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『ひとすじの光――こういちのアトピー日記』

山戸 ともこ 20080101 日本文学館,132p.

last update:20111105

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しかく山戸 ともこ 20080101 『ひとすじの光――こういちのアトピー日記』,日本文学館,132p. ISBN-10: 477651575X ISBN-13: 978-4776515753 [amazon]/[kinokuniya] sjs

しかく内容(「BOOK」データベースより)


この子の体はこの子のせいでも遺伝でもない!医学がつくりあげた病気のひとつなのだ!治すためには薬の排泄、それしか方法がない。排泄(リバウンド)を促してあげるその方法とは...。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山戸 ともこ
1963年生まれ。広島出身。二人の男児にめぐまれ、専業主婦。平凡な生活に、アトピーという病魔と戦い、奮闘し、その中で公募や投稿などにチャレンジしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

しかく目次



はじめに 1

第一章 長男ゆうき出産。そして次男こういち出産、アトピー発症 6
第二章 こういち、ついに入院 15
第三章 HMSとの出会い 23
第四章 リバウンド地獄 34
第五章 洗剤サプリメント他いろんな人が近づいてくる 42
第六章 二〇〇四年の変化 50
第七章 私にもリバウンドが! 61
第八章 二〇〇五年こういち幼稚園入園ゆうき小学校入学 73
第九章 急性糸球体腎炎で入院 88
第十章 二〇〇六年四年目・喘息の巻 103

さいごに 122

しかく著者プロフィール(「奥付」より)


山戸 ともこ(やまと ともこ)
1963年生まれ。広島出身。
二人の男児にめぐまれ、専業主婦。
平凡な生活に、アトピーという病魔と戦い、奮闘し、その中で公募や投稿など、チャレンジまっ最中。

しかくSJSに関連する部分の引用



(pp88-92)
第九章 急性糸球体腎炎で入院

総合病院で受付を済ます。待合室で携帯をかける。津吉さんにかけた。男の人が出て今日は遅い出勤らしい。理由を説明する。津吉さんだったら、今までの事を話していたから話は早いのだが、他の人となるとどこから説明したらいいのかという具合で、肝心なところで通話が切れた。電波が届かない。主人に電話した。主人は、びっくりはしていたが病院の指示を仰ぐしかない、と言う。頭が少しパニくった。薬を入れるのは絶対嫌だ! ほとんどの病気は薬を飲まなくても治る。それは吉野先生の本以外の方の本にもたくさん出ている。
「山戸さん」名前が呼ばれ、診察室に入る。待っている間尿を採った。医師は「腎炎ですね。血尿も出ていますし、おしっこが体に貯まっているので、安静にしていなければなりません。入院されますか? 熱もあるので入院しときましょうか」と言われた。安静は家ではできない。腎臓が弱くなってると思った時から五日間。頑張ってCWをかけ、温めた。[p89>だがどんどん悪くなっていくのが目に見えてわかった。それに熱が出る前も外でサッカーをして遊んだ。疲れやすかったが少し休んではまた走っていた。私にはできない。ここで安静にして寝る環境を整えてあげた方が良いか......と頭の中でブツブツ言っている。その後、「はい」という返事がやっと出た。
病室へ案内される。うわ、ここはゆうきがHMS始まる前にインフルエンザで、一日だけ入院した部屋だ。細長い部屋、間口から、そのまま伸びているだけの狭い病室、私が横になったら届きそうな感じ。すぐ検査室に入った。大泣きしている、耳が痛い。うずくまりたくなるほど辛くなる。採血だ。注射なんて初めての経験。部屋にもどった。看護師さんが連れてきてくれた時には、もう笑顔になっていた。医師が来た。「喉の粘膜を調べたら溶連菌が出ました。急性糸球体腎炎と思われます。治療は、一日水は六〇〇ミリリットル、抗生剤を飲んで細菌をやっつけて、血圧が高いので、それも考えましょう。とにかく細菌をやっつけないことには、治りませんから」と言われた。
看護師さんが来て、抗生剤のことについて聞かれ、私は「セフゾンという薬で、発疹が出たことがあるので、それはちょっと......」と言ってみた。まるっきり飲ませるつもりはないが、一応言ってみる。[p90>
こういち、熱が高い。肩で息をしている。ぐったりしている。主人が入院準備をして病室に来た。すごく心配している。こういちも父さんがいいと言うので、交代に付き添いをしようかとも言っていた。水もニリットルのボトルを四本、波動酒、タンポポヨモギも持ってきてもらう。医師にどれぐらいかかるか聞くと、半年はみてもらわないと、入院は三カ月ぐらいか、と言うので、おい、おい、こんな所おられんじゃろ......。
まぁとりあえず医師に、薬は飲ませたくないと言ってみた。いろんな薬を入れられては困るからだ。看護師と医師の態度が変わった。少し変わり者を相手にするという感じだろう。
二十九日、おしっこは朝五〇?tしか出ない。波動酒とヨモギを飲む時だけ水分を摂る。看護師さんが「咳が酷く、体に酸素が入ってませんよ」と酸素計を持ってきて言う。九四だ。普通は一〇〇にならないといけないらしい。私が薬を嫌うので、生理水だけの吸入をしましょうと言われた。が、薬の説明や、私の考えを聞いてくる。薬の副作用、スティーブンス・ジョンソン症候群の話をした。看護師は全く知らなかった。そして、一つの薬を嫌がって、他の薬もというのは、どうかと思う。いろいろあるのですからやってみないとわかりませんよ、と説得力のない言葉が返ってきた。メイアクトが出た。津吉さんに聞く[p91>とセフェム系の薬で、セフゾンと同じ分類の薬を勧めるなんて......と、知らないとゾッとする話しである。
御飯を食べてくれない。三八・八度と下がらず、又採血した。鼻の下に透明なブツブツ。主人は「体力がおちとるんよ。ヘルペスじゃろ。こんなんで闘えるんか? 薬で助けてあげんといけんのじゃないか?」と言われ、津吉さんにメールを送る。メール返信は、「吉野先生に検査の事、一日の経過などを伝え、白血球(WBC)が増えているのは炎症が起こっているので当然のことです。そうならないと自然治癒しませんからこの値が増えても心配しないでください。全血ケトン値が悪いのは、食事が摂れてないので仕方ありません。でも抵抗力が落ちるわけではないといえるのは、熱がずっと上がった状態を維持している事から分かると思います。尿素窒素、尿酸値、CREは昨日と変わらず安定していると言う事は腎臓は炎症を起こしながらもちゃんと機能しています。ですから抗生剤等は飲まない方が良いというのが吉野先生からのコメントです。気管支拡張剤は『痙攣で死亡』などの副作用がここのところマスコミでくり返し取り上げられていて、慎重投与が言われています。今の状態で薬を飲ませる方が危険という吉野先生の考えは昨日と変わりません。波動電解水をできるだけたくさん飲ませて、徹底して温める(パジャマの上からなら両方の[p92>腎臓の上とお腹にカイロを貼ったままで大丈夫)ことをしてください。今夜あたりが山ではないかとのことです。薬を飲むか飲まないかは最終的にはご両親の決断ですが、後から後悔することのないように、よくよく話し合ってください。 津吉」(メール文そのまま)


*作成:植村 要
UP: 20110920 REV: 20111105
スティーブンス・ジョンソン症候群 (SJS)病者障害者運動史研究BOOK
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