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■しかくCrary, Jonathan, 1992 Techniques of the Observer: On Vision and Modernity in the Nineteenth Century, The MIT Press, October Books. =20051115 遠藤 知巳 訳 『観察者の系譜――視覚空間の変容とモダニティ』, 以文社 ISBN-10: 4753102459 ISBN-13: 978-4753102457 3360 [amazon] [kinokuniya] ※(注記) b
「この本は、一九九七年に金沢の十月社から刊行された『観察者の系譜』の再販である」(p.293)

■しかく以文社のHP
http://www.ibunsha.co.jp/index.html
トップページ下のほうに本書の紹介があります(2008年4月12日現在)。

◇コロンビア大学のジョナサン・クレーリー氏のページ
http://www.columbia.edu/cu/arthistory/html/dept_faculty_crary.html

■しかく目次
謝辞

第一章 近代と観察者の問題
視覚の変容――現在の風景
歴史への問い
「モダニズム」の神話と構造
歴史的形象としての観察者(observer)
「切断」の意味
身体−機械の配置=配列の歴史へ
十九世紀近代のかたち――記号の「解放」
視覚の近代
観察者の編成と規律訓練
フーコーの盲点――「スペクタクル」概念の再検討へ
ベンヤミンにおける絵画の不在
芸術史という装置
ニーチェと「現代」の危機

第二章 カメラ・オブスキュラとその主体
視覚の連続モデル
カメラ・オブスキュラの秩序
装置としてのカメラ・オブスキュラ
言表と技術的/身体的実践
カメラ・オブスキュラと写真機
模写機能の周縁性
遠近法とカメラ・オブスキュラ
「北方ヨーロッパ」仮説の解体
デラ・ポルタの「自然魔術」
暗室と内面性
視点の不在/視線の充満
精神作用の比喩としての暗室
カメラ・オブスキュラ的絵画――フェルメール
デカルトの奇怪な「実験」
バークリーの視覚理論との関連
古典主義時代の知のシステムとカメラ・オブスキュラ
視覚と触覚――十八世紀の「モリヌー問題」
ディドロの「盲人書簡」
触覚的視覚の絵画――シャルダン
透明性と屈折
「眼の無垢」の不在

第三章 主観的視覚と五感の分離
転倒の開始――ゲーテの『色彩論』
主観的視覚と不透明性の領域
生理学的心理学の誕生――メーヌ・ド・ビラン
生理学理論の徹底――ショーペンハウアー
美学と生理科学の不思議な混淆
カント的世界への挑戦
ショーペンハウアーとビシャ
生理科学の勃興と生‐権力
科学から美の直観へ
光学の十九世紀的展開と身体領域の分離
生気論から精神物理学へ――ヨハンネス・ミュラー
「特定神経エネルギー」説の衝撃
指示対象の喪失/外部からの操作可能性
電気と神経
「眼の無垢」という理想
精神物理学と主観的美学の通底性

第四章 観察者の技法
残像というトポス
視覚の時間性
生理学的心理学への流れ――ヘルバルトの地平
プルキニェの残像研究
運動錯覚の視覚器具――ソーマトロープ
フェナキスコープその他
十九世紀の視覚器具の意味
ジオラマの十九世紀性
万華鏡の両義性と近代
触覚的立体視の視覚器具――ステレオスコープ
ステレオスコープ誕生の経緯
特異な「現実効果」
ステレオスコープ映像の継ぎ接ぎ的空間
十九世紀の絵画平面との通底性
触覚的視覚の危うさ
身体の直接的参入
装置から幻劇へ
身体の抽象化への線分

第五章 視覚的=幻視的抽象化
カメラ・オブスキュラの衰退と近代化の進展
主観的視覚の絵画――ターナー
太陽/網膜
幻視的科学者の系譜
ターナーとフェヒナー
主観性の数学的規則
抽象化=均質化
そして現代社会へ――視覚的近代の二つのベクトル

原注
訳註
訳者あとがき
新装版あとがき
索引



■しかく引用
以下太字見出しは本論を参照して作成者がつけた。

訳者あとがきによる本文小見出しへの注
本文中に付せられた小見出しは原書には存在しない。かなり高度な議論を展開しているこの名著を、なるべく多くの読者に開かれたものにしたいという編集部の要請を受けて、原著者の承認のもとに訳者が付加したものであることをお断りしておく。(p.281)



*作成:篠木 涼