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『神経心理学入門』

Beaumont, J. Graham, 1983 Introduction to Neuropsychology, The Guilford Press.

=19910930 安田 一郎 訳『神経心理学入門』,青土社


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しかくBeaumont, J. Graham, 1983 Introduction to Neuropsychology, The Guilford Press.
=19910930 安田 一郎 訳, 『神経心理学入門』,青土社 ISBN-10: 4791751477 ISBN-13: 9784791751471 2415 [amazon] [kinokuniya] (注記)


しかく目次
まえがき

第1部 序文
第1章 神経心理学という学問
神経心理学とは何か
神経心理学の諸部門
比較神経心理学
概念的諸問題
歴史的背景
臨床神経心理学
実験神経心理学
周辺の問題
本書のプラン
結論

第2章 中枢神経系の構造
用語
中枢神経系の環境
脊髄
脳の区分
脳幹
小脳
間脳
終脳
結論

第2部 臨床的研究
第3章 前頭葉
方法論上の問題
知能
特殊な機能
運動野と運動前野
前頭前野
ブローカ野
眼窩皮質
前頭葉における側性化
結論

第4章 側頭葉
聴覚
視覚
言語
注意
記憶
パーソナリティ
結論

第5章 頭頂葉
体性感覚的知覚
触知覚と身体感覚
言語
空間方向づけ
空間無視
象徴的総合
失行
感覚間連合
短期記憶
ゲルストマン症候群
結論

第6章 後頭葉
解剖学的区分
基本的視機能
視知覚機能
盲視
視覚補装具
結論
皮質機能の統合

第7章 言語
言語の側性化
失語症の種類
解剖学的構造
失語症の諸型
失読と失書
失語症の評価
失語症のリハビリテーション
結論

第8章 皮質下と精神外科
脳神経外科
精神外科
結論

第3部 実験的研究
第9章 分離脳と二つの心
交連切断術とその患者
交連切断術の作用
意識は分割されるか

第10章 分割視野研究
方法
証拠
理論
結論

第11章 両耳分離聴
方法
耳の側性非対称
注意
側性化の指標
結論
実験神経心理学における他の方法

第12章 電気生理学
脳波記録
誘発電位の記録
脳波の側性非対称
結論
副次的な生理学的手法

第13章 個人差――性と左きき
大脳機構の性差
きき手
結論

第4部 応用
第14章 神経心理学の実地
脳傷害のテスト
特殊機能の評価
リハビリテーション
結論

第15章 精神医学と神経心理学
神経精神医学
機能的状態と側性
結論

訳注
訳者あとがき
索引


しかく引用
太字見出しは本論を参照して作成者がつけた。

補償方略compensatory strategy
失われた機能を補う方法、手段(p.32)

側性化lateralize
情報が与えられるのが、左半球か右半球かといった一方の側に限定されること(p.32)

心身問題を含めて、神経心理学が提起した基本的、概念的な問題がある。一般に受け入れられた立場は、創発的唯物論、あるいは創発的精神神経一元論である。これは、すべての精神状態はまた脳の状態であるが、単一細胞の性質に還元できないと主張している。現代の神経心理学の歴史的起源は、十九世紀の後半にさかのぼる。初期の理論的立場には、局在論と等能論があった。しかし現在たいていの神経心理学者は、相互作用論と、それと結びついた局所的等能論を受け入れている。(p.39)

効果器
遠心性神経線維の終末に接続し、収縮、分泌などの働きが発揮される器官(p.43)

中枢神経系用語についての注意
第一に、多くの構造にはラテン名、あるいはむしろ中世の不正確なラテン名がついている。それは、解剖学者が、その外形からか、ジョークをもとにしてつけたものである。これは用語をおぼえやすくする上に役立つ。《中略》第二の点は、方角を示す一般生物学の方式が中枢神経系にどのように使われているを知ることである。この方式では、rostral(口側)は頭の方向(rostrum、すなわち、くちばしをもち上げる)、caudal(尾側)は尾の方向、dorsal(背側)は背中の方向、ventral(腹側)は腹の方向を指す。lateral(外側)は側方をさし、medial(内側)は正中線の方向を指す(図2・1)。
人間の中枢神経系に関して複雑なことは、進化の過程で、それが大脳の高さで直角に前に曲がったとみなされることである。それゆえ、以上の用語を、図では立っているが、頭を後ろに曲げ、目は天井を向いている状況にあてはめて使わなければならない。こう考えると、立っている図では垂直切断であるように思われる脳の切断に冠状断(横断)ということばが使われるときにしばしば生じる当惑が、解決される。あなたは、頭を後ろに曲げてから、「王冠」が図のてっぺんにおかれた状態を想像しなければならない。矢状断(矢で切られる)、あるいは前後断は、かなりはっきりしている。水平断は、日常的な実際の方向にある頭にあてはめたものである。anterior(前)、posterior(後ろ)、superior(上)、inferior(下)ということばを頭にあてはめたときには、正常でのそれを指している。(pp.44-45)



◇作成者:篠木 涼
UP:20080311, 1128
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