックス』vol.6、2010 年)、「「歴史」の受容論としての国民的歴史学運動と生活記録運動――ヘイドン・ホワイトの「歴史」概念の検討から」(『特別公開企画 アフターメタヒストリー――ヘイドン・ホワイト教授のポストモダニズム講義』生存学研究センター報告第13 号、2010 年)などがある。
◆だいやまーく松田 有紀子 (まつだ・ゆきこ) 1985年生
立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程・日本学術振興会特別研究員DC1。文化人類学。論文に、「「花街らしさ」の基盤としての土地所有――下京区第十五区婦女職工引立会社の成立から」(『コア・エシックス』vol.6、2010 年)などがある。
◆だいやまーく近藤 宏 (こんどう・ひろし) 1982年生
立命館大学大学院先端総合学術研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員DC2。文化人類学。論文に、「鳥の声を聞く─―パナマ東部先住民エンベラにおける動物をめぐる言説の諸相」(『生存学』vol.4、2011 年)、「他者の歴史を人類学者が問うことについて――口承研究に見る主体モデルの検討」(『コア・エシックス』vol.5、2009 年)、翻訳にクロード・レヴィ=ストロース「親族研究の未来」(『思想』1016、2008 年)などがある。
◆だいやまーく冨田 敬大 (とみた・たかひろ) 1983年生
立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー。文化人類学、牧畜社会研究。論文に、「家畜とともに生きる――現代モンゴルの地方社会における牧畜経営」(『生存学』vol.2、2010 年)、"A Conflict between Migration and Settlement ?: Pasture Usageand Management in Post-Socialist Mongolia,"(Papers of International Committee of Pre-Ottoman and Ottoman Studies (CIEPO) Interim Symposium, the Central Asiatic Roots ofthe Pre-Ottoman and Ottoman Culture, 2011 年)などがある。