『ひとりのひとを哀しむならば』
大澤 恒保 19990405 河出書房新社,234p.
last update:20170124
■しかく大澤 恒保 19990405 『ひとりのひとを哀しむならば』,河出書房新社,234p. ISBN-10: 4309012787 ISBN-13: 978-4309012780 1600+
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[kinokuniya] ※(注記) vhl, n02, hsm
■しかく内容
河出書房HP:
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309012780/
発病自体が稀有とされる不治の病いで、母と2人の弟を失い、いままた同じ病いで死を待つ身となった著者が、人生の不条理を凝視しつつ自らの生死を見究める、吉本ばなな氏推賞の半生の記!
内容(「BOOK」データベースより)
母と、二人の弟たちと、そして僕自身への鎮魂歌。蓮如上人滅後五百年記念・ノンフィクション文学賞第五回蓮如賞佳作受賞。
内容(「MARC」データベースより)
愛する家族の死がくれた、「書く」という習慣。かつて傾倒した西東三鬼の俳句や散文に同質の波長を感じとり、三鬼と戯れながら書き続けた、母と二人の弟たち、そして自分自身への鎮魂歌。第5回蓮如賞佳作受賞作品。
内容(「BOOK」データベースより)
母と、二人の弟たちと、そして僕自身への鎮魂歌。蓮如上人滅後五百年記念・ノンフィクション文学賞第五回蓮如賞佳作受賞。
内容(「MARC」データベースより)
愛する家族の死がくれた、「書く」という習慣。かつて傾倒した西東三鬼の俳句や散文に同質の波長を感じとり、三鬼と戯れながら書き続けた、母と二人の弟たち、そして自分自身への鎮魂歌。第5回蓮如賞佳作受賞作品。
受賞 第5回蓮如賞佳作 / 全国学校図書館協議会選定図書
著者:大澤 恒保 (オオサワ ツネヤス)
1949年、群馬県生。東京外国語大学卒。肉体が許すぎりぎりの最近まで学習塾主宰。著書に「三鬼試論」(別冊俳句四季『西東三鬼の世界』所収)、対談集『ことばだけではさびしすぎる』がある。
■しかく目次
一、雪の病棟
二、独り信仰
三、五年という幽霊
四、笑顔の先行者
五、ヒトの輪
六、みんな消える
七、ヨブを超えて
著者あとがき 220
「ひとりのひとを哀しむならば」を読んで 吉本ばなな 229
■しかく引用
「今までに純と僕はあちこちの病院でさまざまな病名をもらったが、それらはいわば全体の中の部分に過ぎなかったらしい。それらの病気全部を含むものとして、最終的に「リンドー病」という名前が僕らに与えられた。これを「発見」したG大病院の若い医師は「世界的にも数例しかない」と言っていた。よくは判らないがどうやら僕らは天然記念物並みの存在らしいのだ。これはなにやら花の名前みたいだが、実体はまるで美しくなく、脳腫蕩、脊髄腫傷、脊髄空洞症、胃癌、肺癌......などと、まがまがしい名の病気を併発し、しかも、遺伝しないはずなのに家族的に発症するという途方もない病気なのだそうだ。
結局、僕らを苦しめてきたこれまでのものは、このリンドー病という天然記念物並みの珍花の、その枝一本か、ひとひらの花弁に過ぎないということになった。何ともばかばかしい話だ。要するに、パラもサクラも花のうち、と言っているに等しく、未解決の凶悪事件にこの名前が付いたに過ぎない。元凶は「リンドー病です」と言われても、「不明です」と言われても、あるいはまた「ヤクザ坊主です」と言われたとしても、まったく同じことだった。要するにどうにも対処しようがないのだ。
そして、いつの間にかこのリンドー病という名の世界で先行者になり、僕の前を走り続けて
△しろさんかく089 きた純が今最期のベッドにいる。僕らは、今日か明日かと「そのとき」を恐れながら病院に通い続けた。」(pp.89-90)
■しかく書評・紹介
■しかく言及
*作成:岩?ア 弘泰