『石牟礼道子全集・不知火 第2巻 苦界浄土 第一部・第二部』
石牟 礼道子 20040430 藤原書店,660p.
last update: 20100513
■しかく石牟 礼道子 20040430 『石牟礼道子全集・不知火 第2巻 苦界浄土 第一部・第二部』,藤原書店,622p ISBN-10: 4894343835 ISBN-13: 978-4894343832 6500円
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■しかく出版社/著者からの内容紹介
これはまずもって受難・受苦の物語だ。水俣のチッソという私企業の化学プラントからの廃液に含まれた有機水銀による中毒患者たちの苦しみ、そこから必然的に生まれる怒りと悲嘆、これがすべての基点にある。この苦しみと怒りと悲嘆を作者は預かる。あるいは敢えてそれに与る。彼女の中でそれらは書かれることによって深まり、日本の社会と国家制度の欺瞞を鋭く告発する姿勢に転化する。その一方で、作者はこの苦しみを契機として人間とはいかなる存在であるかを静かに考察し、救いとは何かを探る側へも思索を深めてゆく。読む者はまるでたった一人の奏者が管弦楽を演奏するのを聞くような思いにかられる。なんと重層的な文学作品を戦後日本は受け取ったことか。(BOOKデータベース)
■しかく著者情報
■しかく目次
第一部 苦界浄土
第一章 椿の海 8
山中九平少年 8
細川一博士報告書 25
四十四号患者 33
死旗 40
第二章 不知火海沿岸漁民 58
舟の墓場 58
昭和三十四年十一月二日 73
空へ泥を投げるとき 89
第三章 ゆき女きき書 102
第四章 天の魚 137
第五章 地の魚 170
潮を吸う岬 170
さまよいの旗 182
草の親 191
第六章 とんとん村 204
第七章 昭和四十三年 219
水俣病対策市民会議 219
いのちの契約書 231
てんのうへいかばんざい 245
満ち潮 251
あとがき(初版)255
あとがき(文庫版) 259
〔資料〕紛争調停案「契約書」(昭和三十四年十二月三十日) 260
第二部 神々の村
第一章 葦舟 264
第二章 神々の村 310
第三章 ひとのこの世はながくして 391
第四章 花ぐるま 454
第五章 人間の絆 526
第六章 実る子 550
『苦海浄土』関連地図 608
解説 池澤夏樹 609
後記 622
■しかく引用
■しかく書評・紹介・言及
*作成:
森下 直紀