『倫理学』
Mackie, J.L. 1977 Ethics- Inventing Right and Wrong, Penguin Books
=19901007 加藤 尚武監訳, 高知 健太郎・三嶋 輝夫・古賀 祥二郎・森村 進・桑田 禮彰訳,『倫理学』, 哲書房, 399p. ISBN-10: 4879507717
■しかくMackie, J.L.
Ethics- Inventing Right and Wrong, Penguin Books, 1977
=19901007 加藤 尚武監訳, 高知 健太郎・三嶋 輝夫・古賀 祥二郎・森村 進・桑田 禮彰訳,『倫理学』, 哲書房, 399p. 3450
ISBN-10: 4879507717 ISBN-13: 978-4879507716
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■しかく目次
凡例
序文
第一部 倫理学の地位
第一章 価値の主観性
第一節 道徳上の懐疑主義
第二節 主観主義
第三節 第二階の問題の多様さ
第四節 客観性は本当の争点であろうか
第五節 評価の基準
第六節 仮言命法と定言命法
第七節 客観性の要求
第八節 相対性に基づく論証
第九節 特異性に基づく論証
第十節 客観化のさまざまな型
第十一節 人間生活の一般的な目標
第十二節 結論
第二章 「よい《の意味
第一節 「よい《(good)の一般的意味
第二節 道徳的文脈における「よい《
第三章 義務と理由
第一節 「である《(is)と「べきである《(ought)
第二節 「べきである《の意味
第三節 理由の多様性
第四節 制度
第四章 普遍化
第一節 普遍化の第一段階――数的差異の度外視
第二節 普遍化の第二段階――他人の立場に自分を置いてみること
第三節 普遍化の第三段階――違った趣味や対立する理念を考慮に入れること
第四節 普遍化における主観的要素
第二部 倫理学の内容
第五章 道徳の目的
第一節 道徳的懐疑論の帰結
第二節 限りある同情心を乗り越える工夫
第三節 工夫の形態
第四節 ゲーム理論的分析
第五節 工夫の内容、保守主義か改革か
第六章 功利主義
第一節 行為功利主義
第二節 幻想の倫理
第三節 狭義の道徳
第四節 規則功利主義
第五節 効用の「証明《
第六節 欲求の満足としての効用
第七節 道徳の可塑性
第七章 帰結主義と義務論
第一節 「よさ《の諸観念
第二節 普遍化の背景原理
第三節 二次的原則の必要性
第四節 特別の関係と道徳的原則の形態
第五節 目的と手段
第六節 絶対主義と「二重効果《原則
第八章 実用的道徳の諸要素
第一節 人間にとっての善
第二節 利己主義・権利・財産
第三節 自由
第四節 真実を語ること・嘘・合意
第五節 君主はどのように信義を守るべきか
第六節 徳
第七節 道徳への動機
第八節 道徳の拡張
第九節 生命への権利
第十節 結論
第三部 倫理学の境界領域
第九章 決定論・責任・選択
第一節 自発的ないし意図的行為
第二節 責任の直線的な規則
第三節 因果的決定論と人間の行為
第四節 硬い決定論と柔らかい決定論
第十章 宗教・法・政治
第一節 倫理学の神学との境界領域
第二節 道徳と法の結びつきと重なりあい
第三節 道徳の政治上の適用と拡張
原著者による注記と参考文献
著者について
監訳者解説
索引
■しかく引用
<価値は、客観的なものでも、世界の組織の一部でもない>という主張は、道徳上の善さ(goodness)だけでなく、もっと大ざっぱに道徳上の価値とか反価値と呼ばれるものにも当てはまる。道徳上の善さが、道徳上の価値と同じであることは言うまでもない。もっと大ざっぱに価値とか反価値とか呼ばれるものには、正しいものと上正なもの(rightness and wrongness)、義務、責務、ある行為が腐敗しているとか、下劣だとかいうことが含まれる。それにはまた、道徳とは違う価値、とりわけ美的価値、すなわち、美やさまざまな種類の芸術的価値(merits)も含まれる。私はこれらについては取り立てて議論をしないつもりだが、しかし美学上の価値にも道徳上の価値にもほとんど同じ考察が適用されることは確かである。一方に他方とは違った位置づけをするという見方には、少なくとも何か最初から紊得できないものがあるように思われる。(p.8)
*作成者:
篠木 涼