『国際分業と女性──進行する主婦化』
Mies, Maria[マリア・ミース] 1986
Patriarchy and Acuumulation on a World Scale, Zed Books
=19971130 奥田暁子訳,日本経済評論社,382p.
last update:20100724
■しかくMies, Maria[マリア・ミース] 1986
Patriarchy and Acuumulation on a World Scale, Zed Books
=19971130 奥田暁子訳,『国際分業と女性──進行する主婦化』,日本経済評論社,382p. 3800
[amazon]/
[kinokuniya] **
■しかく内容
「資本主義的家父長制、性別分業などの新しい用語、概念を使用し、家父長制と資本主義との関係を女性や途上国など「植民地」の視点から歴史的・政治経済的に分析した。著者の主著で、刊行当時から高い評価を受けた書。」
■しかく目次
第1章 フェミニズムとはなにか?
第2章 性別分業の社会的起源
第3章 植民地と主婦化
第4章 国際化する「主婦化」──女性と新国際分業
第5章 女性に対する暴力と進行する資本の本源的蓄積
第6章 民族解放と女性解放
第7章 新しいパースペクティヴに向けて
■しかく引用
第2章 性別分業の社会的起源
「「生産力」とは人間が歴史のプロセスのなかで生命の生産と再生産を行う能力を意味するのだと考えるならば、わたしたちの分析を進めるにあたって、女性の生産力は男性の生産力とあらゆる世界史の発展の前提条件であるという命題にまとめることができるだろう。この命題には、時代を越えた物質的な側面と歴史的な側面がある。
第一に、女性は
いつの時代にも新しい女や男の生産者であり、この生産がなければ、それ以外のあらゆる生産様式は意味を失うことになる。これは些細なことのように聞こえるが、人類史の最終目標である。第二に、男性がさまざまな形態の女性の生産力を利用し、隷属させることができなかったら、彼らが歴史のなかで開発した多様な形態の生産力は姿を現わさなかったであろう。」([86])
第5章 女性に対する暴力と進行する資本の本源的蓄積
「女性に対する暴力と、強制的な労働関係によって女性の労働を搾取することは、資本主義の重要な一部である。それは資本蓄積プロセスに不可欠であって、周縁的ではない。別の言葉で言えば、資本主義はその蓄積モデルを維持したいと思うなら、家父長制的な男と女の関係を使用し、強化し、発明さえしなければならないというこ(p.259)とである。世界中のすべての女性が「自由な」賃金労働者に、「自由な」主体になれば、余剰の搾取が徹底的に妨害されることは間違いない。これが第三世界と先進国の主婦、労働者、農民、売春婦である女性たちが共有している状況である。」([259-260]、第5章末尾)
■しかく書評・紹介
□しろいしかく紹介・言及
◆だいやまーく古田 睦美 199709 「マルクス主義フェミニズム──史的唯物論を再構築するフェミニズム」
江原・金井編[1997:318-339]*
*江原 由美子・金井 淑子 編 199709
『ワードマップ フェミニズム』,新曜社,365+7p. ISBN:4-7885-0611-4 2,600円
[bk1]
「「エコロジー」と「フェミニズム」と「世界システムとしての資本主義」というパースペクティヴを統合する立場に立つマリア・ミースは、資本主義のもとでの「生産」を男性的で資本主義的に偏向したもの、つまり「生産=破壊・領有」パラダイムの上で構築された概念とみて、「サブシステンス生産」を基盤として社会を紡ぎ直すことを提唱している(28)。
(28)Mies Mies,
Patriarchy and Acuumulation on a World Scale(1986)」(古田[1997:334)
■しかく言及