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『ドライアイ&ドライマウス』

中川 洋一 編 斎藤 一郎・坪田 一男 監修 20090521 永末書店,120p.

last update:20131208

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しかく中川 洋一 編,斎藤 一郎・坪田 一男 監修 20090521 『ドライアイ&ドライマウス』,永末書店,120p. ISBN-10:4816011919 ISBN-13:978-4816011917 3800円+税 [amazon]/[kinokuniya] (注記) sjs

しかく内容紹介

(「amazon」より)
ドライアイとドライマウス、何が共通でどこが異なるのか。
共通する部分と異なる部分を比較しながら明らかにしていきます!

ドライアイは眼科でみてもらえることはすぐにわかりますが、ドライマウスが歯科でみてもらえるという認識は少しずつ浸透してきているという状況です。ドライマウスはシェーグレン症候群のような全身疾患やストレスが原因で起こることが多いので、内科、眼科、精神科などと協力して診察を進める必要があります。その際、症状が主に口に現れるので、歯科医療関係者は他科との連携をマネージメントすることが求められます。
本書は涙と唾液の役割や、発症の原因に共通点の多いドライアイとドライマウスを取り上げ、見開き形式で診察と検査の手順、観察方法のポイント、治療法などについて比較しながらわかりやすく解説しました。理解を深めるための知識書として、患者さんへの治療の説明書として最良の一冊です。

しかく目次

?T.ドライアイとは? ドライマウスとは?
[ドライアイ]
1. ドライアイの定義・診断基準...4
2. 自覚症状...6
3. ドライアイを放っておくと?...8
[ドライマウス]
1. ドライマウスの定義・診断基準...5
2. 自覚症状...7
3. ドライマウスを放っておくと?...9

?U.涙は何のためにあるの? 唾液は何のためにあるの?
[ドライアイ]
1. 涙の役割...14
2. 涙の3層構造...18
3. 涙液分泌のメカニズム...22
4. 分泌された涙液はどうなる?...22
[ドライマウス]
1. 唾液の役割...15
2. 唾液の分泌...19
3. 唾液分泌のメカニズム...23
4. 分泌された唾液はどうなる?...23

?V.ドライアイの原因・ドライマウスの原因
[ドライアイ]
1. ドライアイのタイプ...28
2. ドライアイの原因になる疾患...32
3. ドライアイの原因で多いのは?...44
[ドライマウス]
1. ドライマウスのタイプ...29
2. ドライマウスの原因になる疾患...33
3. ドライマウスの原因で多いのは?...45

?W.検査・診断
[ドライアイ]
1. 診察と検査の手順...50
2. 細隙灯顕微鏡...54
3. シルマーテスト(Schirmer test)...66
4. 涙腺生検・口唇生検(アイ・マウス共通)...72
5. 血液検査(アイ・マウス共通)...74
[ドライマウス]
1. 診察と検査の手順...51
2. 目で見た口の観察(視診)...55
3. 唾液分泌検査...67
4. 涙腺生検・口唇生検(アイ・マウス共通)...73
5. 血液検査(アイ・マウス共通)...74
6. 耳下腺造影...75
7. 唾液線シンチグラフィー...75

?X.治療・対処法
[ドライアイ]
1. ドライアイへの対処のコンセプト...80
2. 人工涙液...82
3. ヒアルロン酸点眼...88
4. 血清点眼...90
5. 油性点眼...94
6. ドライアイ用眼鏡アダプター...96
7. MGDや眼瞼炎の治療...98
8. 涙点プラグ、涙点閉鎖...100
[ドライマウス]
1. ドライマウスへの対処のコンセプト...81
2. 人工唾液...83
3. 唾液分泌促進薬...91
4. 自分で行う口腔ケア...95
5. 保湿装置(リザーバー・バイトガード)...97
6. 口腔粘膜の炎症への対処...99
7. 涙点閉鎖のような治療はドライマウスにはあるの?...101

付録
シェーグレン症候群診断基準...104
耳下腺造影...107
唾液線シンチグラフィー...108

引用文献...109
索引...110

しかくSJSに関連する部分の引用

(pp32-36)
2. ドライアイの原因になる疾患
(1) シェーグレン症候群(アイ・マウス共通)
(2) 慢性移植片対宿主病(GVHD、アイ・マウス共通)
近年、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患に対する治療法として、造血幹細胞移植が行われています。GVHDはその術後合併症として発症します。ドナーから移植した骨髄に含まれるリンパ球が、患者さんを非自己と認識して、免疫学的な障害を与えるので す。GVHDには、術後100日以内に発症する急性と、100日以降に発症する慢性があります。
慢性GVHDの眼合併症として、ドライアイ、マイボーム腺機能不全(p.34を参照)、急性結膜炎*5、角膜潰瘍、白内障、鼻涙管閉塞*6、慢性涙嚢炎*7、兎眼などが報告されていますが、中でも、ドライアイを発症することが最も多いです(図?V‐7)。
[p34>
(3) スティーブンス・ジョンソン症候群
薬剤やウィルスなどが原因で皮膚・粘膜・眼症状を引き起こす症候群です。眼症状として、急性期には急性結膜炎を引き起こしますが、慢性期に入ると、重症なドライアイや瘢痕性角結膜症*8を引き起こします(図?V‐10)。
[p36>
図?V‐10 スティーブンス・ジョンソン症候群
血管が角膜に侵入(角膜はもともと無血管)して角膜混濁を起こしている。マイボーム腺機能不全も合併しており、眼瞼腺が不整になっている。
(写真省略)


(p44)
*8 瘢痕性角結膜症
熱傷、化学腐蝕やスティーブンス・ジョンソン症候群などにより、角膜上を結膜上皮が覆ってしまう状態。重症例では、角結膜上皮が皮膚のようになってしまう。


(p88)
3. ヒアルロン酸点眼
ドライアイのための点眼薬で唯一の医療用医薬品です。ヒアルロン酸ナトリウムは、目の表面に涙を安定的に乗せておく作用があり、優れた保水性を持っているため、人工涙液と併用することが望ましいです。
ピアレイン?点眼液0.1%(図V‐8)は防腐剤が添加されており、ヒアレイン?ミニ点眼液0.1%(図?X‐9)、ヒアレイン?ミニ点眼液0.3%(図?X‐10)は防腐剤が添加されていません。ヒアレイン?ミニ点眼液0.1%、ヒアレイン?ミニ点眼液03%の保険適応は、シェーグレン症候群とスティーブンス・ジョンソン症候群に限られています。


*作成:植村 要
UP:20131208 REV:
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