『精神障害者福祉』
田村 健二・坪上 宏・
浜田 晋・岡上 和雄 編 19821010 相川書房,757p.
last update:20191216
■しかく内容
「はじめに」より(本書:1-2ページ)
本書の内容は、お互いに入り組んでいるが、おおよそこれを二つに分けることができる。第1は、試論をも含め、援助活動に関する理念、歴史、主体および対象等について(第1章より第3章まで)。第2は、対象となる人々の人権の問題の視点からの、精神衛生関係の法制度について(第4章、第5章)。第3は、対象となる人々の生活問題、および闘病における本人の生活問題等について(第6章、第7章)である。
また、現場における具体的指針ともいうべきものが、多くは事例をとおして述べられている後半は、本書の本領をなす。そこには、精神障害といわれる相手とその家族についての事例が、相手とその家族との関わりにおける自分を含めての事例が、さらには相手とその家族と自分をも含む施設ないし地域自体についての事例が含まれている。また事例の紹介には、実践活動そのものの記述から、経験的規則ないし検証された理論仮説に関連づけての実践活動の記述ま
△しろさんかく1 でを含んでいる。さらにまた、一般的なモデル活動の形での紹介から、特定施設の特定援助者の活動の形での紹介にいたるまで、その焦点の合わせ方の範囲には幅がある。
活用すべき制度的資源に乏しく、あっても精神障害者といわれる人々にとって不利な場合の圧倒的に多いこの領域で、相手の当たり前の生活を回復するためには、制度に裏付けられた
物とともに、相手と自分との間の人間的に望ましい
関係が必要である。その場合、
物がなければ
関係はありえず、
関係を欠くときに
物はその意味を失う、と私たちは考えた。このような
物と
関係という両者の間の何処に重点をおくかは執筆者各自の判断によっている。
また本書はでは主として「精神障害」という言葉を用いたが、そこでの「障害」の意味については、第3章第1節に述べるように、身体障害の場合にいう障害の固定した状態とは若干異なり、その多くは深刻、重篤、かつ慢性に経過するものであるにせよ、機能的な障害と考えられ、現代の精神医学では必ずしも不治欠陥を意味するものではない、と考えている。
■しかく目次
第1章 精神障害者福祉の理念と現状
第2章 歴史
第3章 精神障害者とは
第4章 精神障害者と人権
第5章 精神衡生法
第6章 精神障害者家族の生活問題
第7章 における生活問題
第8章 地域精神保健活動と家族への接近法
第9章 精神病院
第10章 いわゆる復帰困難者
第11章 社会資源
第12章 民間福祉活動
第13章 家族会活動
付録
索引
■しかく引用
■しかく書評・紹介
■しかく言及
*作成:
シン・ジュヒョン