『わが罪 農薬汚染食品の輸入認可――厚生省食品衛生調査会元委員長の告白』
山本 俊一 19980220 真菜書房,174p.
■しかく山本 俊一 19980220 『わが罪 農薬汚染食品の輸入認可――厚生省食品衛生調査会元委員長の告白』,真菜書房,174p. ISBN-10: 491607419X ISBN-13: 978-4916074195 1890
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■しかく内容(「BOOK」データベースより)
こんな日本に誰がした。経済大国の裏にはあなたの健康の犠牲が...。今や日本は危機的状況。あなたの健康を蝕んできた農薬汚染食品、その輸入を認可した老衛生学者の悔恨の告白。
内容(「MARC」データベースより)
「自動車輸出」と引き換えに、「ポストハーベスト農薬づけの食品」の輸入が続けられてきた。「坊ちゃん」になぞらえて書き綴られた「レモン戦争」の内幕。農薬汚染食品の輸入を認可した著者の悔恨の告白。〈ソフトカバー〉
■しかく引用
「私は短い人生の中で大事件に遭遇したことが三度ある。
第一回目はホームレスの人たちの病気を治すために、東京浅草の浮浪者収容所に住み込んだ。この記録は単行本として残した(『浮浪者収容所』中公新書)
第二回目は東大紛争である。この記録は医学雑誌に掲載した。
第三回目は食品衛生調査会の委員長になったことである。私は昭和五三年当時の厚生大臣に農薬汚染輸入食品を認めるよう進言した諮問委員長を務めた責任がある。
最近HIVウイルス汚染血液製剤の輸入を認めるよう大臣に進言した委員長が叩かれたので恐れをなしたわけではないが、良心が咎めるので自ら告白しようと思った次第である。
この本の表題は、もともとは『価値の狭間で』と名づけるつもりであった。「経済的価値と健康的価値の狭間で」という意味である。人間にとって経済も健康もどちらも高い価値を持っているが、世の中の人は目先の経済を優先する。
私の専門は「衛生学」である。「生を衛る学問」と書く。特に最近の経済優先の世相を苦々しく思っている一人であり、そのために本書を書いたといってよい。」(山本[1998:2])