『ホームレス/現代社会/福祉国家――「生きていく場所」をめぐって』
岩田 正美 20000325 明石書店,336p.
[Korean]
■しかく岩田 正美 20000325 『ホームレス/現代社会/福祉国家――「生きていく場所」をめぐって』,明石書店,336p. ISBN-10: 4750312665 ISBN-13: 978-4750312668 3675円
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[kinokuniya] ※(注記) e03
■しかく内容(「BOOK」データベースより)
それは新宿だけではない。上野、池袋、隈田川、多摩川など都内のあらゆる駅、河川、公園に、つかの間の「生きていく場所」を求めていく人々は、増え続けている。またそれは東京だけではない。この二、三年の大阪の公園や路上は、東京を超える数の「家のない人々」のテントや段ボールハウスに占領されている。福岡や名古屋で、横浜や川崎でも、同じことが生じている。しかし都市のこれらの公共空間の「ハウス」や路上を、むろん「家」とは呼ばない。そこは彼らの「生きていく場所」ではないと、われわれの「社会」はいうのである。では、彼らはどこで生きていけばよいのだろうか。
内容(「MARC」データベースより)
増え続けるホームレスの問題を、個々のヒューマン・ストーリーとしてではなく、現代社会または福祉国家との関係で分析。個々の物語を解体し、その共通項を現代社会の文脈の中に置き換え直す。
■しかく目次
第一章 「生きていく場所」
第二章 「ホームレス」状態にある人々
第三章 「路上で生きる」ということ(1) 場所と移動
第四章 「路上で生きる」ということ(2) 生活必需品とその調達・健康状態・仕事
第五章 「路上で生きる」ということ(3) 路上でのつきあい・トラブルと危険・女性たち
第六章 「ホームレスになる」という経験
第七章 考察――抵抗と同調
第八章 「ホームレス」と福祉国家
■しかく引用
「もちろん「ホームレス」型の貧困も生活保護法は排除していない。生活保護法は「居宅保護」を原則としており
、その実施義務は行政の便宜上当該被保護者の住所のある地域を管轄する福祉事務所とされているが、これはあくま
で行政側の便宜であって、住所をもつことが保護適用の条件になっているわけではない。この誤解が生じないように
、生活保護法には住所の明らかな場合でも困窮しているその場=現在地を基点として保護を開始するといういわゆる
「現在地保護」という規定がある。「ホームレス」問題が取り上げられた当初「ホームレス」には生活保護は適用さ
れないというマスコミ報道などもあったが、それは間違いである。「ホームレス」から保護の申請があった場合、た
とえ住所が明らかでなくても、その生活困窮についての「要否判定」をケースごとに行い、必要とされれ(p.288)
ば保護を適用する、というのがわが国の生活保護法の少なくとも法律としてのたて建て前である。」(pp.288-289)
■しかく書評・紹介
■しかく紹介・言及
橋口 昌治 200908
「格差・貧困に関する本の紹介」, 立岩 真也編
『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社
*作成:
橋口 昌治